打撃動作×足部機能 Preparation〜Take back
地面と接している足部が機能することで安定した打撃動作を行うことができます。Take backでグリップの位置を安定させるためには軸足の機能が重要です。今回のnoteではPreparation(構え)からTake backまでについてご紹介いたします。
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私のnoteは『打撃動作×足部』です。
●打撃時の足部の動き
●足部崩れによる打撃時の不良動作
●打撃動作相に合わせた足部エクササイズ
足部は地面に接している唯一の部位です。足部が安定することで下肢からの良好な運動連鎖が行われます。
その足部でも重要なのが『距骨下関節』です。選手の距骨下関節の構造は左右異なります。理想の打撃時の軸足・ステップ足それぞれの距骨下関節の動きを把握し、選手の足部評価を行うことで動作の崩れを予防や変えることができます。
私が担当する『打撃動作×足部』の今後の発刊予定です。
打撃におけるそれぞれの相における足部の理想の動きや、足部から起こる不良動作、足部エクササイズをご紹介します。
第5回:Preparation〜Take back
■距骨下関節の肢位
距骨下関節肢位は中間位・回内位・回外位の3通りあります。
距骨下関節には回内・回外を分ける『中間点』があり、その肢位は左右により中間位は異なります。
非荷重位(OKC)で評価を行います。
異なる中間位の評価方法は過去の記事をご参照ください。
■打撃時の距骨下関節・横足根関節
打撃時、軸足と踏み込み足の機能は異なります。
軸足の機能はPreparationで両足の支持基底面内にある重心を軸足に移動しバランスをとることや、Take backからStepへ移行する際に重心を移動するために足部を硬め蹴り出す役割があります。
踏み込み足は軸足から移動してきた身体を支えて踏ん張り、上半身の力を逃すようにしなければなりません。
上記の動きが足部で出来れば重心移動や上行性の良好な運動連鎖が遂行可能となります。
■Preparation(構え)
Preparationは静止立位です。この状態から動作が始まります。
Preparationが安定していないとTake back(もしくはTake back以降)では片脚立位になるためにバランスが崩れ不安定になり余計な動作が起こります。
この相で両足とも動きやすく安定した肢位になっていることが大事です。
打撃を行う上でPreparation〜Take backで安定することはとても重要です。なぜなら、この相が崩れると次のStep以降はその動きをリカバリーすることができないからです。
|Preparation 理想の足部肢位
Preparationの軸足の機能
この時の距骨下関節は指標中間位では中間位が理想です。
回内位だと足趾が使いにくい状態になり前後バランスが低下します。
回外位だと足部を硬めてしまうため、Take backに向けて重心移動しにくい状態になります。Take backに向けて重心移動した瞬間に回外に動くと運動連鎖によりバランスが安定します。
■打撃時足部の肢位と動き
Preparationでの左右の重心位置により軸足の距骨下関節肢位は異なります。
*今回は①軸足:ステップ足=5:5をご紹介します。
■Take back
| Take back理想の足部肢位
Take backの軸足の機能
Take backでは打撃スタイルにより若干変わりますが、片脚立位状態なのでバランスを保持しながらStepに向けて軸足足部の力を逃さないことが重要です。そのためには距骨下関節は中間〜回外位で保持できることが理想です。
回内位だと足趾が使いにくい状態になり股関節内旋や膝が外反し、骨盤の左回旋(開き)が早期に出現しやすくなります。
|骨盤回旋と足趾機能
PreparationからTake backへは回旋と軸足側への重心移動が起こります。
ここで重要なのは足趾機能です。
PreparationからTake backに向けて距骨下関節回外方向へ動いた際に、一列は挙上し母趾は屈曲することで前方重心を保持することが可能になります。
母趾が浮いてしまうと、距骨下関節回内になりやすく、後方重心になり股関節・体幹が伸展してしまいます。
PreparationからTake back、Stepの骨盤動作は以下の動きになります。
Take backでは回旋と回旋を止める力が必要になります。
回旋を出すだけなら母趾が機能するだけでいいのですが、Take backからStepへの動きの切り替えがあるために2趾〜5趾も機能しなければいけません。
2趾〜5趾を機能させるには長母趾屈筋、短母趾屈筋が機能しなければなりません。これは評価にもエクササイズにも使用できます。
(動画は足部エクササイズでご覧ください)
長母趾屈筋・短母趾屈筋が機能することで足底外側での支持が安定します。その結果体幹は側屈せずに安定します。
逆に機能低下を起こすと足部は回内します。回内すると運動連鎖により骨盤の左側へのswayが起こり体幹はバランスを取るために右側屈します。
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