逃げても逃げてもついてくる
昨日の夜いつものようにゴミ捨てに外に出た。
風が強くて冷たくて一気に秋が深まった気がした。
半袖短パンだともうヒンヤリするなぁと思いつつ歩いて五分かかるちょっと遠いゴミ箱までテクテク。
燃えるごみを出せる日だったのでこの間貰った賞味期限切れのビールの空き箱をばらしたりしてみると一つの袋には入りきらずに二袋になった。
両手にゴミ袋を抱えてよっこらしょ。
一昔前は田んぼばかりだった近所も今ではアパートが立ち並んでいるので街灯の明かりが十分にあって明るい。
ステンレスのごみ箱にごみを捨てて帰ろうとしたら向こうから車がやってきた。
そんなに広い道ではないので車一台が通ると人はどこかによけないといけない。
ライトの明かりに照らされながら道路の端っこに移動して車をやり過ごした。
それ自体はたまにあるのであまり何とも思わなかったが、じんわりと低速で通り過ぎたのが少しだけ気になった。
それから家に帰ろうと思ったのだが、通り過ぎた車がUターンして戻ってきた。
道でも間違えたのかなと思ったがまた避けるのも面倒なのでもう一本ある住宅街側の道から帰ることにした。
そっち側は街灯がまるでなくて薄暗いので夜はあまり歩きたくはない。
足元に注意しながらテクテクと歩いていると背後からピカリと車のライトに照らされた。
うん?と思って振り返るとさっきすれ違った車が後ろからゆ~っくりと迫ってきた。
は?と思いつつ住宅街側の道も車一台が通れるくらいしか広さが無いので困ったが、側溝の向かい側に多少広い道路があるのでピョンと飛び越えて車をやり過ごした。
後ろからやってきた車は私の前を通り過ぎて闇の中に消えていった。
やれやれと思いつつ帰っているとその車がハンドルを切り返して再び住宅街側の道に戻って来ようとしていた。
ここにきてヤバい、狙われている?と思って背筋が冷たくなった。
車はジワリと再びこちらに迫ってきている。
ここで自分の危機管理アンテナがビビッと反応して無意識のうちに全力で自宅まで猛ダッシュをした。
日ごろ思い切り走る事なんて無いので最初は足がもつれて転びそうになった。
とはいえ謎の車はじわりじわりと近づいてくる。
頭の中は真っ白で夢中で手足を動かして自宅まで辿り着いた。
必死の全力疾走は距離にして二百メートルくらいだったが息が激しく切れた。
振り返るのも怖かったのでその後その車がどうなったか分からないが、何とも言えない不快感と恐怖を感じた。
はあはあと切れた息で妻にたった今の出来事を話すと、なにそれ怖いと私と同じ反応をしてくれた。
そして今度からゴミ出しは夜ではなく日が昇ってから行った方が良いわねと話して必ずスマートフォンを持ってから出かけなさいとアドバイスを頂いた。
私を付け回した車は白いEV車で、ヴィーンと静かな音で迫ってくるのが本当に恐ろしかった。
命を狙われるような覚えもないしその車がたまたま道に迷っていただけかもしれない。
でも何とも言えない無言の圧というのは確かに感じた。
本当の事は分からないだけに余計に不安が募る。
遠くからじわりじわりと迫ってくるライトの光は本当に心臓に悪かった。
二百メートルの全力疾走と追いかけられる恐怖で心臓が飛び出そうになった。
ああ、おっかなかったです。
そんなビビりまくりの夜の晩御飯がこちら。
生の落花生が手に入ったので殻から外して研いだお米に皮ごと入れて塩と酒を振ってから炊飯。
おかずは実家から頂いていた唐揚げを解凍してトースターで加熱。
付け合わせの野菜はキャベツを刻んだ。
後は卵の賞味期限が昨日までだったので茹で卵を作った。
もう一品はチキンナゲットをチン。
汁物は大根と間引き菜のみそ汁。
落花生ご飯が炊けたらいただきます。
昨日は休肝日。
早速落花生ご飯を食べる。
落花生がポクポクと甘くていいアクセントになっている。
ちょっと濃いかなと思って付けた塩味もちょうどいい感じで良かった。
落花生もそろそろ季節が終わりなので今年も食べる事が出来て嬉しかった。
次に唐揚げを食べる。
レモンが無かったので黒酢をかけて食べるとさっぱりして中華風になってご飯とよく合った。
付け合わせのキャベツもショリショリとした歯ごたえで箸休めに丁度良かった。
茹で卵はちょっと茹ですぎたので完熟になってしまったが、アジシオをチョンとつけて食べると安心安定の味わいだった。
チキンナゲットはマスタードをたっぷりつけてモグリモグ。
ツンとくるマスタード味が何といってもナイスコンビである。
合い間に味噌汁を飲みつつ落花生ご飯を堪能した。
食べすぎないように腹八分でごちそうさま。
それから中腰になるとビシビシ痛む腰をかばいながら後片付けをしてゴミ出しに行って、ちょっとした恐怖体験をしたのであった、
あれは故意ではなく偶然だったと思いたい。
これまで夜道では野良犬とイノシシに遭遇してきたが昨日の追いかけてくる車はかなり怖かった。
やっぱり一番怖いのは人間だという事か…。
くわばらくわばら。
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