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ワンタンスープとスキー。

今日の夕飯のメニューはワンタンスープだった。このスープを見ると、一面の雪景色が脳裏に浮かぶ。

曖昧な記憶だけど、小学生の時のことである。当時、北海道で暮らしていた。住んでいた社宅のアパートから、車で20分くらいのところにスキー場があった。冬には2週間に1回くらいのペースで家族と行っていて、スキーというスポーツが今よりずっと身近な存在だった。

2本の板を足にくっつけて、前のめりに体重をかけて、雪山の斜面をぐんぐん加速しながら下っていく。左右に蛇行しながら滑っていくよりも、板を揃えて、真っ直ぐ下っていくのが好きだった。歩いたり走ったりするよりずっと早い。その時、無敵になれている気がした。

スキー場には、飲食可能な室内の広めのフリースペースがあった。ランチの時間になると、滑りに来た人たちでごった返している。皆それぞれ持ち込んだ飲食物を食べながら、暖をとっていた。

そこで私が必ず食べていたのが、マルちゃん正麺のワンタンスープ(インスタント)。きっかけは忘れたが、とにかく私の中でワンタンブームが到来していた。お昼ご飯を調達するために寄るコンビニで、「好きなものを選んでいいよ」と言われたら必ず買ってもらっていた。だからなのか、いまだにワンタンスープを見ると、「スキー場で食べるもの」というイメージがある。

あの頃の、スキー場でワンタンスープを食べてご満悦だった自分に、怖いものなんてなかったな〜と思う。何にでもなれる気がしていた。「私はあの人に嫌われているかもしれない」とか、「この先どうしていきたいんだろう」とか、そんなことに悩んでなんかいなかった。目の前のことをただただ楽しんでいた。先のことを気にするとしたら、夏休みの宿題くらいだったんじゃないか。のん気だっただけかもしれないけど、今思うと当時の自分が羨ましくて仕方がない。

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