『ゾンビはどうアンニュイか』 虹釜太郎
身体中から血液が抜けていて力がはいらないことから発生するけだるさ
自らの肉体の急速な変化に困惑している状態からすこし落ち着いたときに突如自らにわきあがる感情
人間を憎むことよりも人間に食欲を感じてしまうところからわきおこる感情
人間から見捨てられたというよりは世界から見捨てられたという感情
もう人間に戻れないという感情
ゆっくり老化できないつらさとはつらつさとは違う奇妙な遅々とした高揚感
自分の名前を思い出せないことによる無力感
不死(限定条件つきの)であることからわきあがる感情
異臭のような死臭のような、というか死臭そのものに麻痺していく自分の感情
人間がゾンビを撃つのを止めようとはしないゾンビ化以降を生き抜いた存在の現実肯定感と飢餓感があわさったもの
具体的経験をなにひとつ蓄積しないゾンビ特有の感情と勘違いされているもの全般
あらゆる喪失感に苦しめられている状態
また人肉を食べてしまったということからわきあがる感情とそのことをすこし後悔する感情とそれにほとんどなにも感じなくなりつつあることを自分で認識しているときに自然に口腔からでるゲップ
群衆行動するゾンビと距離をおくゾンビのどっちつかずの感じ
ゾンビには感情などないというゾンビ研究者とゾンビ映画監督へのあきれはてた想い
アウトブレイク後の荒廃世界を普通に感じすぎることにあらためて気づくこと
ゾンビから老化が消えてしまっていることに突如愕然とするさま
アウトブレイク後の荒廃世界を普通に感じすぎることにあらためて気づいたことをすぐに毎分忘れてしまっていることにあるとき一瞬だけ気づいたときに心身が包まれるある動き
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