アメリカン・ミュージック・ヒストリー第8章(1970年代全般・・・その5)
(6) アメリカン・ルーツ・ロック(スワンプ・サザン他)
前項の西海岸を中心としたウェストコースト・ロックと共に、自分自身最も思い入れが強い1970年代前半のロックが、アメリカンルーツ等と呼ばれる音楽です。
ザ・バンドやクリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァルに端
を発し、70年代に入るとオクラホマ州タルサ出身のレオン・ラッセル、JJケイル、ジェシ・エド・デイヴィス、ロジャー・ティルソン、そしてマーク・ベノ、デラニー&ボニー、リタ・クーリッジ、トニー・ジョー・ホワイト等を含めて展開された音楽が、スワンプ・ロック(L.Aスワンプ含)やタルサ・サウンドと呼ばれ、エリック・クラプトン、デイヴ・メイソン、ジョー・コッカー、ローリング・ストーンズ等、イギリスのルーツ系ブルースアーティストにも大きな影響を与えました。
ニューオリンズでは、DRジョン、プロフェッサー・ロングヘアー、アラン・トゥーサン、ニューオリンズ・ファンクのミーターズ。
フランスクレオール系黒人のクリフトン・シェニエ、バックスィート・ザディコによるザディコ、フランスのアルケディア系白人によるケイジャンとニューオリンズ独特の音楽が誕生してきました。
当時一世を風靡したサザン・ロック・バンドでは、オールマン・ブラザース・バンド、ジョニー・ウインター、ZZトップ、チャーリー・ダニエルズ・バンド、レイナード・スキナード、マーシャル・タッカー・バンド、アウトロウズ、38スペシャル、アトランタ・リズム・セクション、グラインダー・スウィッチ、モリー・ハチェット、ブラック・オーク・アーカンソーと言った文字通り南部11州出身者のロックバンドが活躍しました。
南西部のメキシコとの辺境では、テックス・メックスと呼ばれる音楽も注目されました。何と言ってもダグ・サームが有名で、60年代に結成した、サー・ダグラス・クインテッドを初めとしてソロでも、後にフレディ・フェンダー等を加え、テックス・メックスのドリームグループのテキサス・トルネイドスでも人気が高かったです。
人気と言えば、カルロス・サンタナ率いるサンタナや弟分のマロに代表されるラテン・ロックは、フリートウッド・マックのカバー曲のブラック・マジック・ウーマンを初め、哀愁あるギターサウンドが日本人の琴線に触れ、とても人気が高かったですね。