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▲7八金型右四間飛車vs△雁木 研究

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今回は先手が▲2六歩型の角換わりを志向して、後手がそれを拒否した場合に高確率で発生する▲右四間飛車vs△雁木の将棋を後手目線で研究します。

この戦型では先手の陣形が美濃囲いではなく▲7八金型であるという特徴があり、研究している人が殆どいませんでした。▲美濃囲い+右四間飛車vs△雁木の研究は調べれば沢山あるので、それと本研究を比較しながら読んでいただけるとより理解が深まると思います。それではどうぞ。

大見出し小見出しー(小見出し)番号(①➔⑴) という形で分岐します。目次では「ー(小見出し)」まで判別できるようにしています。



角換わり拒否について

初手から、▲7六歩 △8四歩 ▲2六歩 △3二金 ▲7八金 △8五歩 ▲7七角 △3四歩 ▲6八銀

角換わりのオープニングだが、そうならない可能性もある。

▲2五歩⇔△3三角の交換が入っていないのがポイントで、後手には△4四歩と角交換を拒否する権利があります。

所謂「角換わり拒否」

角換わりを拒否するメリットは、
・▲2六歩型角換わりの対策をしなくてよい
・▲右四間飛車vs△雁木に誘導できる確率が高い

逆に角換わりを拒否するデメリットは、
・戦型がガラッと変わるので感覚が変わる、また研究量が増える可能性あり
・そもそも▲2六歩型角換わりが怖くない?

といった感じでしょうか。個人的には▲2六歩型角換わりは嫌なので(評価値的ではなく誘導されるのが)、今回の研究のように拒否するようにしています。このあたりは好みの範疇ですね。


相雁木の場合は?

メインの話の前に、先手が右四間飛車ではなく相雁木を志向してきた際にどうすればいいか軽く触れておきましょう。

▲5六銀が早い場合

▲5六銀が早い場合には、後手に反発手段があります。

後手はこの形に組む。△6四歩を保留しているのがポイントで、△引き角から△6四角や△8六歩の筋を見せることができる。

ー△3七桂に▲3六歩の場合

▲3六歩 △3一角 ▲2五歩 △3三桂 ▲2四歩 △同 歩 ▲同 飛 △2三歩 ▲2八飛に△6四角と覗きます。

▲4七銀は▲6五歩が消えるので、△4五歩とできる。△7三桂としたのは▲6五歩に△同桂と取れるようにした意味もある。▲4七金しかないが、角交換したときにバランスが悪くなる。

▲4七金とさせてから、△8六歩 ▲同 歩 △同 角 ▲同 角 △同 飛 ▲8七歩 △8五飛と角交換します。

△8一飛とせずに一回△8五飛とするのが細かいところ。△5五歩を防いで▲4八金のような手だと△2五飛がある。また▲6五歩も△同 桂 ▲6六歩 △5七桂成 ▲同 金 △3九角 ▲5八飛 △2五飛。

△2五飛とされた後に△8五飛と戻られるのが嫌なので▲7七桂とするくらいですが、△8一飛で▲7五歩の攻めが消えました(△8五桂で桂交換になるので取られる心配が無くなった)。以下、▲6五歩(△5五歩を防いで)△8五桂 ▲同 桂 △同 飛

△5五桂が残って良し。▲4八金だと、△5五桂~△8九角という手がある。

▲2五歩と突くのが遅いと△3一角と一手で△6四角や△8六歩を見せられるのが大きいですね。

ー△3七桂に▲2五歩の場合

▲2五歩 △3三角 ▲1六歩 △1四歩 ▲9六歩 △9四歩 ▲3六歩 △4二角

やはりこの形を目指す。▲3七桂のような手だと、△5五歩 ▲同 銀(▲4七銀だと△5四銀 ▲6八玉 △4三金右 ▲7九玉 △4一玉と厚みを築く)△3五歩 ▲同 歩 △8六歩のように攻める。

▲6八玉 △6四角 ▲4七金 △8六歩 ▲同 歩 △同 角 ▲同 角 △同 飛 ▲8七歩 △8一飛

これでやはり△5五歩を狙うのが急所。

①▲4八金だと△9五歩 ▲同 歩 △5五歩 ▲4七銀 △9七歩

こんな感じで攻めを繋げてどうか。部分的には▲8六角で受かっているが、以下△4二角▲同角成 △同 玉 ▲8六角としつこく受ける手には、△6四角 ▲同 角 △同 歩▲8六角 △5三銀 ▲9七香 △6五歩 ▲同 歩 △同 桂▲6六歩 △8八歩 ▲同 金 △8六飛 ▲同 歩 △3九角▲3八飛 △5七桂成とできる。

