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ナイキ ファントムGT エリート FGについての考察
本日はナイキの最新サッカースパイク、ファントムGT エリート FGについて、深堀していこうと思います。
HGモデルとは違いフルスペックとなる天然芝用のFGモデルは、ギミックは面白いものの、色々と気になる部分も見受けられる1足。
早速記載の方を進めていきます。
付属品等
このファントムGT エリート FGモデルにも、シューズバッグが付属でついています。
1足が高いとはいえ、こうしたナップザックタイプのバッグは意外と使い勝手も良いので、個人的にはこの付属品は良いなと思います。
強いて言うのであれば、今後は例えばニット専用の洗剤を少量付属させて、公式でもシューズシャンプーとして販売する等、ナイキとしても使用する側からしてもwinwinになるような付属品もありかなと思ったりはします。
重量
今回のファントムGT エリート FG、片足25.0cmで約200gとなります。
ハイカットかローカットか、ソールプレートによっても勿論重量は変わりますが、概ね軽量なスパイクといえるでしょう。
ただ、持って頂ければわかると思うのですが、
思った以上にソールプレートが重い
です。
特にかかと回り~中足部までが重い印象なのでまだいいですが、ソールが重いとシューズが重く感じやすいです。
ただ、考えて頂きたいのがアッパーのジェネラルティブテクスチャー(※以降GT)をあれだけ用いてもアッパーが軽いというのはなかなかのもの。
重量に関してはもしかすると人によっては、思った以上に重く感じるかもしれません。
一方で、アッパーが薄軽いのは面白い所です。
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LAST設計
今回紹介していくFG、天然芝用モデルは同時期に発売されているHG、土用モデルとは足型(ラスト)設計は違います。
基本的にナイキ、アディダス、プーマ等であれば、日本等を中心としたHGモデルと海外を中心としたFG、AG、SGモデルは足型が別であるという事は留意しておきたいところです。
そして今回のFGモデル、同HGモデルに比べると形は綺麗な方。
ただ、やはり日本人向けのスパイクに比べると甲が少し高め、幅はやや細身に設計されている印象を受けるのと、
保形の為に強度を上げている、つま先周り内側のトゥーガードのせいなのか、どうしても人差し指や中指部分に一番高さのあるものとなっています。
できればここは親指側が一番高く、なだらかに小指側へ傾斜を描いてくれるといいのですが…
そしてシューズ自体のカーブはHGモデル程きつくなく、もう少しストレートにしてあるものに。
流石に新DS LIGHT程まっすぐではないですが、丁度いい程度のカーブは描いていると思います。
また、HGモデル紹介時はいったん保留にしていたのですが、MTP関節部の高さがHG、FG共にかなりある印象。
そのため、かなりたわみやすい、アッパーにしわが寄りやすく、サッカー部的にはかなり気になる仕様になっているのは留意した方が良いと思います。
(※サッカーショップKAMOさんの一部の方でも、接客時にかなり気になるとの話でした)
なので、HGモデルFGモデル共に足幅的には広くなくてもいいんだけども、MTP関節付近に高さは必要で、そういう方は少ないともいえると思います。
サイズ感に関してですが、HGモデルではやや大きめな印象でしたが、FGモデルでも同様に若干大きい印象をうけるものに。
中敷き(内容積)のサイズ比較で言うと
・ファントムGT エリート FG 257mm
・ティエンポレジェンド8 エリートFG 254mm
・マーキュリアルスーパーフライ7 FG 254mm
↑ラストここまで同じ
・新DS LIGHT 256mm
・モレリア2JAPAN 253mm
・FURON V6 PRO HG D 258mm
このようにファントムGTだけナイキの中では少し縦長だという事が言えます。
(※捨て寸の関係、つま先周りの高さ、材質の違いがあるので、実際のサイズの選び方、感じ方とはまた別です)
実際にはつま先の先心がややハリ感があり、硬く感じやすい事を考慮すると、結局同サイズ比較で比較的大きめではあるものの、だからといってサイズを下げると先心に当たってきつく感じることもある、という話になります。
試着しましょう👍
アッパー裏材
こちらもHGモデル同様に、裏材の人工皮革の加工によって、アッパー全体の強度に強弱をつけているのが特徴的なアッパーに仕上がっています。
こちらがFGモデルの内部。
柔らかなタッチ感を生み出す部分、インサイド側やバンプ部にはサークル状にサークル状の肉抜きを施し、ソフトさをアップ。
逆に保形性の為や、ブレにくさの為に強度の必要な部分、アウトサイド部やつま先縁部分には加工をあまり施さず、強さを出しています。
特につま先部分には先心も入っており、かなりハリ感のあるものに仕上がっているのが特徴です。
また、裏材自体も前足部と中足部で変更され、MTP関節やや後方、シューレースホールの最下部~2つ目の間辺りから素材の厚みも増しています。
この辺りの仕様はHGモデルと同様ですが、
HGモデルとアッパーの柔らかさを硬度計で比較して測定した結果、やはりHGモデルの方がやや硬く(21.5HC)、FGモデルの方がやや柔らかく(19.0HC)という結果に。
恐らく表面、ナイキスキンの厚みによるものだと思われますが、ここは分解しないとわからないので予想になります。
アッパー前~中足部
アッパーベースにはフライニットと呼ばれるナイキ独自のニット素材を用い、その上にナイキスキンと呼ばれるフィルムを重ね合わせた設計となっています。
