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アメリカン・ミュージック・ヒストリー第7章(1960年代全般・・・その2)
*ロックン・ロールからアメリカン・ポップス黄金時代へ
60年代初期のアメリカン・ポップスの主な担い手を、ざっと挙げてみると、コニー・フランシス、ブレンダ・リー、ボビー・ダーリン、ボビー・ヴィントン、ボビー・ヴィー、ジーン・ピットニー、ブライアン・ハイランド、ニール・セダカ、ロイ・オービソンそして、以前にも触れたティーンエイジャーアイドルの代表的なアーティストとしては、リッキー・ネルソン、ポール・アンカ、フランキー・アヴァロン、リトル・ペギー・マーチ、レスリー・ゴーア、加えて白人ドゥーアップのディオン&ベルモンツ、フランキーヴァリ&フォーシーズンズ、カントリー系ポップスのスキーター・デイビス、ゲイル・ガーネット他、枚挙にいとまがありませんね。
*フォーク・ミュージック・リバイバル(モダン・フォーク)
以前フォークについてお話しした際、レッド・ベリー、ウディ・ガス
リー、ピート・シーガー、ウィーバーズについて触れましたが、この機
会にフォーク全般について補足させていただきたいと思います。
意外なことにアメリカン・フォークは、1950年にウィーバーズの「グッドナイト・アイリーン」が全米1位の大ヒットを飛ばしてから、冬の時代を迎え、次のナンバーワンヒットの1958年のキングストン・トリオによる「トム・ドゥーリー」まで長いブランクがあいてしまいました。
この最も大きな要因は政治的理由で、かの悪名高いマッカーシー議員の赤狩り(本や映画でも有名な共産党員及び支持者の弾圧)によりウィーバーズは、コンサート活動の中止やラジオ局にレコードをかけないような圧力をかけられる等、フォークソングの進歩的なメッセージ性や組合活動を制限されてしまったことによるものでした。
このような時節を経て北部の若者や学生を中心として、キングストン・トリオ、ブラザース・フォー、ハイウェイメン、ルーフトップ・シンガース、ニュー・クリスティ・ミンストレルズ、ピーター・ポールアンドマリー等のモダン・フォークグループ、そして反戦、公民権運動等、プロテストソングの旗頭的存在となったボブ・ディランやフォークの女王ジョー・バエズ、ウディ・ガスリーの愛弟子ともいえるランブリン・ジャック・エリオット、フレッド・ニール、ティム・ハーディン他、多くのソロシンガーが登場してきました。もう一つ加えて言うならば、ブルース、ジャグ、ブルーグラス等、南部のアコースティック系音楽の再発見、再評価により都会の若者や学生等が、これらの音楽に対し新たな解釈により挑戦する等、大きなうねりとなっていきました。
*西海岸カントリー(ベイカーズフィールド・サウンド)
以前にも少し触れましたが、アメリカのカントリーミュージックを語る場合、
①アパラチア山脈周辺地域の「オールドタイムとヒルビリー」
②テキサス、オクラホマ等の、中西部地域の「ウェスタン・スィングとホ
ンキー・トンク」
➂テネシー州ナッシュビル発祥の、従来のカントリーミュージックの泥臭
いイメージを払拭した「ナッシュビル・サウンド」
④西海岸のロサンゼルス周辺の、ハリウッド映画スター等、歌うカウボー
イによる、「ウェスタン」
に分類するとわかりやすいと思いますが、50年代から60年代にかけ
て、西のナッシュビルと呼ばれた「ベイカーズフィールド」から新しいカ
ントリーミュージックが生まれます。
バック・オウエンズ、マール・ハガード、テネシー・アニー・フォード
等によって生み出されたベイカーズフィールド・サウンドやヒルビリー・
ブギは、後のカントリー・ロックやウェスト・コースト・サウンドに多大
な影響を与えることになりました。
*サーフィン&ホットロッド
西海岸では、60年のヴェンチャーズに続いてエレキ・インストゥルメンタル・ブームが巻き起こります。
南カリフォルニアのギタリストでサーファーのディック・デイルがサーフィンの爽快感やスリルを表現したインストゥルメンタル曲を演奏し、後続のサファリーズやシャンテイズを生み出しました。
このブームの中で高校生がバンドを組成し、自宅ガレージで演奏するガレージ・バンドが盛んになり登場してきたのが、ビーチボーイズやジャン&ディーンでした。サーフィン&ホットロッドとは、若者の興味がサーフィンから車に移っていったことによるもので題材は変化したものの音楽的には、ほとんど同じものでした。
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60年代初頭のアメリカンポップス女性歌手と言えば、やはりコニー・フランシスですかね
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コニーと並んで両横綱だった、ブレンダ・リー。先輩に好みを聞くと、意外とブレンダ派が多いような気がします
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名優、ケヴィン・スペイシーによる伝記映画でも知られていますが、やはり世紀の大ヒット「マック・ザ・ナイフ」でお馴染み
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ディオンは、デビュー当時はグループでしたが、ソロに転向後も大ヒットを連発していますね、そして現在でも活躍しています
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このグループも60年代初頭を象徴するようなグループでしたね。映画「ジャージーボーイズ」も名作でした
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この人のポップス作曲能力は、キャロル・キングと双璧だと思います。「オー・キャロル」は、言うまでもないか!
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50年代後半の「ダイアナ」「君は我が運命」のロカビリー路線から、ポップス路線に転身、フランク・シナトラの「マイ・ウェイ」の作者としても有名
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カーペンターズの名盤「NOW&THEN」B面におけるビートルズ登場前の1960年~63年頃の名曲カバーメドレーは秀逸です
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キングストン・トリオと並び日本における、カレッジ・フォークブームの立役者
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お馴染み「PPM」演奏も歌も、モダンフォーク界ではNO.1でしょうね
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63年度全米NO.1ヒットの「ウォーク・ライト・イン」、1920年代のジャグバンド、ガス・キャノンの名曲カバーは、秀逸でしたね
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「ベイカーズ・サウンド」と言えばこの人。後にカバーされた曲も多いので、聴けばわかると思います
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男っぽいカントリーですが、なぜか耳障りの良い西海岸カントリーの代表格
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この人のインストルメンタルヒット曲「ミザルー」は、サーフィンで必ず流れますね
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ビーチ・ボーイズと並ぶ、サーフィン&ホット・ロッドサウンドの代表アーチスト