②▲6五歩だと△8六歩 ▲同 歩 △同 角 ▲同 角 △同 飛 ▲8七歩 △8一飛

やはりこれが急所。▲7七桂 △4二玉 ▲6八玉△5三銀 ▲6八玉 △6二金 ▲2四歩 △同 歩 ▲同 飛△2三歩 ▲2八飛 △5二玉が一例。

このように、▲5六銀が早いと△6四角⇔▲4七金と形を乱すことができ、また△8六歩から歩を手に入れて△5五歩という反発を見せることができるので、リードを奪いやすいです。


▲4七銀型の場合

▲4七銀型で右四間飛車と相雁木を両天秤にしてくる指し方も触れておきます。

後手は右四間飛車に対応できるように駒組みしなくてはいけない。

▲5六銀を保留しているので、先程のような積極策は使えません(△6四歩を保留して駒組みすることはできるが、△6四角が先手にならずあまり意味が無い)。ゆっくりと駒組みすることになります。

手順は端折りますが、普通(所謂いわゆる左玉)に組んできたら右玉に、

▲左玉vs△右玉の構図

中住まいに組んできたらこちらも中住まいに組むことになります。

相中住まい

これは本記事の趣旨から外れるため、別の機会に補足することにします。相雁木での左玉、右玉、中住まいの関係性は中々面白く、じゃんけんのような相性関係があるのでそれを知ったらなぜこのように組むのか理解できるようになると思います。


基本図

さて、前置きが長くなりましたがここからが本題です。

基本図
相雁木では早いタイミングの▲5六銀がマイナスという話をしてきたが、右四間飛車前提で話を進めるのでこの場合は問題ない。

👆を基本図とします。そして、先手が基本図から▲2五歩⇔△3三角の交換を入れるかどうかが序盤のポイントになってきます。

また、それによって

▲2五歩⇔△3三角の交換が入る場合➔雁木速攻
▲2五歩⇔△3三角の交換が入らない場合➔普通に受ける

というように、指し方がガラッと変わることを理解する必要があります。なぜなら、△3三角の場合は普通に駒組み(△3一玉~△5二金)するとまずいからです。

▲2五歩⇔△3三角の交換が入っている場合。△4五歩の仕掛けは部分的には受かっているが…。

この局面はすでに後手が潰れています。

▲4五歩 ①△同 歩 ▲同 桂 △7七角成 ▲同 桂 △4四銀右 ▲7一角 △7二飛(最善は△3七角)▲4四角成 △同 銀 ▲6一銀 △6二飛 ▲5二銀成 △同 飛 ▲6五桂

▲5三桂右成 △同 銀▲4三金狙い。こうなると明らかにまずい。

▲4五歩は取れないので②△4二金右くらいですが、▲4四歩 △同銀右 ▲4五銀 △同 銀 ▲同 桂 △7七角成 ▲同 桂 △4四歩 ▲5三桂成

成り捨てが好手。△同 金 ▲7一角 △5二飛に▲6五桂が絶好。

このように、

▲4五歩 △同 歩 ▲同 桂が瞬間的に角取りなので、駒損を避けるには△7七角成 ▲同 桂 △4四銀とするしかない
➔この瞬間手番を渡す+△7七角成 ▲同 桂が絶好の活用
➔▲7一角や▲4四歩、▲6五桂の筋で潰される

という負けパターンに陥っています。このことから、▲2五歩⇔△3三角の交換が入る場合、漫然と駒組みするのは絶対にやってはけない指し方です。


具体的な指し方についてはこれから見ていきます。


基本図から▲2五歩△3三角▲4八飛(基本図2)

