アメリカン・ミュージック・ヒストリー第4章(1930年代後半~40年代中頃まで・・・その2)
(2)ジャイヴ&ジャンプミュージック
ジャイヴとは、辞書で調べると「スウィング・ジャズやジャンプ・ブル―ス等において軽快でウイットに富んだものを指す」となっています。以前、ジャグバンドには、ブルース系とジャズ系があるとお話ししましたがジャズ系ジャグバンドの「ウィッシュボード・リズム・キングス」のメンバーでもあったギタリストのテディ・バンも参加した、「スピリツ・オブ・リズム」や「ザ・キャッツ・アンド・ザ・フィドル」等は、ジャグの泥臭さを減らし、よりスウィング感を強調したジャイヴグループとして人気を博しました。
そして何といってもジャイヴ感溢れたジャズピアノトリオ「ナット・キング・コール・トリオ」や、抒情味があるコーラスの「インク・スポット」女性ピアノ弾き語りのジェリア・リー等の女性シンガー等も次々に登場しました。(ついでですが、ジャイヴと言えば、現在活躍中の日本人女性ジャズ
シンガー「AKIKO」のスィング&ジャイヴアルバムがとても良い
のでおススメです)
もう一つ、この頃シカゴのラジオカントリーショーのナショナル・バーン・ダンスからジャグの流れを汲み、ジャイヴ感覚のあるノヴルティ・スウィング(ノヴェルテイソングとは、滑稽とか面白みのある音楽のことで、日本でもエノケン、クレイジーキャッツ、月亭可朝の嘆きのボイン等がそうですね)白人バンドの「フージャ・ホット・ショッツ」が大人気になりました。このバンドは、日本のノヴェルティ・バンドの元祖ともいえる「あきれたぼういず」結成の基になりました。
ジャンプ(ビッグバンド・ジャズとブルースの要素を合わせ持つ)音楽についてですが、大流行中の白人ビッグバンドのサウンドとは違う「カウント・ベイシー楽団」の黒人ならではのブルースフィーリング溢れる、ジャンプするような強力なリズムが特徴のカンザスシティ・スタイルから発展して行ったようです。
カンザスシティ・ジャズは、ブルース色が強くカンザスシティ・ブルースとも言われています。ニューヨークやシカゴに比べるとあまり話題に上りませんが、カウント・ベイシーの他にもレスター・ヤング、ジミー・ラッシング、ジェイ・マクシャン、そして若きチャーリー・パーカーや女性陣では、前出のメアリー・ルー・ウイリアムス、ジュリア・リー等、素晴らしいミュージシャンを輩出しており、そしてその流れが、40年代にかけライオネル・ハンプトンを皮切りに、ジャンプミュージックの大スターとなる「ルイ・ジョーダン」へ引き継がれロックン・ロール誕生の基礎となっていきました。
ジャズ系ジャグミュージックの発展形
ご存知ナット・キング・コール。これは、アーリーイヤーズ
ポップスチャートでも大活躍のインク・スポット
個人的にも大ファンの「AKIKO」のジャイヴ&スウィング最高
歌も演奏もプロフェッショナル。あきれたぼういずの師匠ですね
カンザスシティ・ブルースの第1人者。軽く歌う小唄が最高
カンザスジャズ+カンザスブルース=ジャンプ?