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アビスパ福岡の新監督就任騒動

アビスパ福岡に金明輝氏が監督として迎えられた。鳥栖監督時代のパワーハラスメントで一躍有名になった人である。当時は調査チームの報告書を読んだけどヤバすぎんだろと思ったのは覚えている。隣のクラブだし。

で、先般監督就任会見が行われたんだけどその前のマスコミリークから界隈はかなりざわついていて、大きくは擁護派と反対派に分かれているようだ。そりゃそうだろって話。

結論から言うと、私はこの一連の騒動で冷めちゃった派である。私の生活の中でアビスパが位置する順位がかなり下がってしまった。応援をやめることはないしアビちゃんは今後も好きだが、こうした人事をやってしまうクラブは誇れないというか、やっぱり安っぽいなーと思ってしまう。応援にかける時間とお金、そして熱量は激減する見込み。せっかくの30周年というのに。

オフ中の他クラブの楽しそうなイベントが続く中、福岡地方はどんよりと重たい雲が立ち込めたまま。気晴らしにデスクワークボランティアでも申し込むかオイ。

渦中の就任会見はYouTubeでも見ることができたんだが、まずフラッグも机のクロスも折り目とシワだらけで一流クラブとは到底思えないところからスタート。会場でゲホゲホ咳き込む者もいてよく聞き取れない所も。

そもそも監督が誰なら良かったという話ではなくて、なんでこんなにリスキーな監督をチョイスしたのかがマジで分からない。しかし我々が誰がいいとか決めるものではないし、実際、確か取締役会で決めてるんでーという発言もあったように、外野は黙って結論を受け入れるしかない。合理的理由なんてお値段も含めて表で言えないことも多々あるだろうし「上積みできるから」とか「進化できるから」とか適当な理由を付けることも可能なので、そのへんは一番聞きたいけど意味ない気もする。だからこそ、過去の清算と、二度とパワハラをしない、させない、許さない!というところのアピールや説明が重要であった。

結局グダグダだなと私は思ったけどグダグダどうかは個人の受け取り方の違いもあるし何をもってグダグダなのかは証明できないからグダグダだったと断言はできない。

そんな中、特に気になったのは次のとおり。

・この会見は釈明会見ではないんで(川森会長)
→鳥栖でのこととはいえ、こうなった以上改めて釈明を求められるのは想定できたと思うし、すべきだと思った。この時、一言でも釈明してたら何か損しましたかと。不誠実な印象だけが残った。正直すまんかったくらい言えただろう。

・パワハラ防止のため外部通報窓口を前から設置してマス(川森会長)
→これは普通の企業なら当然の話で、窓口が不要な世界を作ることこそが第一である。その前に監督本人のマインドセットは本当に研修や奉仕活動で激変したんだろうな。他人の心の中までは絶対に分からんからどうしようもない。まぁトラストミーしか言いようがないね。

・被害者には直接謝罪してない(金監督)
→これにはビックリ。暴言を吐き暴力をふるっていたのに相手方が分からないとのこと。記者会見か何かで間接的に謝ったらOKなのか。こわ。ハラスメント被害者のことは別の機会に書こう。

・SNSではネガティブな意見が目立つが対面での声とは異なる部分もある。真摯に受け止める(川森会長)
→会長と対面する人は限られているし、それが大多数の意見ではないだろう。決してSNSがマジョリティとは思わないし、ネット上でギャーギャー言っているのは調べてみると少数であることが多いのが常だが、今回の件は苦言を呈してたクラスタをノイジーマイノリティ扱いするのはちょっと違うんじゃない?
いずれに対しても真摯に受け止めると言うのなら、この部分は言わない方がよかった。使命感や愛情を持って発言していた人も一定数いたと思うが、こうもバッサリいかれるとね。オブリらサポ団体へのアンサーも無し。

最もヤバいと思ったのはこれ。

・監督が過去の間違いを乗り越える過程も、子どもたちの大切な学びや刺激になる(川森会長)
→いやー更生保護の観点ですかね。いらんなー。暴力的なおじさんが綺麗なおじさんになっていくサクセスストーリー、全然見たくないし子供の学びにはならないと私は強く思うので他所でやってほしいですー。申し訳ないけど最初から普通に間違いを犯していない人がいいですー。つか過去の間違いを乗り越える一歩目って直接謝罪することじゃねーのかよ。

他にもちょいちょいあったけど、会見は慣れも必要だし、とっさに口が滑ることも急に言葉が出ないこともあるだろう。言葉尻を捕らえてとやかく言っても仕方がないというか、クレーマーじゃあるまいし納得できる完璧な答えを求めることも不毛ではある。正解は個々の中にあるものだし。

だからこそ(2回目)就任発表と同時に文書でリリースしておけばよかったのになーと思う。クラブとサポーターは敵でも何でもない。むしろファミリーって言ってんのにな。リスク対応の学びになりますね。

あと金監督は言語化があまり得意でないのかなという印象を持った。特に回答する中で脈略無く「はい」を入れてしまうところなども目立った。だから怒鳴ったり「死ね」「殺すぞ」など、大人が使うべきじゃない頭の悪い単語を選んでしまったのか。大体この癖をJFAかどこかがきちんと矯正した上での再ライセンス付与なんだろーな。

一方で、金監督自体には、そんなに悪い印象を受けなかった。何なら言葉を必死で選びながら自分なりに丁寧に回答しているようにも見えた。本質や内面は例の報告書から別途読み取れるわけだが、多分、この先お会いした時、えへへへーと握手してもらい、お会いできたことを嬉しく思うことをお伝えし、何ならサインをおねだりして、少しでも誠実な印象であればあっさりとファンになってしまうことは否めない。かなり本就任に否定的な私であっても。なんせアビスパ福岡の監督だからな。だめだこりゃ。

ドブ板選挙がインターネット社会である現代でも有効であるのは、互いが血の通った人間であるからであって、温かい手と手をを結べばそこに情が生まれる。監督がこの状況下でサポーターに認められるには、こうした活動が必要かもしれない。クラブの財政状況を見ても、知ってもらい、好きになってもらい、選んでもらうといったマーケティングの基礎的な要素がこれまで以上に重要であるように思える。明らかにマイナスからのスタートなのだから。

Xなんかを見ていると、アビスパを愛しているが故のバトルがちょいちょいあっているようだ。このみっともない状況を作って、または各ニュースを賑わせてアビスパ福岡のイメージを下げたのは、他でもないこの人選であることには疑いがない。シーズンが開け、勝ち進んでイメージ爆上げして大逆転、子供達には夢と感動やで!というシナリオはちょっと無理がある。たとえ勝ちまくったとしても。

やっぱり今のところはかなり冷めているな。そして葛藤が凄い。今度は報告書について改めて記載してみよう。

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