まずは▲2五歩⇔△3三角の交換を入れてから▲4八飛とするパターンを見ていきます。

ここから普通に駒組みしてはいけないのは先程述べた通り。

上図から、△5三銀▲6九玉△7四歩と進めます。

基本図2
▲6九玉に代えて▲3六歩は△1五角があるので、▲6九玉は必要不可欠。また雁木速攻においても△7四歩は絶対手。

上図を基本図2としておきます。


基本図2からの流れ

基本図2からのざっくりとした流れを押さえておきましょう。

まず、後手はタイミングを見計らって△6四銀と出ていきます。

△7五歩の攻めを見せる。しかし守備が薄くなるので▲4五歩とされても大丈夫かの見極めが必要。

△4四地点が薄くなったので先手は当然▲4五歩 △同 歩 ▲同 銀と攻めます。

▲4五歩 △同 歩に▲3三角成としてしまうと△同 桂があるので▲同 銀の一手。

△4四地点に数が足りていなく、困ったようですが構わず△4四歩とします。以下清算してくる手に△3三角と反撃します。

香得と馬ができているのを主張に戦う。△6一金型のままだったのは▲3四飛のときに△3二金に紐を付けた意味がある。

このあと、▲5四飛とするか▲4八飛とするかで展開が大きく変わってきます。

また、この仕掛けの前後で△8六歩と突き捨てるかも重要なポイントです。得になる変化もありますし、損になる変化もあります。

以上の流れを押さえてうえで、具体的な手順を見ていきましょう。


基本図2から▲3六歩

まずは▲3六歩を見ていきます。

▲3六歩は不急の一手。▲7九玉等を優先するべき。この時点で仕掛けのチャンスが発生している。

ここは△6四銀とします。以下、▲4五歩 △同 歩 ▲同 銀 △8六歩 ▲同 歩 △4四歩 ▲同 銀 △同 銀 ▲同 角 △同 角 ▲同 飛 △3三角

8筋の突き捨てを入れる。ここで▲4八飛は△9九角成で、▲4四歩くらいだが△4一香 ▲4三銀に△4四馬!がある。

ここでは▲5四飛と▲9五角があります。順番に見ていきましょう。


ー△3三角に▲9五角(8筋突き捨ての意味)

まずは▲9五角から。これは△9四歩と突いていないのを咎める手になります。

△8四銀としたいが、▲同 角 △同 飛 ▲5四飛 △6二玉 ▲4四銀 △4七角 ▲7九玉 △2九角成 ▲3三銀成 △同 桂 ▲9五角。👇の手順と比べてみてね。

△7三銀打▲5四飛△6二玉①▲3四飛△9四歩▲7三角成△同 玉▲4四銀△4七角▲7九玉△2九角成

▲6九玉型はこういうところでも損。

②▲4四銀は△4二角 ▲7七桂 △9四歩 ▲7三角成 △同 桂 ▲4三銀打 △2七角 ▲5九金 △1五角

一回角を逃げるのがテクい。△3六角成 ▲7九玉 △5九角成 ▲同 銀 △6九金の先手になっている。

この変化になったときに、角の可動域を狭めるのが△8六歩の突き捨ての意味でした。

仮想図
こうなったら最悪だね

また、△4四歩 ▲同 銀 △同 銀 ▲同 角 △同 角 ▲同 飛のタイミングで△8六歩と突き捨てようとしても▲9五角があります。

△5二玉▲8六角△3三金はギリギリ耐えているかもしれないが、あまりに怖すぎる。

因みに余談ですが、8筋を突き捨てたらいいという話でも無いです。

仮想図
仮に、▲3六歩に代えて▲5九金とした手に対して△6四銀とした場合。金は浮いていないし、△1五角のラインは通っていない。さらに、△2七角~△3六角成の王手飛車取りも無い。

なので、これ以降の変化は△6四銀と出る前に全て△9四歩と突いてあります。8筋を突き捨てれば▲9五角の変化を消せる訳ではなく、👆の通り先手の駒組みによっても左右されるからですね。

閑話休題。


ー△3三角に▲5四飛

▲5四飛 △5三銀打 ▲3四飛 △9九角成 ▲8三銀

▲5四飛から▲8三銀の流れはこの変化ではセット。当然この銀は取れない。

飛車をどこに逃げるかですが、この変化に限り△4二飛がぴったりです。以下▲4三歩 △同 飛

▲6九玉型の場合▲4三歩は取れる。①▲3二飛成としたいが△4九飛成で、▲5九金なら△5八金▲7九玉 △5九龍以下詰み。②▲4四歩 △4二飛 ▲3二飛成 △同 飛 ▲4三歩成は△4七飛がぴったり。▲6九玉型によって場合によっては詰みまで発生するのが大きい。

