ブルベの魔力。
運転免許証更新のために証明写真を撮った。5年ぶりの更新だ。ふと撮影したばかりの写真と、5年前の免許証に印刷された写真を見比べてみる。
……5年前の自分の方が、人相が悪くて、疲れているように見えた。なんだったら今より老けている。なんだ、このちがいは? その答えへ至るのに、時間は全然かからなかった。
自分のパーソナルカラーを知る前と後だ。
診断を受けたのは2019年の6月。4年前くらいだ。友人と2人で受けに行き、わたしはブルベ冬と診断された。モノトーンやビビットカラーと相性が良いらしい。ほかにも、シルバーとゴールドのアクセサリー、どちらが相性が良いかとか、普段使っているコスメブランドからおすすめのものを紹介してもらった。
それまで色が多すぎてどれを選べば良いかわからず、コスメは適当に人気No.1と書かれた色ばかりチョイスしていた。けれど、診断後は持っているコスメをすべて総入れ替えしてしまいたい気持ちでいっぱいになっていた。
地元の最寄駅に着いたのは21時手前くらい。ギリギリまだ開店していたドラッグストアに友人と2人で飛び込み、化粧品コーナーに突進していった。その日を境に、わたしはコスメや服の色を選ぶとき、パーソナルカラーを指針にしている。
5年前は茶髪で、今は黒髪。薄いピンクからショッキングピンクよりのリップなど……要は5年前はほぼイエベ系で、今はブルベ系のカラーを選択している。顔の明るさなどの違いが、素人目に見てもわかる。後者の方が明るい。魔法みたいだ。
……なんだかパーソナルカラー診断の回し者のようになってしまった。けど、イエベとブルベに振り回される、たとえば「相性が悪いから」といって好きな色を手放すのは、健やかじゃないと思う。知ってしまったあと、フィルターを手に入れた後になかなか難しいかもしれないけれど、好きなら心向くままにその色を身に纏うべきだ。ただ、私のようなズボラな、楽できるところでめちゃくちゃ力を抜きたいタイプにはちょうど良いツールだったということなんだと思う。
ところで診断するとき、何色ものカラードレープという布を首元に当て、相性の良い色を探ってもらう。実は、当時スタッフの方に「こっちのピンクとこっちのピンクで顔の明るさが変わったのわかりますか?」と聞かれて首をひねってしまうくらい、ピンときていなかった。けどまさか、運転免許証でその違いを理解するときがくるとは……。