明るい未来と楽しい社会(ショートショート)
A氏(75才,男性)は、群馬県の片田舎に住んでいたが、生活に不満はなく悠々自適な隠居生活を送っていた。
生きていくのに必要なあれこれは、徒歩10分ほどのスーパーでほとんど揃えることができた。昨年施行された受給年齢の引き上げにより年金は未だ貰えていないものの、53年間勤め上げた某自動車メーカーの退職金を含め、愉快な老後を過ごすに足りる金を貯めていた。
自動歩行装置やAI-トイレットが故障した際には手助けが必要になるわけだが、そんな時にはきまって息子夫婦が駆けつけてくれる。A