見出し画像

踊り

踊りとは残酷だ。
踊りは一人で完結することができない。
見る人が、観客がいてこその踊りなのだ。
踊っている姿を自分で直接見ることができない。
鏡やカメラを通さなければ自分の姿が見れない。
自分の考え言葉にならない思いをのせて踊る。
ひとつの表現方法。

全部見る人に委ねてしまう。
何を感じたか、何かが伝わったのか。
自分の体を生贄にして、ただ踊る。
自分の踊りで何一つ変わらないことを知っている。
わたしの考えが見る人に伝わらないことを知っている。どれだけ細かく振り付けを体に刻み込んでも見る人には分からない。どんな表情をしていても、簡単な動きだろうと難しいテクニックだろうと、様々な思いを抱えていても、音楽があっても無音でも、わたしの動きにひとつひとつ意味があっても、きっとあなたには伝わらないだろう。

でもきっとたぶんそれでいい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?