基本図2から▲3六歩の変化は▲6九玉が損になる場合が多く、▲3六歩が得になりません。機敏に動いてリードを奪えます。


基本図2から▲7九玉 △9四歩に▲5九金

次は▲7九玉~▲5九金とする手を見ていきます。▲5九金 △9四歩 ▲7九玉でも当然問題ないです。

今度は守備に全振り。ここまでされると△6四銀はやりづらい。

△6二金 ▲3六歩 △7三桂

後手はある形を目指している。

ここから、▲3七桂と▲1六歩があります。

ー△7三桂に▲3七桂

▲3七桂には△1五角が機敏な一手です。

千日手を含みにした手。▲4七飛には△3三桂がいい活用で、▲1六歩も△2六角で捕まらない形。そこで▲4九金と角を捕まえにくる手には△5五歩がある(▲同 銀なら△6五桂 ▲8八角 △3五歩 ▲同 歩 △8六歩、▲同 角なら△3五歩 ▲同 歩 △8六歩)。△5五歩はこの戦型だと汎用性のある手。

▲3八飛 △3三角と千日手を目指す手に対し、▲4五歩と先手は打開を試みます。以下、△同 歩 ▲3五歩 △7七角成 ▲同 桂 △2七角 ▲3九飛 △4四銀右 ①▲3四歩 △5五歩 ▲4五銀(▲4七銀は△4六歩 ▲同 銀 △5四角成 ▲4五銀で合流) △同 銀 ▲同 桂 △同角成 ▲1五角 △6一玉 ▲3三歩成 △同 桂 ▲同角成 △3七歩 ▲1一馬 △8六歩 ▲同 歩 △8七歩 ▲4八香 △8八銀 ▲6九玉 △3六馬 ▲4七銀 △2五馬

手順中の△8六歩 ▲同 歩 △8七歩は汎用性が高い攻めで、取らなければ駒を打ち込めるし、取れば飛車に弱くなりつつ△9五桂が当たってくる。△2五馬は△4六歩を狙って良し。

②▲6六角 △8六歩 ▲同 歩 △同 飛 ▲8七歩 △8一飛 ▲3四歩 △3八歩 ▲4九飛(▲2九飛は△3六角成 ▲4五銀 △同 銀 ▲同 桂 △4四歩) △5五歩 ▲同 銀 △同 銀 ▲同 角 △4四銀打 ▲6六角 △3六角成 ▲4五桂 △4六歩

△4五馬と△4七歩成の両狙い。▲3三歩成から清算してしまうと△3七桂が発生してしまうのが痛い。▲5六銀くらいだが、△6四歩で△6五歩を見せて良し。

このように、△1五角で先手の駒組みを牽制できているのが分かると思います。△1五角以下先手は打開不可能と結論付けておきます。


ー△7三桂に▲1六歩

△1五角を防ぐには▲1六歩しかないですね。

▲1六歩 △8一飛 ▲3七桂 △5二玉 ▲4五歩 △6四歩 ①▲9六歩 △1四歩 ▲4九飛 △6三玉となると、後手の狙いが見えてきました。

この形に組みたかった。先手が守備的な手を優先してくれたので、ここまで大掛かりな構想が許された。

②▲4四歩 △同銀右 ▲4五銀 △同 銀 ▲同 桂 △7七角成 ▲同 桂 △8六歩 ▲同 歩 △2六角(ここで△4四歩は▲7五歩が速い) ▲5三銀 △同 金 ▲同桂成 △同 玉 ▲7二金 △4八角成 ▲同 金 △8六飛

