プロかアマか
『すげ〜な、それってもうプロ作家じゃん』
これはつい先日、元職場の同期から言われた言葉である。
M田君とは約3年間の付き合いだ、社会人になって出来た親友であり良い飲み友達。そんな彼は僕とは違って頑張って仕事を続けており、パートのおばさんや上司からの板挟みに疲労を感じながら日々、仕事をしている。
そんな彼とは頻度こそ減ったが居酒屋やスナックなどで飲むことがあり、話す話題に関しては互いの近況を語り合う事が多かった。
そんな苦楽を共にした彼には自分が作家活動(エロ同人活動であるけど…)をしている事を伝えている。だから彼が僕に聞いてくる質問は、創作活動に関してなのだ。
『まじで?作家なの?すげーじゃん!作品とか見れる?』
『ま、まぁ一応ね。でも、まだプロじゃないからもうちょっと待ってほしいな』
『いやいや、プロだろ?だってそれでお金を稼いでいるわけだし』
僕は言葉に困った。プロか…どうしよう、僕は彼の言葉に対して謙遜の意を込めて否定することも出来なければ同意することも出来なかった。
プロとアマチュア
僕はこの言葉によく頭を悩ませている。
それはなぜか。僕自身、まだプロじゃないと思っているのだ。
プロの定義というかアマチュアの定義というのはいまいちよく分かっていない。ただ、僕個人としては何かしらの雑誌または文庫本として出版したという「経歴」がある人の事をプロと思っていた。
だけど、その考えだと自分で同人誌を作成して生計を立てている人たちはどうなるんだろうか。
それに趣味でやっていない人。いわゆる、それに人生を賭けている人の事だろう
お金をいただけているのだからプロ、依頼を貰っているしちゃんとアルバイトと同じぐらい稼いでいるからプロじゃないか?そんな言葉を同期からは言われた
自分を応援してくれている人の言葉というのは『プロ作家なんだ』という目線が含まれて言ってくれているような気がする。
けれど、少し待ってほしい。僕にはそんな勇気もないんだ。『プロ』という言葉を言われたら下を向きながら否定しつつ、口角をあげて笑みを浮かべる。
自分で言うのは恥ずかしいけど、周りからの羨望などは堪らなく欲しがる。
僕が嫌なのはそこなのだ。
プロという名声は欲しいけど責任は取りたくない。誰かが僕のケツを拭いてくれないかな?
期待されると投稿した作品が面白くなかった時に責任が取れないよ、否定的なコメントが届いたらどうしよう…
好きなことでやって「この道でなんとか生計を立てよう!」と息巻いたものの、やっぱり責任の壁に頭を悩ます。
まだ、心がアマチュアのまんま。趣味の延長の人の考え方なのだろう
ハッキリ言って良くないのではないだろうか、数百円の短編集を買ってくれる人・サブスクに入っている人・そして有償依頼で送ってくれる人などを無碍にしているようで、考えるだけでも頭が痛くなる
この考えは変えないといけない。
そう思ってもやはり頭にちらつくのが、見ている人からのマイナスな評価だ。
実際のところまだ届いてない、なんだったら面白ってコメントをもらってありがたい限りだが、人気が出れば妬み・嫉妬も出てくるのは当たり前
それにしても、まだそこまで高い位置にいないのに悩み事だけ見れば超プロ級というのが面白い。
自信のみを膨張させて変なところで悩む。まだまだアマチュア精神なんだろう