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郷土料理は懐が深い。
いやはや参った。
体調不良が思ったよりも長引いて昨日もしんどかった。
本当なら家で寝ていたいところだがそうもいかない。
なるべく無理をしないように必要な用事だけ片付けて早めに帰宅した。
野菜が欲しかったので帰り道に直売所に立ち寄った。
どうにもふらふらするので体によさそうなものをと思って店内を歩いていると人参と里芋が目に入った。
うん、体調を崩している時は根菜がいいよなと思ってかごに入れた。
それから原木シイタケがあったのでこれも購入。
同じ棚に銀杏が売っていたのでおお、今シーズンはまだ食べていないなと思ってこれもかごに。
後は地元のお米で作った吟醸酒が割引になっていたので買った。
他に油あげと細切れの豚肉をワンパック。
日本酒が少しお高いので会計はいつもより高めだった。
まあ体調もいまいちだし、野菜は体にいいしなと思って帰宅した。
気力で乗り切った一日だったので家に帰ると急に倦怠感が襲ってきた。
何も食べずに寝てしまおうかと思ったがいやいやせめて薬を飲んでからにしようと思いなおして簡単な晩御飯を作ることにした。
人参と里芋を皮を剥く。
鍋に油をしいて熱したら豚コマをどさりと入れて炒める。
ある程度火が通ったら野菜を入れてさらに熱を加えていく。
その間に油揚げの油抜きをして一口サイズに切って鍋に入れる。
お湯を加えてカツオと昆布の合わせ出汁を加えてすり下ろしたショウガを加えて沸騰させる。
湧いたら火を弱めてアクを丁寧にとる。
ある程度取り終えたらフタをしてコトコト煮込んでいく。
その間に副菜を作る。
原木シイタケを乾いた布巾で汚れを落としたら軸を落として細切りにしていく。
もちろん軸もみじん切りにして料理に使う。
フライパンに油を敷いてニンニクを投入。
ニンニクの香りが経ってきたらそこに刻んだシイタケを入れる。
全体がしんなりするまで炒めたら塩と酒、みりんで味付けをする。
炒めたシイタケをといったん取り出してから溶き卵二個を炒める。
全体が半熟加減になったらシイタケを乗せて卵をクルクルと巻く。
熱いうちにラップに取り分けて軽く整形して粗熱が取れるまで放置。
その間に煮込んでいる鍋の味付けに醤油と酒をドブリと加えたら山形風の芋煮の完成である。
ようしできたなと思って居間にご飯を運ぶ。
体調がよろしくないのでお酒はお休み。
まずは芋煮風の汁ものをズズッと啜る。
人参のほっこりした柔らかさと里芋のねっとりした口当たりが体に優しい。
豚肉も旨味があって美味しい。
油揚げも汁を吸っていて食べ応えがある。
本場の山形でも地域によって作り方が様々なので私が作ったのは亜流だよなと思ったが醤油味の汁というものはしみじみと体に染みる。
ううん、温まるなぁと思いつつシイタケオムレツに箸を伸ばす。
ちょうどいい焼き加減でトロリとした卵にシイタケの旨味がばっちり出ていてこれもしみじみとしてしまう。
全体的に薄めに味付けた晩御飯だったので体調が悪かったはずが食べ終えると元気になった。
今日の晩御飯はボリュームのあるものを食べたい。
食欲が出てきたらもう大丈夫。
さぁて今晩は何を食べようかな。