次の約束

お医者さんに、「死んじゃったらぼくができることはなにもなくなる、そうならないためにできることはするからね、次また会ってお話ししたいから約束ね」って言われて、お母さんにも「あんたにパソコンのこと教えてほしいからいつでも戻っておいで、次会った時相談させてね、約束だよ」って言われて、約束というのはこんなにも生きる希望を与えてくれるのかと涙が出た。
自分がここにいていい感覚、自分の存在が認められる感覚、自分は生きていていいんだという感覚があった。人からすればそんな些細なこと、と思われるかもしれないが、わたしにとっては有効だった。
ただ、心のざわざわは取れないし、問題はまだまだ山積みだ。少しだけ前を向けた気持ちがあると同時に、「こんな自分が約束なんかしていいのか」という感覚や「まだ課題が残っているのに自分が前をむいていいのか」と自分を責める感覚もある。
心がぐちゃぐちゃで頭が痛い。本当は「得られたこと」「前を向けた」ことに意識を向けたい。でももう一つの心が自分のことを責めたてる。
なので、まずは約束を果たすことだけを考えようと思う。次の通院に必ず行くこと。親と話をすること。即ち目標は「死なないこと」。死のうという衝動に駆られないように、高いところには行かない、ロープは買わない。それが自分との約束。

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