予定時刻は六時。
今日はバスの日なのだそうだ。
明治三十六年九月二十日に日本初となる営業バスが京都の堀川中立売~七条~祇園の間で運行されたことにちなんでいるとの事。
この時期に全国のバス会社でイベントが開かれるようでボンネットバスの展示や運転席乗車体験など子どもが喜びそうな企画が目白押しである。
私が小さい頃は母が車の免許を持っていなかったのでちょっとした距離を移動するときはもっぱらバスであった。
電車は駅が遠い事と三十分に一本しか走っていなかったので使い勝手が悪かったのだろう。
ともあれ、兄と一緒に母に手を引かれバス停まで歩いて行くのはお出かけ感があってとてもワクワクした。
道すがら猫と出会ったりドングリを拾ったりと大忙しだったが先を急ぐ母にいつも急かされたものである。
停留所に着くと私たちのほかにバスを待っている人が何人もいた。
お年寄りが多かったが中には若い男の人もいて当時のバスの利用率の高さをうかがわせた。
中に乗り込むと床は木で出来ていてエアコンは無くて大きな扇風機がぬるい風をかき回していた。
暑いのでみんな窓を開けているが排気ガスがバンバン入ってきて息苦しかったのを覚えている。
バスの乗り方を母から教えてもらったのもこの頃でまずは整理券を取ってから乗り込む。
後は目的地の近くになったら降車ボタンを押すのだが、もちろん兄と競争である。
車内のアナウンスがあり目的地の名前が流れたら早押しクイズのようにピンポンと高らかにボタンを押した。
車内に次停まりますと女性の声が流れたら何となく勝利した気分になった。
とはいえ終点まで乗っていたら降車ボタンは押さなくていいので少しもったいない気がした。
バスが目的地に着くと料金箱にお金を入れて運転士さんに、ありがとうございましたとお礼を言うように躾けられた。
小学生になってからは一人でバスに乗るようになった。
見慣れた近所の風景から少し都会の隣町に行くと景色が変わるのでいつバスに乗っても楽しかった。
中学、高校時代もバスには非常にお世話になった。
高校時代は高速バスに初めて乗って大阪まで遊びに行ったのが懐かしい。
バスの背もたれが思ったより倒れてくれず降りる頃には背中がバキバキになったのもいい思い出である。
大人になってからは飲んだ帰りにバスを利用することがたまにある。
早めにスタートした飲み会を二次会で切り上げると十時ごろには身体が空く。
その時間ならばギリギリ最終バスに間に合うのである。
バスの中はヨッパライでギュウギュウで空気が何ともホワンとしている。
そんな中で一人だけ運転士さんはシラフでまじめに運転してくださっているのでありがたい。
聞いた話によるとバスの運転士は仕事の前日に飲酒は厳禁らしく出勤時にアルコールチェッカーで厳しくチェックされるそうだ。
もし基準値以上のアルコールが検出されたらその日は乗務禁止になるのだとか。
無類のお酒好きの私の転職先にはなりそうも無いようである。
トイレも自由に行けないし、時間どおりに運行しないと一大事だしバスの運転士さんはプロフェッショナルだなと思う。
たまにはバスに乗ってお出かけしてみようかな。
隣町までの運賃250円、う~んお安い。
そんな事を思いながら昨日の晩御飯のお話しをさせてください。
昨日は枝豆を塩蒸しにしたのでそれで一品。
副菜のもう一品は玉ねぎをスライサーでスライスして水に晒す。
イワシのかば焼き缶詰を空けてタレを軽く洗い流す。
それからイワシの上に玉ねぎを乗せてポン酢をかける。
仕上げに鰹節を散らしてサーディンオニオンサラダの完成。
メイン用に長芋を摺り下ろす。
キャベツを細切りにしてさらに刻む。
ボウルに小麦粉と長芋、卵、カツオ出汁を入れて水を少しづつ注ぐ。
シャバシャバの緩さになるまで溶いたらキャベツと揚げ玉を入れる。
これで下ごしらえ終了。
妻を呼んでいただきます。
昨日のお酒はビール。
プルタブをオシャッと起こしてグラスにテケレッツノパー。
炭酸が落ち着いたらグインと飲み干す。
ビヒャァ~ウメェと声が漏れる。
何だかんだでビールが大好きだ。
枝豆をつまみながらお好み焼きを焼いていく。
ホットプレートにたっぷり油を敷いて熱していく。
キャベツと生地を流しいれたら上に豚肉を並べる。
そこに上から生地を少しだけかける。
ジュジュッと香ばしい音がする。
これを聴くだけで軽く一杯飲める。
もういいかなというところでエイヤっとひっくり返す。
ひっくり返したら決していじったりせずにじっくりと焼けるのを待つ。
その間にサラダも食べる。
ビールは当然二本目である。
普段はサバ缶で作るオニオンサラダだが昨日はイワシ缶でやってみた。
思ったよりも違和感が無くて甘辛いかば焼きの味がよく合っていた。
最近サバ缶がお高いのでこれはこれでアリかもと思った。
そうこうするうちにお好み焼きが焼けた。
お皿に取り分けてソースをたっぷり塗って青のりと鰹節を散らす。
ああ、サラダの鰹節とだぶったなと井之頭五郎さんのような感想を持ちつつアツアツのお好み焼きをパクリ。
ホフホフしながら噛むとトロリとした生地とシャリっとしたキャベツ、香ばしい豚肉の組み合わせが良かった。
生地が軽いのでモリモリいける。
何よりこれがまた涙が出るくらいビールに合う。
三本目のプルタブを起こしてゴブリ。
まだまだ食べられそうだったので三枚目を焼いて二人で半分こにして食べた。
二枚目はマヨネーズをつけたがこれもコクがアップして良かった。
あっという間に食べきってしまった。
お好み焼きは久しぶりにやったが大成功だった。
お酒は気が付けば五本ほど飲んでいた。
ササッと片付けて久しぶりにテレビを見て大笑いして気持ちよく就寝。
さて、バスの日の晩御飯って何でしょうね。
何となくお子さまランチな気がしませんか?
チキンライスに旗を立ててコロッケとハンバーグとナポリタン、後は小さいゼリーにコーンスープ。
誰か作ってくれないかしら。
バスに乗って足をぶらぶらさせていた頃に戻りたい。
フフッ、懐かし~。
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