Favorite Music (Now&Then)【6】 CSN&Y と バッファロー・スプリングフィールド
前回までは、バーズ、フライング・バリット、カントリー・ガゼットというカントリー&ブルーグラス・ロックの流れについて書いてきましたが、今回は、もうひとつ別の流れであるバッファロー・スプリングフィールド、クロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤング(CSN&Y)、ポコに触れておきたいと思います。
まず、バッファロー・スプリングフィールドは、周知のとおりステーヴン・スティルス、ニール・ヤング(後のCSN&Y組)とリッチー・フューレイ、そして少し遅れてジム・メッシーナ(後のポコ、ロギンス&メッシーナ)も在籍していた1966年結成のグループで、日本の伝説的グループ「はっぴいえんど」が、大きな影響を受けたバンドとしても有名です。(はっぴいえんどが影響を受けたと言えば、バッファローと同時期にサンフランシスコのサイケデリックバンドとして登場した「モビー・グレイプ」という知る人ぞ知るグループもおススメです)
余談になりますが、バッファロー・スプリングフィールドのアルバム「アゲイン」の裏面は、今までにメンバーが影響を受けたミュージシャンやいろいろな有名人の名前が列記されていますが、名盤の誉れ高い「はっぴいえんど」のデビューアルバム「ゆでめん」の歌詞カード裏面にも同じような列記(ミュージシャンの他に、黒澤明、三遊亭円生、江戸川乱歩等)があり、アルバム作成に当たってはサウンド面だけではなくて思想的にも深く影響を受けていたようですね。
話しを戻しますが、CSN&Yのアルバムと言えば個人的には、1969年に発表された「デジャヴ」を聴いたときの衝撃が、忘れられません。もともとシングル盤の「ウッドストック」のギターの音色とハーモニーが好きでアルバムを買ったのですが、1曲目の「キャーリーオン」で鳥肌が立ち、トータルとしても大のフェイヴァリットアルバムとなりました。残念ながら「4ウェイ・ストリート」を挟みその後は、4人4様の道を歩むことになり、中心人物だったスティルスは、フライング・バリットのクリス・ヒルマン等と「マナサス」を立ち上げ、そしてソロへ。一方のニール・ヤングは、名盤「アフターゴールドラッシュ」や「ハーベスト」の発表から現在に至るまでの活躍は、周知のとおりです。
リッチー・フューレイは、ランディ・マイズナー(デビューアルバムに参加したもののすぐに脱退し、リック・ネルソンのストーン・キャニオンバンドを経由してイーグルスのオリジナルメンバーとなりました)ラスティ・ヤング、ジョージ・ブランサムとPOCOを結成したあと、1974年に脱退し、マナサスを解散したクリス・ヒルマン(この人の遍歴は凄いですね)と、これまたご存じジョン・デヴィッド・サウザーと「SH&F」を結成します。
ジム・メッシーナは、前述したとおりPOCO脱退後は、ケニー・ロギンスとのデュオ「ロギンス&メッシーナ」を結成し、大ブレークしました。
こうして時系列にみてみると、ビーチボーイズに始まり、ベイカーズフィールド・サウンド、カリフォルニア・ブルーグラスを経由し、バーズ、フライング・バリットの流れとバッファロー・スプリング・フィールド、クロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤング、ポコの流れの合流地点にドゥービー・ブラザースやイーグルスと言う大きな湖が出来上がり、「カントリー・ロック」「ウエストコースト・ロック」の全盛期へと繋がっていったんだなぁ、とつくづく感じてしまいます。
デビューアルバム「フォー・ホワット・イッツ・ワース」がヒット。
はっぴーえんども影響を受けた名盤のセカンドアルバム「アゲイン」。
ジム・メッシーナが参加したサードアルバム。トータル性はないけど一人一人の個性が際立って結構良いです。
ジャケットも有名なモビー・グレイプのセカンドアルバム。
個人的にも衝撃を受けた大傑作アルバム。
ランディ・マイズナー在籍(ジャケットからは削除されてますが)のデビューアルバム。
イーグルス加入前のランディ・マイズナーが在籍していた、リック・ネルソン&ストーン・キャニオン・バンド。
CSN&Y解散後のスティルス・ヒルマンを中心とした2枚組傑作アルバム。
名盤紹介には必ず出てくる「アフター・ザ・ゴールド・ラッシュ」
ロギンス&メッシーナの大ヒットデビューアルバム。
サウザー・ヒルマン・フューレイ・バンド(SH&F)の1枚目。