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おとうさんは77歳
昨日は父の喜寿祝いで焼肉屋さんに行ってきた。
先週も私の誕生日祝いで妻が焼き肉をごちそうしてくれたので二週連続である。
そもそも企画立案は私で、父の節目の年に何かしたいという思いから計画が始まった。
まず困ったのが家族みんなの日程調整で両親を除いて姪っ子以外みんな社会人なので都合のいい日を選ぶのが大変だった。
最初は近所のお寿司屋さんにでも予約を取ろうと思っていたのだが、各々の日程が調整できたのがお祝いの二週間前だったのですでに予約で一杯だった。
そこで窮余の一策として焼き肉店を押さえたわけである。
父は高齢にしてはお肉が大好きでありまだまだモリモリと食べる。
なので食べ放題の一番いいコースにして飲み物も飲み放題にした。
宴の開始は七時、少し早い時間に着いたがお店の人は快く対応してくださった。
席についてまずは飲み物の注文、父と私と弟と甥っ子は生ビール他のメンツはソフトドリンクを頼んでいた。
ほどなくして飲み物が揃ったので乾杯の音頭を不肖私が取ってカンパーイ。
ウグウグと生ビールを飲んでからみんなで拍手。
それからタッチパネルでお肉やサイドメニューを頼んでいく。
まずは甥っ子と姪っ子が食べたいものを注文。
その後で兄があれこれ頼んでいた。
それから父に何が食べたいか?ときいてリクエストにお答えしてタッチパネルをポンポンポン。
そのうちに頼んだお肉やサラダが届いてさぁ食べるぞぅという体制になった。
お肉はさすがに良いものを使っているらしくタンもカルビも美味い。
ザザっとひとしきり食べて注文の隙間が空いたところで甥っ子と姪っ子が父に誕生日プレゼントを渡していた。
イラストが得意な姪っ子は紙袋に父の似顔絵を描いており中身は父の印象的な姿を収めたプリントタオルだった。
父はいたく感激したらしく頬が緩みっぱなしだった。
それから注文したお肉が届いたのでひとしきり食べてまた間が空いた時に弟がプレゼント第二弾を繰り出してきた。
開けて見ると箱入りの有田焼の焼酎グラスでなかなかいい品だった。
箱の裏面にお父さん何時までも長生きしてねとメッセージが添えられており父の目が少しうるんでいるようだった。
そこですかさず私も渾身のプレゼントを父に渡した。
私のプレゼントはいつもの定番の芋焼酎だったが、お値段がそれなりにする私にしてはかなり奮発したものだった。
たまたま弟の焼酎グラスと対になる贈り物だったので収まりが良く場が盛り上がった。
ひとしきりプレゼントタイムが終わってからはみんなで頼みたいものを好き好きに選んで食べ放題の時間ギリギリいっぱいまで焼き肉を堪能した。
支払いは前から決めていた通り兄弟で割り勘にして父と母からはお金を頂かなかった。
これが父には嬉しかったみたいでありがとうのうと感慨深げだった。
それからお店の前で記念写真を撮って近所のコンビニでお酒やおつまみを買って実家に集合。
父はさっそくプリントタオルを壁に貼り付けてご満悦だった。
そこから軽い二次会の始まり。
甥っ子と姪っ子が買ってきたお土産と一緒におつまみをつまみながら昔話に花が咲いた。
父は早速弟が贈った有田焼のグラスで私がプレゼントした芋焼酎のお湯割りを美味しそうに飲んでいた。
私も一口ご相伴に預かったがさすがに良い焼酎は風味も旨味も普段飲んでいる千円代のものとは段違いだった。
ああでもないこうでもないと色々な話をしているとそのうちに弟が酔っぱらってきて甥っ子と姪っ子にダルがらみをし始めたのである程度フォローをしながら話を別の方面にそらした。
私も焼肉屋で生ビール5杯、実家で缶ビール2本、缶チューハイのロング缶を飲んだがそれくらいではほろ酔いになるくらいだった。
家でも父は終始ご機嫌でワシの友達でもここまでお祝いしてもらえる奴はおらんだろうと、とっても嬉しげだった。
企画を立ち上げて二か月、楽しい時間をみんなで過ごすことができて充実の夜になった。
二次会がお開きになって兄に家まで送ってもらう間に親父もお袋も思っている以上に衰えているから何かあったら俺が面倒みるからと言われたので水臭い事言うなよと言ってやれることがあったら何でもするからと答えておいた。
家に帰ってお風呂に入ってスマートフォンを見ると母から今日はありがとうねと感謝のLINEが来ていた。
いいえー楽しい事はみんなでやらないとねと返信を返して布団に入った。
本来の誕生日は一週間後だがまたその時はケーキでも買ってふらりと遊びに行こうかなと思っている。
何にせよこの歳まで両親が大病をせずにいてくれることがありがたい。
おとうさん、おたんじょうびおめでとう。
これからもプロ野球観戦一筋で元気でいてくださいね。
いやぁ、楽しい夜でした。