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原神 天理の調停者の正体考察



この記事は前回の核心考察を元に謎めいた「天理の調停者」、「見知らぬ神」の考察をしていく。

前回では、天理の調停者は「時の執政」及び「空の執政」に関係していると推測した。

(順序立て説明)
■聖遺物になぞらえて、生・死・時・空…が「四つの影」を表してるとした。時の執政イスタロト、死の執政ロノヴァと並んで「生の執政」「空の執政」

■「空の杯」は英語で「Eonothem」と言う。「時の砂」は「Eon」と表される。Eonは(スターレイルでいうアイオーン)、時間の流れを表す。Eonothemは地質学でも扱われ、地質とは地球の歴史が積もったものである。themという単語から考えても「時間が積もったもの」で、「生と死」のように「時と空」で表裏一体、密接な関係にあると考えていいだろう。

■この考え方は難しいが、「時間が積もったもの」というのは歴史を指す。歴史とは「人の知識、認識の積み重ね」である。歴史が無ければ人は太陽と月が空をぐるぐる回ってる、としか認識できない。しかし積み重なった知識により私達は地球が回っているのだ、と認識できる。名前の「空の杯」が「からっぽ」であると認識できるのは普段からそこに水などを注ぐからである。

■つまり「風が新たな物語を運び、時間がそれを神話にする」というのは物語が積み重なって、神話のような過去のもの…誇張入り雑じる伝言ゲーム的誤りの生まれ、を意味する。

そして“赤い色”の力はやはり「空」のものと思われる。
双子との戦いで見せた、時空を操るかのような力。

ヒルチャールなど魔物の消滅時の赤い光、そして「荒野の呪い」と称されるヒルチャール化の天の呪い。ヒルチャール化はつまり「それまで持っていた人の姿と知能」を変化させ失わせる事を表す。「醜さが過ぎて仮面をしてでも見たくない顔」もまさに「人の認識」を操る力による。

アルレッキーノの「双界の炎」という儀式から得られる「凶月血炎」の力。クリーヴなど「記憶を保存」し、現実に写す「残影」の力。また、ヒルチャールに似た容姿。「双界」は恐らく「物質的現実」と「空想的非存在」を指すのではないだろうか。

水仙十字のキャタピラーも元ヒルチャールで、人の認識を操る力を使える。恐らく元ヒルチャールであったため荒野の呪いを転換して利用した…とかか?

そして「天理の調停者」という名前。調停は何かと何かの間を繋ぐ事を言う。これも「物質的現実」と「空想的非存在」ではないか。謂わば「双界」の調停者だ。
「天理の」使者としての役割。四人の執政にも同じような名前があるのかもしれない。「時」なら「天理の書記」とか…
「生」なら「天理の庭師」か(意味が分からないと思うだろうが意味が後述にある)

つまり、天理の調停者は「空の執政」であると推測する。

(次いで、度々登場する「地脈」「世界樹」も記憶を保存するという事から空の執政関連と思われる。)


ver.1.0「月」

原神はリリースver1.0辺りの時点で色んな情報が出されている。実はこの時点で天理の調停者の正体は判明できたのではないだろうか?

まず原神は「月」が物凄く意味深に扱われ、頻出する。
モンドはドイツ語で「月の都」、璃月も月である。

「狼」は書籍「竹林月夜」で「月の子」と称される。
狼はレザー、北風の狼アンドリアスを始め、「イノシシプリンセス」「酔っぱらいの逸話」など至る所に登場する。

同じく「竹林月夜」や、「砕夢奇珍」「絶雲紀聞」に登場する、魔神よりも前から存在したとされる「月の三姉妹」。

「白姫と六人の小人」にある「月光の森」。

更に「深境螺旋」では巨大な月が見れる。そしてその月といえばこれが思い出される。

「双子ストーリームービー」

このPVは原神リリース前に公開されたもので、意味深なシーンが描かれるのだが、リリース前という事も兼ねて、自分には「3Dマップの使いまわし」の可能性を拭えなかった。しかし今はこれも繋がっていると思える。

ついでに書籍「森と風」にはカーンルイアの「黒日王朝」という言葉が出てくる。黒日は日食の事で、日食とは「太陽の光が月の影で覆われる」事である。
また、ヒルチャールの中には「日食族」なるものがいる。

これらで「月が一体どんな意味を持つのか?」と疑問を持つ事ができる

これに上記の「時と風」、祭礼シリーズの武器…から時の神の存在。聖遺物の各部位の名称。パイモンの見た目やウェンティの話なんかも合わさって「時」の推察ができる。

ここから飛んで、原神(及びホヨバース)の全体的なテーマ…(前回参照)から、「月が人類の歴史の象徴である」と推察する。
月は太陽と並んで人間が作る神話の題材であり、人類が宇宙に出て遂に到達したのも月である。