8筋を突き捨てたおかげで、最後△8六飛がぴったり。

この右玉含みの構想は相当面白いと感じていて、実戦で出てきたら補足したいと思います。

このように、▲7九玉~▲5九金と守備を意識して手数をかけてくる場合は、こちらも右玉を見据えながらゆっくりと駒組みしていって満足です。


基本図2から▲7九玉 △9四歩に▲3六歩

▲3六歩には△6四銀と出ます。

今度は攻めもある程度見せているので、同じ構想は使えない。

先程と同様に△6二金から右玉を目指しても、先手に仕掛けの隙を与えてしまいます。

仮想図
初志貫徹△8一飛としても▲4四歩 △同銀右 ▲7五歩でまずい。

なので、▲3六歩には△6四銀で激しくなります。以下、▲4五歩 △同 歩 ▲同 銀

先程と同様。△8六歩は突き捨てていいのだろうか。

ここで△8六歩と突き捨てた場合に発生する弊害については後に補足します。以下、△4四歩 ▲同 銀 △同 銀 ▲同 角 △同 角 ▲同 飛 △3三角

ここまで一直線。

△3三角に▲5四飛と▲4八飛があります。


ー△3三角に▲5四飛

▲5四飛 △5三銀打 ▲3四飛 △9九角成 ▲8三銀 △6二飛

▲8三銀に △4二飛は▲4三歩 △同 飛 ▲4四歩 △4二飛 ▲3二飛成△同 飛 ▲4三歩成 △4七飛 ▲3二と △4九飛成 ▲5九金 △2九飛成に▲8二飛でだめ。この変化は▲7九玉と深く囲っているのが活きている。

細かいところですが、飛車を逃げる場所は△6二飛が最善ですね。▲7四銀成とされたときに△6三地点を守っているのが大きいです。

▲3五飛と▲8五飛の転換を見せる手に、△8六歩 ▲同 歩 △7五歩とそれを防ぎます。以下、▲7四銀成 △3三桂(▲6三成銀を防いだ)▲6四成銀 △4二飛 ▲5九金 △6四銀

△8六歩と突き捨てた効果で、▲8八銀には△9八馬で△7六馬を見せられる。

▲6六角 △同 馬 ▲同 歩 △4四銀 ▲3四飛 △4三金 ▲3五歩 △7六歩 ▲2四歩 △4五角 ▲4六歩(▲3七桂も同様で、△7八角成 ▲同 玉 △7五香) △7八角成 ▲同 玉 △7五香

△7五から打つのがいい。代えて△7一香は▲7四歩 △同 香 ▲5六角と0手で好ポジションに角を撃たれ、△7五香 ▲8四角△7三金 ▲7五角 △同 銀 ▲2三歩成となって損。

いつでも飛車が取れる形なので後手ペースと言えるでしょう。


ー△3三角に▲4八飛

▲4八飛 △9九角成 ▲8八銀とします。これは▲7九玉としたのが活きていますね。

▲7九玉の効果で▲8九桂に紐が付いている。戦場に近づいているようだが逆に安全。これで馬を閉じ込めて▲4四歩とするのが先手の狙いで、歩切れを突いた厳しい手。

因みに、▲8八銀に△同 馬としたり、▲4四歩に△5二銀や△5二玉としたりする手も検討しましたが、全て先手良しと判断しました。このあたりは変化が多すぎて正解手順を発見するの大変でした…。隙自語


▲8八銀以下、△9八馬 ▲4四歩 △4一香

これでぎりぎり受かるというのが後手の主張。さて、この局面で8筋が突き捨ててあるとまずい。

先程この変化で8筋を突き捨てるのはまずいと述べましたが、具体的には▲8七銀 △9九馬 ▲7七銀と反発されるのが嫌ですね。

仮想図
これは馬が捕まっている。8筋の突き捨てが明確に損になっている。

話を戻します。△4一香以下、▲4三角 △同 香 ▲同歩成 △3一金 ▲6六香 △8六歩 ▲同 歩 △7六馬 ▲8七銀 △7五馬 ▲7六歩

馬の引き場所が重要。

△9三馬 ▲6四香 △同 歩 ▲2四歩 △同 歩 ①▲4四飛 △6二玉 ▲3四飛 △3三歩 ▲2四飛 △8五歩 ▲同 歩 △同 飛

飛車を使えるのが△9三馬とした効果。△8四馬ではできなかった。▲8六歩は△4五飛、▲4六歩は△8六歩 ▲9六銀 △8七銀 ▲8五銀 △7八銀成▲同 玉 △8七角 ▲7七玉 △6九角成。

△8四馬とする変化は、後に補足します。


②▲4二歩(△6二玉に▲4一歩成 △同 金 ▲5三とを用意した手) △5五角 ▲6三銀 △1九角成 ▲4四飛 △5五馬 ▲3四飛 △3三銀

駒を惜しまずに丁寧に受ける。

⑴▲3五飛 △9九馬 ▲7七桂 △4二金 ▲4四歩 △4一香 ▲4二と △同 香 ▲5四銀成 △3四歩 ▲4五飛 △5三歩▲4三成銀(▲同成銀は△4四銀) △4一香 ▲3二金 △8三馬 ▲4一金 △同 玉 ▲4二成銀 △同 玉 ▲4三歩成 △5一玉 ▲3三と △同 桂 ▲4三飛成 △4二飛 ▲同 龍 △同 玉 ▲6九玉 △2八飛 ▲4八香 △5二玉 ▲3二飛 △6三玉

