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高揚と冷静のあいだ

今日は先日の休日出張の代休。午前中から昼下がりにかけて、世田谷文学館で開催されている『森薫展と入江亜季展』を観に行った。

絶対に行くと息巻いていた展示会だったのだけれど、行こうとした矢先に延期せざるを得ないことが何度かあり、会期終了が迫る中、やっと行くことができた。

この2人の漫画家は同世代かつ同時期に同じ雑誌で掲載が始まる、といった具合で、文字通り同じ時代を生き、作品を世に放ち続けてくれている。デジタル技術が台頭する中手描きにこだわり続け、描き続けていることに感動した。

互いの同人時代の作品も数点展示されていた。森薫先生のコメントに「顔を合わせることはなかったが、当時即売会で入江先生の作品を目にしたことがあり、感じ入った」といったことが書いてあってより胸が熱くなる。勝手に「運命の2人ではないか」と興奮し、鼻息が荒くなってしまいそうだった。

高揚した気持ちのまま、世田谷文学館に併設されているカフェ「喫茶どんぐり」でドライカレーセットを注文。展示を観終えたあと、一気に空腹に襲われてあっという間に食べ終わった。食後のコーヒーを飲みながら宮地尚子さんの「傷を愛せるか」を読み切った。

世田谷文学館をあとにして、友人と新宿の方のカフェで落ち合い、おしゃべり。元々わたしが彼女に相談したことが発端だったのだけれど、これまでしてこなかった仕事の話や込み入った話であっという間に時間が過ぎた。別れた後、また高揚が湧き上がっていた。

一方で、帰りの電車に揺られながらふと、「ああ、わたし、いま自分が書こうとしているものに自信がないんだなあ」と思った。ZINEのことだ。今日1日の出来事がガソリンとなってメラメラと燃えている中、どこか冷静に。

そんなことを言っている場合ではもうなく、とにかく書くしかないだろう、しっかりして。ここ最近、何度も自分で自分にかけていた言葉が、今日は一段と異なる質感で響くのがわかった。

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のん
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