見出し画像

うれしくても、周りに人がいないと声をあげることってそうそうないかも

家で作る、市販のルーを使用したカレーライスが食べたい。

猛烈にそう願いつつ、定時から1時間以内に退勤して帰宅しないと時間配分としても、やる気の面からも、作るのは難しいなあとぼんやり考えていた。

退勤自体は早めだったけれど、急遽靴を見る必要があって、ABCマートへ行く。今度の出張で、「スノーブーツがあった方がいいです」との助言があり、買えそうかどうか確認しに行った。もうスノーブーツのシーズンではなくなっていて、売っていない可能性が大きかったから。靴はネットで博打のように買うのではなく、試着して買いたい。

会社の最寄り駅近くの店へ行くと、ブースはかなり縮小されていた。もう最終処分セールの靴が、棚三列分だけ並んでいる。よくよく見ると、一部はスノーブーツではなくニットブーツだったりと油断ならない。

偶然、好みのデザインのシンプルな黒いブーツが、自分の足に合うサイズのみ残っていた。防水も備わっているそうで、雪のシーンでなくとも雨の日でも重宝できそうだった。試着しても違和感がなかったので、そのまま購入した。奇跡だ。

よかったよかったと思いながら、家の最寄駅近くのスーパーマーケットに寄る。これからカレーを作り始めるには正直微妙な時間帯だったのだけれど、「やってしまおう」という気持ちになって辛口のバーモンドカレーのルーを買った。家にまだルーはあった気がしたけれど、確認を怠ってしまったので念の為。あるに違いないと思ってなかった時の方が、今の自分にとってダメージが大きそうだから。

帰宅して、先に購入したスノーブーツを置く。その後食材を冷蔵庫へしまっていく。冷凍庫にある豚バラを解凍しようと引き出しを引く。小分けされた豚バラが入ったジップロックに手を伸ばす。

あっ。

そのとき、引き出しの側面に立てかけるように薄い板のように凍ったジップロックが目に入った。中身は茶色。

母さんが作って渡してくれたカレーだ。

年末年始の帰省の時のことだ。2人分のカレーを2回分、用意してくれたんだ。そのうちの1食分は早々に食べた。残りは、またいざという時にいただこうと冷凍保管したのだ。

今がまさに、いざという時!

周りに人がいたら、絶対声をあげていた。スノーブーツの時もそうだけど、人がいないと声を出して喜ぶことってそうない気がする。

すぐに解凍した。米が炊ければ、もうすぐ食べられる。

ところで、市販のカレールーのストックは家になかった。今日買っておいて正解だった。ただ、無印良品のレトルトカレー(素材を生かした ごろごろ野菜と豚ひき肉の大盛りカレー)はあった。色々と得した気分だ。自分の心の安寧を守ってくれるものがたくさんある。

いいなと思ったら応援しよう!

のん
最後まで読んでいただき、ありがとうございます! サポートしていただいたら、noteや日々の活動に還元できたらと思います。