ピアノの上の砂時計
酒気を帯びてピアノを弾くことは、禁忌としている。当たり前のことで、わざわざ禁忌とするほどでもない。酔っていてはうまく弾けることはないし、うまく弾けなければ楽しいものではない。
ピアノが思うように弾けないのは、才能がないのか、練習時間が足りていないのか、その両方であるのか。教養の一つとして、楽器を一つ、という古風な思想が私にはあるが、本当はピアノよりも私に向いている楽器があるのかもしれない。ただ、それが何かはまったく想像もつかない。
砂時計は3分や5分を計るものが多いが、私は15分を計る砂時計を持っている。先日まで、ただ「持っている」だけであったが、最近それをピアノの上に置くことにした。15分を1単位として、ピアノの練習をする。そういう意図である。時間も計らずになんとなく練習した気になるより、ビジュアル的にわかりやすい基準が意識できた方がよい。
ピアノは、適度に脱力することが肝要とされる。
今日、ストレスを強く感じざるを得ないことがあり、冷蔵庫に入れていたカールスバーグというビール(ベルギーの王室御用達)を開けた。
アルコールによって、適度に力を抜く、ということを思い出そうとしている。
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