つまりこの「月」とは「空Eonothem」であり、「空の神」を表し、「双子ストーリームービー」の様子の赤い月、赤く四角い力を見るに…「天理の調停者」その人である。

最後に、天理の調停者はホヨバースの前作「崩壊3rd」の主人公キアナに瓜二つである。作中ではキアナという名前は「月の女神」を意味している。フライミトゥーザームーン

(ついでに「狐」、狐は何かしら多く登場するのだが、書籍「蒲公英の海の狐」から考えると理解できる。蒲公英は風に乗せて種を撒く事から、風と時の関係。狐はずる賢さ(知恵)を持ち、「変化の術」で人の認識を惑わせる。普通では全く意味の分からない組み合わせだが今はよく分かる。)

そして「天理の調停者」、「空の執政」、「月」…
これら三つを同一のものとして捉えると、また新たなストーリーが導き出せる。


シナリオ:月に導かれる私達

天理の調停者及び空の執政及びホヨバースにおいて最も象徴的なもの「月」…
上記の書籍群を読むと、それに何が起こっていたのかがなんとなく分かる。

(ここで注意して頂きたいのが、「なんとなく」ということ。実際には現時点では空の執政は名前と姿形はおろか、存在すら示されていない。)

まず物語は「月の三姉妹」から始まる。

書籍「竹林月夜」「砕夢奇珍」「絶雲紀聞」に登場する彼女らは「司晨の星」(恐らく時の執政)と仲が良い。しかし大災禍が起きて三姉妹は砕かれてしまう。

書籍中にある仙霊の描写などから考えると、これは大昔の「第二の玉座」、龍王ニーベルンゲンと第一降臨者パネースの戦いだろう。この時に空の執政は深い傷を負ったと思われる。

次に「白夜国館蔵」にある「樹の比喩」。
ここでは「霊木」が伐採される様子が描かれる。
「王」(天理)が「彫刻が施された小屋」を修繕するため、木霊のいる霊木を使う。

この「小屋」はつまり彼らが造ったものがある場所で、テイワットを指す。
「王の庭師」は庭師という職業から考えると「生の執政」だろう。
空の執政が世界樹(地脈)であるとしたのは前述の通りで、霊木は世界樹でその木霊は空の執政である。

時系列は「月の三姉妹」時代のニーベルンゲンとの戦いが終わった後…
そこから考えると、戦争でボロボロになったテイワットを直すため…または魔神と七つの理念、神の心、神の目システムの導入するために、テイワットの根本を司る世界樹から造り直す必要があったと推測できる。

そしてこの様子を描いているのがこのシーンではないか?

メインストーリー幕間PV「冬夜の戯劇」

「博士」がなぜここにいるかは謎だが(博士は「断片」から時の力を持っていると推測)世界樹が燃えている様子が描かれている。

そしてこの文もこのシーンを指しているのだろうか。

【原初が破滅を翻し、天空の島が大地を燃やし尽くす。】

「天理」が第二降臨者との戦いを無かった事にする。しかし世界樹を燃やす事は同時に「その時代を生きた者達」が歴史から抹消される事を意味する。

破滅を翻すと同時に大地も翻される。
そしてテイワットが白紙から造り直される。

(ダインスレイヴ紹介のこの文は後にも引用する)

次に見られるのはモンドである。

上記に書いた通り、狼は「月の子」とされる。そして狼について、「イノシシプリンセス」では興味深い事が描かれる。

ウバカというリスによって、狼は豹変してしまうのだ。

ウバカは分かり易く、「アビス」を指しているだろう。
狼は「月の子」から、空の執政が「樹の比喩」にて折られた枝…マハールッカデヴァータとナヒーダの様な親子関係を指す。或いは、単純に「月」=「空の執政」

つまり空の執政がアビスに汚染されたということを意味している。

しかし、何時どこでそんな事が起こったのか?
イノシシプリンセスは魔女会メンバーの「M」…「アンデシュドッテル」が描いたもので、大きな意味を持つのは間違いない。

実は全てを繋げる場所がある。

「深境螺旋」である。この場所は「深淵」と繋がっている、つまり「アビス」の虚界と通じていると思われる。ここでアビスの汚染があったと考えれば辻褄があう。(ついでにイノシシプリンセスの舞台はモンドとされる)

ver1.1のイベント『帰らぬ熄星』にて、螺旋がある「マスク礁」は元々モンドの山の「とんがり帽子山」だったという。ウェンティが吹き飛ばし孤島と化した。

深境螺旋では「月」が見える事から、空の執政が支配していたのではないか?と推測する。時の執政も同じくモンドで記録が残っている。

では深境螺旋で空の執政によって何が行われていたのか?
天外の知識…とんがり帽子山…これらはある人々を指している。

深境螺旋は「魔女」の国である。

魔女は見た目通り、山と同じ「とんがり帽子」を着けている。(山の名前を着けたのはただの冒険家のレーナルトっぽいが…)

