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生の近未来
18年前、ITベンチャーに参画していた頃、
これからのネット映像はどうなるか?というのが、
毎日の楽しい考え事であった。
広いビルフロアの一角を与えてもらい、
クロマキー合成用のスタジオ部屋と、オフィス部屋を設置して、
日々思考と実験をさせてもらっていた。
壁をいつでもメモ落書きできるようにホワイトボード化して、
思いつく事を何でも書き留め、スタッフにも見えるようにした。
(映像、グラフィック、営業さんまで統括させてもらっていた)
「ネットのCMは、5〜10秒」
「ネガティブなネタをポジティブに」
「ユーザーに自ら作ってもらう」
「クオリティよりスピード重視」
「テレビとは違うことをする」
「時計、地図、天気予報に学べ」
「メディアミックス」
「アイディアは持ち帰るな、その場で出せ」
…などなど書いたりしている中、
「再び新しい生放送の時代がくる」
というのを書き留めていた。
まだ生配信という言葉はなく、ネット生放送として、
毎日12階の窓から見える周辺に、スタッフに被り物をしてもらって、
街に立つという、怪しい生放送をしていた。
(生放送は、会社にある高速サーバからしか出来なかった時代)
今では当たり前となった地上波視聴しながら生配信というのも、
ワールドカップでゲリラ生放送した。
(素人のこだわり解説者さんを呼び、見ている人アングル)
また、出来るだけ生放送に近いという意味で、
”ニア ライブ” と社内では呼んでいたスタイルで、
音楽ライブや、生ラジオ放送、お芝居等を映像コンテンツで制作し、
生が終わった後、出来るだけ早くアップロードする。
これは、”現場での生”を最高とし、終わってからすぐ配信するという、
生にリスペクトした姿勢と時間差を、逆に売りにした。
テレビの歴史は録画が出来る前、全て生放送から始まり、
TV-CMも生コマーシャルとして番組内で生で撮られていた。
ネットは、録画したものをアップロードすることから始まり、
今はスマホから誰でも生配信出来る時代となった。
(やっと時代が追いついたぜ^_^)
そしてテレビの時代から一段上がった
ネットの生放送(配信)の近未来がますます気になるこの頃だ。