案外鮮明に覚えてる
今日は1月28日、逸話の日として記念日になっている。
語呂合わせで1(い)2(つ)8(わ)と読めることから定められたそうだ。
逸話といえば昔話から偉人伝まで幅広いが私が小学生の頃、学校に昔話を話しを話しに来てくれるお爺さんがいた。
その人は民俗学の権威と言われていた方で学校との関係も深かったのだろう。
年に数回全校集会でそのお爺さんの地元に伝わる昔話を聞く機会があった。
ほとんどの話は長くて小難しくて小学生には難易度が高かったが、今でも鮮明に覚えている逸話がある。
詳細まではさすがに覚えていなかったので今回調べてみたらわりとあっさり見つかった。
そのお話のタイトルは「屁ひり婆」というもので、下ネタ大好きの小学生男子には大変そそられるものだった。
昔話なので著作権もないだろうからお話を再現したいと思う。
むかしむかし、ある所にひとりの婆さんがおった。
婆さんは年貢を上納するときに米の計量をちょろまかすのが得意だったそうな。
役人がどんなに目を凝らしても婆さんは巧みに米の升目をごまかしていた。
悔しくてならない殿さまは何としても年貢を取りたてたくて二人の役人を監視につけて婆さんの米を量る番をさせて「それでもお升目をごまかすことが出来たら上納米を免除してやろう、もし不正が露見したら重い罰を与えよ」といった。
婆さんは二人の役人がいるところで一升、二升と量っていたが四つの監視の目が光っていてごまかすことが出来ない。
婆さんはどうやって役人の目をそらそうかと色々考えた。
そして、顔を真っ赤にして気張って大きな屁をぷうとひとつひった。
その臭いこと臭いこと。
二人の役人はたまらず思わず婆さんから目をそらした。
その隙に婆さんは素早く米を掴んでむしろの下にさっと隠した。
そして何食わぬ顔をしてまた一升、二升と量り始めた。
量り終えて役人二人が「わしたち二人ににらまれてさすがに盗めなかっただろう」と得意になっていると婆さんは黙ってむしろの下から米を取り出したとさ…。
この話の肝であるおならのくだりでは体育館中がゲラゲラと笑いに包まれた。
何といっても下ネタは小学生の大好物である。
屁ひり婆というインパクトのあるタイトルとおならという身近な生理現象を使って高圧的な二人の役人をぎゃふんと言わせる展開が痛快で何度聞いても面白かった。
最近色々なことで世の中がギスギスして息苦しい感じがするのは私だけだろうか。
品行方正も大いに結構だが私は出来れば軽妙洒脱な人間になりたい。
もちろん人の道を踏み外すことなくお天道様に顔向けできる自分でありたいという気持ちは強く持っている。
誠実さと真面目さとちょっぴりの遊び心、これがそろえば人生はそんなに悪くはならないだろう。
切羽詰まったときにその人の本来の性分が出るので私は屁ひり婆のようにしたたかにそれでいて軽やかに生きていきたいなぁと思う次第である。
そんなことをうっすら考えながら昨日の晩御飯のお話を少しだけ。
昨日のメインは野菜炒め。
豚肉とキャベツをメインにしたカット野菜を炒めて軽く塩コショウをしてアサムラサキの肉どろぼうで味付けしてあっという間に一品完成。
副菜はベーコンとカブの煮物。
ベーコンを食べやすい大きさに切ってカブは葉っぱを落として皮をむいて一口サイズに切り分ける。
鍋に油を薄く敷いてニンニクを入れて火をつけて香りを引き出す。
香りが立ったらベーコンを入れて軽く炒めたらカブを投入。
かつおと昆布の合わせ出汁に酒、みりん、砂糖、醤油を入れてコトコト煮込んでいく。
カブは煮過ぎると崩れやすくなるので時折煮え具合をチェックしつつカブの葉でもう一品拵える。
葉っぱを細かく刻んで塩を振ってちょっと置いてからキュウッと絞ってアクを抜く。
それをよく洗って水けを切ったら卵と混ぜて白出しで味をつけて卵焼きに。
卵は贅沢に三個使用。
そうこうするうちにベーコンとカブの煮物が煮えるので器に盛って出来上がり。
糠漬けは人参。
昨日はこの四品で晩御飯。
妻を呼んで頂きます。
まずは卵焼きから、カブの葉っぱのショリショリした歯ごたえと青っぽい味がしてなかなかイケル。
次はメインの肉野菜炒め。
味付けをシンプルに肉どろぼうにお願いしたので間違いのない味。
ご飯が進みそうな感じだったが昨日はお米は無し。
その代わりビールを一本だけプシッ。
チビリチビリと飲みながら、煮物に手を付ける。
ベーコンの脂とカブの相性は抜群である。
ニンニクの風味もしっかり効いておりパンチのある一品だった。
糠漬けもまずまずの漬かり具合。
満腹中枢が納得するように時間をかけて丁寧に食べた。
腹七分目でご馳走様。
後片付けをして冷えるので電気毛布をつけて就寝。
世間が何かとざわついているここ最近、人は刺激に慣れてしまうともっともっととより過激なものを求めてしまう生き物なので、行き過ぎないように温故知新として昔話から学ぶこともたまにはいいのではないでしょうか。
人生にもっとユーモアを!
ぷう。