そして深境螺旋は天外に繋がり、魔女はアリスやバーベロス(おばば)等、天外の知識を持つ。

深境螺旋は古代文明があったという。とんがり帽子山の頂上に魔女が住み、空の執政の下で天外の知識を学んでいたのだ。

セシリアの苗床の説明文では、かつての文明はセシリアの花と共にあったという。セシリアという名前は崩壊3rdではキアナの母の名前である。

「魔女の国」を表している物はもう一つ、書籍「小さな魔女と消えない炎」である。
この本は魔女会によって描かれたが、特に第2巻、(恐らく)バーベロスが描いた章節に注目して頂きたい。

これは一部

【箒にまたがった小さな魔女の姿が、血緑色の月を横切る。】
【魔法大陸の西の果てで忘れ去れらたはずの習俗は、何故か深い森の奥で復活していたのだ。】
【彼女たちは秘伝の呪文や秘儀の交流をタブー視してはいなかった。だからこそ、その時期に西の魔女は勢力を急拡大したのである。】

「月」と魔女全般について描かれている。この本は恐らく魔女自身が自分と関係のある事を描いているのだが、バーベロスは魔女(或いは魔女に相当する者)が勢力を作っている場所にいたと考えられる。

また、「双界の炎」とヒルチャール化を思わせる内容もある。

【灰の中に残った消えない炎を只人が持ち帰って捧げれば、魔女と契約したものと見なされます。】
【魔女に拒否される場合もあります…でも魔女は霊媒となるものを格別に愛するものですし、わたしもたとえ恐ろしい怪物になっても構わないと思っていますから。】

魔女会は過去に「風神に挑んだ」という。
魔女会と風神には何らかの確執があるのだろう。

【彼女達はかつて、大胆にも風神に挑んだの】(ストーリームービー:魔女のお茶会)

風と時、時と空…の表裏一体の様な関係は以前に述べた通り。(ウェンティは全てを知っているだろう)

恐らく空の執政によって「魔女の国」が滅ぼされている。

その様子が「双子ストーリームービー」のこのシーンに描かれる。
この地形はモンドに似ている。
この赤く四角い力は天理の調停者のものと酷似している。

アビスは禁忌であり、天理は「寒空の釘」を落としてアビスを根絶しようとする。
同様に、空の執政はアビスに汚されたモンド(深境螺旋)を自身の手で滅ぼしたのではないだろうか。
(それか、空の執政自身がアビスに汚され、破壊衝動に駆られたか?)

そして、これが「魔女の国」の滅亡であり大規模な災害が起こったのなら…

これが空(主人公)の言う「天変地異」
オープニングの災害ではないか?

空が言うには、蛍が先に目覚めて天変地異を目撃し、共にテイワットから逃げ出そうと言ったという。(空は「カーンルイアの滅亡」と推測した)

前考察では、旅人の双子をテイワットが生み出した異邦人であるとした。

ではなぜこの時に目覚めた(生まれた)のか?
これは偶然が過ぎるような推測だが…

このモンドの災害によって、当時の「神の目の所有者」が多く亡くなり(原神になり)
“「旅人を造る素材」が充分になった”
からではないか?

そしてオープニングのシーンに辿り着く。そこで「天理の調停者」が放った台詞はこうだ。

【余所者   お前たちの旅はここまでだ
この「天理」の調停者が
ここで「人の子」の驕りに終焉を】

旅人は双子で生まれた。
これは「天理側」にとって不測の事態だったのではないだろうか。

降臨者…「神」になる者が二分されれば、世界も必ず二分され、争いしか生み出さない。そんな未来を双子に見たかもしれない。少なくとも正常ではない。

この時点で「第三降臨者」まで生まれており、第三降臨者は自身を神の心に変えて、神の目システムを始める。
謂わば苦肉の策である。第一降臨者は魔神になって散らばり、第三降臨者は遺骨と化した。もはや世界を治める正統な者はいない。

この「第四降臨者」が神の目によって、優秀な神、グノーシスそのものにならないともう後がないと言ってもいいだろう。

しかし生まれたのは双子だった…。

もはや「神聖な計画」は頓挫したも同然で、テイワットのやり方では神は生まれないと判断される。

双子に対して「人の子の驕り」と呼ぶのは最大の皮肉である。彼らは本来宇宙の神になるはずで、そのために「人の子」では無いものを造ろうとしていた。

結局「降臨者」は人の子で、人間は物質的現実からは逃れられない。これがテイワットの出した答え。

……というのがオープニングシーンの真相である。(という推測)

こうして双子は、天理の調停者によって永く封印される。
そして「とんがり帽子山」…「深境螺旋」は風神バルバトスによって、忌々しい禁忌の地なので、遠い海に吹き飛ばされ、現在の「マスク礁」になる。

(モンドの時系列:
ウェンティと旧貴族長剣のストーリーではデカラビアンを討伐しバルバトスの統治が始まったのが2600年前。旧貴族秘法録ではモンド城成立当時にローレンス一族主母ヴァニーラーレ、当人はレーナルトの著書「山と海の書」に名前が出る。
深境螺旋の古代文明はそれ以前?)

