人生リハーサル

前書き

何となく面白そうなのでテレ東ドラマシナリオの人生リハーサルを投稿することにしました!( 'ω'o[実は、ここには書いていない裏設定あります。]o

大昔の誰かが言っていたであろう言葉。
人生にリハーサルなどない。

そう人生は1度きりなのだ。

それが普通。

でも、俺だけは違った。

幼稚園の時に、俺が言った一言に何度も反論されたからだ。

「ねーねー。何で先生に怒られるのにそんな事するの?」
壁に落書きしてる最中の子に話し掛ける。
「なんでバレるの?」
「だって、先生来るから。」
「来てないじゃん嘘つき。」
「うん。今は来てないよ。でも、先生来るよ?何で知らないの?」
「なんでそう思うんだよ逆に。」
「だって、昨日。いつきくん先生に怒られてたから。」
「昨日?なんで昨日の話しするんだよ?昨日は砂遊びしてただろ。何寝ぼけてんだ?」
「寝ぼけてないよ?」
「もう俺行くね。」
そう言って俺は去っていった。
また怒られたくなかったから。

最初の内は、話しが噛み合わないのが不思議に思ってた。
こういうことが何回かある内にいつきくんがこう言った。

「お前、たいむとらべらーかよちのうりょくしゃって言うらしいぜ。パパが言ってたもん。凄いんだってよ!そんな奴殆どいないんだって!すげぇな!お前!」

俺達はまだまだ幼かった。

俺は信じてくれる人が出来たことが凄く嬉しかった。

その日からいつき君は俺が言った事を守るようになった。

でも、それも長くは続かなかった。
俺は何も知らなかったんだ。

俺はタイムトラベラーでも、予知能力者でも、
ましてや、同じ日を2日繰り返してた訳ではなかったことを。

それに気づいたのは、いつきくんが俺の話しを聞いて俺の言う通りに動いてからだった。

最初の日は、叱られた俺達が舞台の世界。
次の日は、叱られなかった俺たちが舞台の世界だった

急にリハーサルのない世界が怖くなり、いつきくんには
嘘だったと言った。

その日、いつき君と絶交した。

たった少しのイタズラの阻止をしただけだったので
世界はそんなに変わらなかった。
イタズラした所は綺麗になって、跡形もなくなったし、
そのおかげか話題に上がることも無く差異は小さく収められた。

俺1人で何かしても、何か言っても、世界は変わらない…
それでも、2人になると突然変わりだす…

そう、知ってしまった。
恐ろしさが足元からゾクゾクと襲ってくる様な感覚を覚えた
リハーサルのない日常が怖かった。

できるだけ変わらない日常を過ごして来た。
でも、その想いとは裏腹に日々は少しずつ誤差を生んだ。
1日目の俺には彼女がいて、2日目の俺には彼女がいない。
1日目の人々は2日目人達よりは生きてる人数が少ない。

そんな日々を送っていた。
ある日の事。

火事の現場に居合わせた。俺が家から出発する5分前に出火したらしい。

死者は5人…炊事場のカレーを温める為に火をつけたコンロから出火したらしい。

これなら助けられるな…そう思って会社に出向いた。

2日目に家から出る5分前に電話をした。
「〇丁目の〇〇宅から焦げ臭い匂いがして火事っ!!って声が聞こえたので急いで電話しました。」
「あなたのお名前は?」
俺は名乗る。架空の人物と架空の住所を。

仕事に行く途中の出火した家は燃えておらず、
消防署の人に事情聴取されて
困惑した顔をしていたそこに住む奥さんの顔を見た。

どうやら、火元はそんなに燃え上がらずに、消防車がついた時にはまだ火のついて間もないカレーが燃えて、台所の天井に火が登ろうとしている時だったそうだ。

また人を助けられた事にほっとする。

消防署は、不審な電話が人々を助けている事に少しずつ事件性があるのではないかという噂をしだす様になった。
しかし、助かった人々は何件かは放火はあったものの、その殆どが不注意による火災だった。

取り調べによると火事が起こってる事に誰一人気づいていないようだった。

不審な電話は人々を助けてるからいいじゃないかという声と、
でも、事件か何か裏があると怖いよねっていう声に分かれた。

「あー。その電話?何度か掛かった事あるけど。優しそうな人でしたよ。急いで向かってくださいとも言ってましたし。それにその不審な電話、いつも同じ人ですよね。声ももう覚えてますもん。」

そんな声がある中、やっぱり不審だという事で警察に取り調べて貰うように連絡する事にした。

そんな事が裏であってるとは梅雨も知らず変わらぬ日常を送っていた。

警察は消防署と連携して、その電話がまた掛かってくるのを待っていた。

そうしない内にまた電話があった。ラッキーだった。

そして、逆探知から分かったのは、彼の電話番号。
調べて分かったのは彼の名前年齢等の個人情報だった。

そして、その警官はその名前を見て考え込んだ。
まさか…でも、何で…

例の取り調べはどうなった?伊賀屋 樹(いがや いつき)君。
「…はい、現在取り調べ中です…。」
「樹君には期待しているんだからな!ははは」と高らかに笑う声は、耳には入って来なかった…

本当に…有り得るのだろうか?
彼から電話が掛かって来る時現場はとても遠かった。
そして、まるで、未来を予知したかの様な連絡…

そして、彼は…私がよく知っている…
そう。紛れもなくあの彼だ。

樹は震え上がった。
子供の頃は、ヒーローか何かの様に讃えたが、
今の俺は歳を食って様々な事を知っている。

彼は…普通の人間ではない…

そんな彼を俺は昔と同じような目で見れるだろうか…

運命はまるでセッティングされたシナリオの様に。
近々同窓会が行われるという手紙を貰っていた。

早いねぇ…あれからもう…40年も経つのか…
手紙に触れて言う。

そして、もうすぐ40歳を迎える俺は…
あの日の非現実的な真実を追うのか…

人生…何が起こるか分からないものだな…
たばこに火をつけて、煙をくゆらせ夜景を眺める…

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樹木ージュキー
(๑́ºㅿº๑̀)サポートしてくれる人がいたら、心臓止まりそう。何その奇特な方…。きっと、文を書く労力とか身に染みている方なんだろうなぁ…。お疲れ様です…身体を休める事は大事ですよ…ご自愛下さい…。頂いたお金は…思いつかないので思いつくまで拝んでおきます(๑ーㅅー๑)