学振DC申請書 研究遂行力の自己分析
学振の申請書でとっかかりにくい「研究遂行力の自己分析」は、「研究計画」に比べてさける時間もそれほど多くないように思います。
短時間で効率的にこの項目を完成させるためには、1から全部文章を考えるのではなく、誰かの文章を真似しながら自分用にアレンジしていくのがいいと思います。
また「論文1報はほしいところ」と言われているDC2ですが、私の場合、申請時点でファーストもミドルも0本でした。
この業績面のビハインドを補えるようにどう書いたのか、についても紹介していきます。
今回は査読者に評価されるようにどのような工夫を凝らしていったのかについて、実際に使用した文章を紹介しながら書いていきます。
使いやすそうな文があればアレンジして活用してみてください。
何を書くか
まず指示を確認しましょう。
研究に関する自身の強み
今後研究者として更なる発展のため必要と考えている要素
この2つを2ページで書け、ということです。
さらに具体的なアドバイス(指示)があります。
主体性、発想力、問題解決力、知識の幅・深さ、技量、 コミュニケーション力、プレゼンテーション力
これらを項目立てて書くことを推奨しています。
学振を書く人たちは一読はしたことがあると思われる「学振申請書の書き方とコツ」では「書けと言われたことを漏らさず書きなさい」というように書かれています。
ですから、前記の事項を項目立てて書くことを強く推奨していると言えます。
一方Twitterでは、学振申請書の査読経験者の「学振は指南書が広く出回ってしまって、紋切り型の申請書ばかりでつまらない。もっと自由に書いて差別化した方がいい。」という、一見相反するツイートも散見されます。
どちらのいうことももっともだと思います。
そのため、守破離もしくは少なくとも守破を意識して書くことが肝要だと考えました。
これまでに後輩などの申請書を10篇ほど見てきましたが、「研究遂行力の自己分析」はかなり画一的です。
そうなれば、業績がいい人や文章が綺麗(読みやすい日本語)が書かれている人の申請書の方がよく見えます。
また、査読者がどんな気持ち・状況でこのページに目を通すかについても考慮しましょう。
査読者はお忙しいですから、必要がなければ全ては読まないと聞きました。
「研究計画」が及第点で他の申請書と評価が拮抗していたり、「研究計画」が学際的で申請者にその遂行能力があるのか気になったり、といった状況で目を通すのだと思います。
ですから、そういった感情にある査読者の期待に応えるような情報を盛り込むことが大きなポイントになるでしょう。
これまでに読ませてもらった申請書では、「研究に関する自身の強み」として、本研究計画とは関係のない話が書かれていたり、「今後研究者として更なる発展のため必要と考えている要素」として自分の弱点が赤裸々に書かれていることがありました。
例えば生物系の申請者で「漢検準一級と数検準一級を持っている」ということを書いている申請者がいても、それは査読者に響きません。
もちろん書き方ひとつでプラスの評価に繋げ得る事項ではありますが、紙幅の限られた申請書では効率の悪いアピール方法は採るべきではありません。
私の場合には、以上のような点を意識して「研究遂行力の自己分析」を書きました。
守破(離)で書く「研究遂行力の自己分析」
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