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迂回

「迂回してください」

目の前の看板には、そんな文言とともに迂回ルートが示された地図が掲載されている。

いつもと違うことをしようとしたからなのか。もう少しで家につくと思っていた分、一人大きめのため息をついてしまった。もう陽も落ちていたので、より一層悲壮感が漂う。

普段使わないルートで自宅に帰るつもりだった。ところが跨線橋を渡ろうと思っていたら、工事中で出入り口部分が閉鎖されていたのだ。

この跨線橋は、中学時代の通学路だった。高校へ進学して以降、ほとんど通ることはなくなっている。この日はたまたま中学校方面で用事があり、気まぐれで足を運んだ。

工事中なんて、知らなかったな。老朽化によるものらしい。

自分と同じように、これから全く知らずに通ろうとする人はかなり精神的にも体力的にもダメージを受けそうだ。どんどん暑くなっていくし。

つくづく、自分にとって身近なはずの、決して広くはないエリア内のことでも知らないこと、気づいていないことってあるなとおもう。関心が薄いだけともいえるのだろうけど。

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のん
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