▲3九金なら△4七歩▲2八金 △4八歩成、▲3八銀なら △2五桂 ▲4三香成 △7五歩(👈△8三馬の効果!!!!) 。


⑵▲同 と △同 馬 ▲同飛成 △同 桂 ▲5三角 △6二香
▲5四銀成 △5二香 ▲4四角成 △5四香 ▲同 馬 △5三歩

▲同 馬は△5二金 ▲3五馬 △4四歩。▲3五馬に△4二金としたいが、▲4三歩~▲4四歩~▲4三銀とされる。それを防ぐための△4四歩。

▲4四馬 △3二歩 ▲3四馬 △4五銀 ▲3五馬 △4二金 ▲3七桂 △5四銀 ▲5六香 △5二金上 ▲5四香 △同 歩 ▲4三歩 △同金右 ▲4四歩 △5三金寄 ▲4三銀 △4一香 ▲3四銀打 △1九飛 ▲5九金 △6一玉 ▲8八玉 △7二玉 ▲4二銀不成 △同 香 ▲4三歩成 △同 金 ▲同銀成 △同 香 ▲5二金 △6一銀 ▲5一金 △8三飛 ▲8五歩 △4二銀 ▲6一金 △同 玉 ▲4一銀 △5二金 ▲7二金 △同 玉 ▲5二銀成 △5一金 ▲4二成銀 △同 金 ▲8四銀 △同 馬 ▲同 歩 △同 飛 ▲5三金 △5一銀 ▲4二金 △同 銀 ▲5三金 △5一金 ▲4二金 △同 金 ▲5三銀 △5一銀…

超手数進めて申し訳ないですが、この変化は千日手です。

金銀を交換しながら打ち合うタイプ。

おまけ

△9三馬に代えて△8四馬としたときの変化も置いておきます。良ければ並べてみてください。

△8四馬 ▲6四香 △同 歩 ▲2四歩 △同 歩 ▲4四飛 △6二玉 ▲3四飛 △3三歩 ▲2四飛 △2三歩 ▲2七飛 △7一玉 ▲4四歩 △6二馬 ▲4二銀 △同 金 ▲2三飛成 △4一香 ▲4二と △同 香 ▲2一龍 △4四香 ▲5九金 △4八歩 ▲8八玉 △4九歩成 ▲6九金 △5五角 ▲7七銀 △4八香成 ▲9八玉 △5九と ▲7九金寄 △5八成香 ▲1一龍 △6九と ▲8八金上 △7九銀 ▲6六桂 △6三銀 ▲8五金 △8八銀成 ▲同 金

△8四馬は△6二馬と引けるのがメリットだけど、それが活かしきれない展開っぽい。


という感じで、基本図から▲2五歩 △3三角 ▲4八飛とする手には千日手以上に持ち込めそうで後手満足と結論付けます。


基本図から▲4八飛(基本図3)(👈執筆途中!!!!!!!!!)

基本図から、



基本図3までで気を付けておきたいこと

陣形整備が遅れて、△4二玉(△4一玉)型で▲4五歩と仕掛けられるのには注意しましょう。具体的には△3一玉~△5二金の前に△7四歩を指してしまうと、▲

△同 歩とすると▲同 桂で、どう対応しても▲5三桂成と△5三銀が王手で取られてしまう(△4一玉の場合は▲5三桂不成)。

以下、△3一玉に▲4四歩として⑴△同 銀なら▲7九玉としてから▲2四歩△同歩▲2五歩の攻めを狙い…

△同 歩なら▲同 桂 △2二角に▲1五歩 △同 歩 ▲1三歩 △同 桂 ▲同桂成 △同 香 ▲2四桂。

⑵△同 角もやはり▲7九玉としてから角交換~▲6六歩や▲3八金としてバランスの良さを主張するイメージでしょうか。

何となく指しづらい。

深掘りはしませんが、▲4五歩と仕掛けられたときに△同 歩と取り返せるように、△3一玉と深く囲っておくか、居玉のまま戦うかのどちらかということは理解しておきましょう。


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