帰国子女の日本語
勤務校には日本で博士号を取得してきた先生たちたくさんいます。文部科学省が国費留学をアジアやアフリカの国々から招聘しているお陰様です。単身で留学する人もいますが、博士課程となると期間も長くなるので、自弁にはなりますが家族を帯同し、子弟を日本の義務教育学校に編入学させるケースが多く、日本の小中学校に在学中は個別に日本語指導教員がつき,かなりの日本語力を得て、インドネシアに戻ってきます。そう、帰国子女がキャンパスにはたくさんいるのです。
高校3年生 男子
幼稚園から小学校1年生の途中まで佐賀県で暮らしていました。言語に長けていて帰国後も語彙を増やしながら、今では漢字を5000以上書き、日本語・英語は堪能。ラテン語・スペイン語などを自学しています。日本語能力試験2級:通称N2まで、日本人の会社勤めの方からon-lineで個人レッスンを受けていましたが、N2に合格したのを機会に私が通いでの個人レッスンをすることになりました。
高校卒業後の進路
インドネシア国内の有名校の数学学科に進学の予定。学部を卒業したのちは日本で修士、博士課程を希望。できれば国費留学で。
授業
週に2回、父親が副学部長なので校舎内の個室を用意してくれて、高校の授業が終わってから1時間半の授業。日本語能力試験1級が次の目標ですが、次の試験が7月なので大学進学に伴う、一人暮らし開始とも重なるるので、12月の試験まで延ばすかどうか検討中。
強み・弱点
記憶力は抜群なので、語彙・文字は簡単にこなすことが出来る。今まで個人レッスンだけだったので、日本語でコミュニケーションをとる機会がなく、一般的な語彙や表現で未知のものが多い。また、聴解・読解ではコミュニケーション不足が影響して得点が伸びない。
指導の見通し
ということで、出来るだけ日本語での同年代の友人を増やそうと試みているところです。1対1でのコミュニケーションよりはグループワークをしながら何かを成し遂げるプロジェクトに参加させたい。大学学生会の企画などに参謀として参加してもらうのがいいと狙っているところです。
帰国子女に対する規制
以前の記事でも書きましたが、日本語コンテストの類は大使館主催の例に倣い、日本で〇年以上生活した人たちには参加資格が与えられません。彼のように幼少期に滞在しただけで、帰国後は本人の努力で日本語力を獲得してきた人たちには不公平なルールです。どうしたらいいのか悩ましいところですね。