今回はこの無数の凹凸、ニットを隆起させて成型したジェネレーティブテクスチャー(以降GT)がほぼ全面に適切に配置されているのが特徴のスパイクとなっています。
こちらの突起は基本的にHGモデルと大きく変わらず、凹凸一つ単位最大のもので高さ約1mm、幅1mm、長さ4mmという設計。
これを連結させて長くしてあるものもありますが、基本的な1パーツはこの大きさです。
最近出ていた超強力なテクスチャーを持つプレデター20シリーズで、最大1パーツ高さ約3mm、幅4mm、長さ7mmなので、一つ辺りのグリップ力としてはプレデターの方が強そうです。
ポイントとしては各部位でよく行われるキック動作に対して、摩擦力が高まるように凹凸が配置されているのがポイント。
前足部インサイドはクロス時の摩擦力を意識した設計になっていますし、
アウトサイド部はドリブル時に適度に引っかかるように凹凸がしっかり引っかかるように配置。
特に特徴的なのはインサイド側で、トラップ時に左右にズレず、しっかり抑え込まれるように凹凸を配置してあるのが面白い所。
ハの字形状でサイド(足的には前後?)へのズレを抑えつつ、中央部で回転を抑え込むのが面白い仕様で、
FGモデルに関しては足裏にまでこの凹凸が繋がっているのが面白い仕様。
足の裏側まで違和感なく使える、かなり面白い仕様です。
また、このGT部分でHGモデルと異なるもう一つの場所は、ナイキロゴ部分のテクスチャー。
高さ、長さ等はそこまで大きく変わりませんが、HGモデルよりももう少し凹凸がはっきりしたもの※に仕上がっているのも特徴です。
(※店頭で触り比べてみてください、もしかしたらたまたま僕の手元に来たのがそうだっただけかもです汗)
そして甲部にはむき出しの伸縮性の高いフライニット素材を採用。
シューレースホールは5つで、ここにはそこまで強い調整機能はありません。
また、シューレースホールは今回ハイパーヴェノム3のようなフック式ではなく、直接アッパーに穴をあけてある設計。
フック式だとフックが切れてしまう事が多発していたので、通しにくさや足側への接触はありますが、こちらの方が長く使えるものに仕上がっています。
シューレース自体にはHGモデル同様、一般的な5mm幅のポリ系素材のものを採用。
同メーカーのマーキュリアルシリーズのような薄くてホールド性の弱い4mm幅シューレースではなく、5mmの一般的なものを使用しています。
また、甲部上端は今回DF、ダイナミックフィットカラーと呼ばれる所謂ハイカット形状を採用。
フライニットにて構成し、高い伸縮性を保つことで踝上まで包み込む設計。
サポート部はHGモデル同様外果と内果に高さの違いが少ないですが、ニット部はやや外果側の方が下がっている設計。
アキレス腱部にあたる裏側には縫製がありますが、柔らかな樹脂フィルムで覆う事で擦れを防止しています。
この設計で、高い足への密着感、脱げにくさ、異物の混入しにくさを活かしつつ、ニットなので蒸れすぎないものに仕上げています。
(※一方で伸び切ってしまってだらしなくなったり、足入れのしにくさにはつながります)
ちなみに甲部で一番高い部分をシュータンではなくナイキスキンで覆ってあることで、甲部の脱げ感、力の逃げ道をしっかりとふさぐ形状に。
これで例えばレースレスだったり、シューレースが弱いと外側のニットむき出し部分から力が逃げてしまう可能性が出てきますが、今回シューレースも必要な強さがあるので、この辺りのホールド性も問題ないものとなっています。
ただ、上から3番目のシューレースホール部等、一部甲部の高い場所に圧を強く感じやすい部位、接触しやすい部位があるので、あまりに甲が高い方等は圧迫感、痛みに感じやすい可能性があります。
(※アッパー材が柔らかいため、HGモデル程ではないです)
アッパー後足部
アッパー後足部、踵にはヒールカップを内蔵しています。
実はこの辺りの強度は今回、HGモデルの方がしっかりしている印象です。
ただ、他、レジェンド系のHGや、マーキュリアル系のHGよりかはまだ強度はあり、数試合程度は恐らくいいパフォーマンスのまま、確実に耐えてくれると思います。
仕様自体はHGモデルと近い印象で、後側は黒い樹脂フィルムで強度を高めつつ、サイドのナイキロゴで履き口回りの強度も少し向上させてあるものに。
長く使える強度ではないですが、ある程度試合用としては考えられる強度となっています。
ちなみにヒールカップ自体は勿論内果側高く、外果側低く設計されていますが、ナイキスキン部は意外にも外果の方が高いものに。
ニット部まで含めるとやはり外果の方が低い設計になっています。
外側外果の接触、擦れをなるべく出さずに、足入れ感を保ちつつ、外側への強度を上げた設計なのかと推察されます。
かかと裏側、腰裏には微起毛させた人工皮革を採用し、かかと後側~サイド上部には薄く柔らかいクッションフォームを採用。
こちらはHGモデルとかなり近い素材の使い方、クッションフォームの配置となっています。
アッパー内部
アッパー内部、中底にはフルレングスの樹脂プレートが内蔵。
前側まで樹脂プレートが伸び、中足部部分には凹凸のついたくぼみを設けることで、強度を高めつつ、インソールが滑らないように仕上げています。
後述しますが、この中底のギミックがかなりキレのある、面白いスパイクとなっています。
このように中敷きの裏側と中底の凹凸が組み合わさるようになっており、インソールとシューズのズレをかなり抑えてくれる仕組みに。
他のインソールに入れ替えても着用は出来ますが、シューズとインソールのズレは既成のモノのほうがしっかりと抑えられそうです。
ちなみにインソール表面はメッシュ素材を採用した、カップインソールに。
踵部、縦アーチ部に馴染むような、なだらかな形状となっています。
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