(※但し同じくオープニングで双子の星が流れていた場所は、どう見ても現在の璃月とモンドである…)

ちなみに「イノシシプリンセス」ではウバカ(アビス)に汚された狼を、イノシシの王が救いだす。
幻想シアターで判明したが、イノシシは仙霊を指している。仙霊の王で連想されるのはやはり「酔っぱらいの逸話」で「最初の仙霊」だと唄ったファトゥスの「少女」である。
この辺りの仙霊の事はあまり詳細が無い。
(亀と狐も登場するのだがよく分からない)

「少女」は両目を塞いでいるが、これも空の執政のものと推測できる。

原神は目を塞いでいるキャラクターが多い。ガイア、「道化」、フィッシュル等…

これは空の執政の「代償」ではないだろうか。「視覚」という、ものを「認識」する機能を差し出す代わりに、何かを認識する力を得たのではないだろうか。「双界の炎」のヒルチャール化現象の代わりに「凶月血炎」の力を得たように。
(フィッシュルは真似事)

では、空の執政はモンドの深境螺旋で魔女の国を興して滅ぼし、降臨者として生まれた双子を封印した。
次にどこで見られるか。

盲点のように「人間の国」「カーンルイア」の名前に覆われる、「赤月王朝」…空の執政は次に、カーンルイアに現れた。

(「赤月」なのはもしかしたらモンド崩壊の件からその後は赤月のままだったのかもしれない。やはりアビスに汚染されて赤くなったのか?)

カーンルイアは前考察では「四つの影」、執政が支配しているとした。ここでもその通り、名前からして空の執政によって興されたと推測する。

カーンルイアがいつどのようにして始まったかは不明だが、王の名前は「独眼の王エルミン」である。目を差し出すのはやはり空の執政の力。

カーンルイアの「赤月王朝」の時代は神秘的な力が主軸にある。錬金術と双界の炎、深秘院。
前回もこれらから執政の力が関与していると推測した。

なぜ空の執政は魔女の国といいカーンルイア…、人間に外の知識を与えるのか。これはもはや「空」という概念そのものの宿命と言えるのではないだろうか。彼女自身が人間の知識、歴史そのもので、テイワットの制限する方針は合っていないのではないかと思われる。
また、降臨者の計画が完全に破綻したのもあってやっぱり人間と神と協力し合う方向にしたか。(錬金術からして他の執政も組んでいる)

この赤月王朝、カーンルイアから人間が主体になった再出発をするつもりであった。
しかしここである事態が起こってしまう。

ここで「白夜国館蔵」の「樹の比喩」を思い出して頂きたい。

【だが、庭師が言葉を漏らす──霊木が成長するのに五百年はかかると。すると祭司は、一念で千劫の辛労を尽くせばよいと答えた。そして、庭師が自家の裏庭にそれを植えると、その瞬間、細い枝が新しい木に生まれ変わったのである】

世界樹を燃やしてテイワットが造り変えられた時、「時の執政」の力によって空の執政は一瞬で元の樹に成長した。

まるでハッピーエンドだが、これにはある話が欠けている。「代償」である。

「成長」による代償の話はナヒーダの伝説任務第二幕でも語られた。恐らく執政でも避けられるルールではないだろう。
ではここにおける代償はどうなったのか?

至極単純に、空の執政はこの時点で「死んだ」と思われる。カーンルイアを統治する中で500年早く。

それによって何が起こったのか?

旅人の片割れが目覚めたのは、空の執政が死んだ時である。

死んだ事によって封印が解かれ、カーンルイアの「召喚」に天空が応じた。そして蛍は「カーンルイアの姫」となる。

そして「赤月王朝」は「黒日王朝」となる…これも前考察で語った通りである。
しかし、黒日王朝の悲劇が起こる。カーンルイアそのものが滅亡してしまう。

このカーンルイア滅亡が起こったのも、“500年前”である。
…主人公側、旅人空との間隔の500年という数字は偶然じゃない。

もちろん、「樹の比喩」にある数字は正確さを保証していない。しかし近しい数字でその様な事が起こったとは思う。

ではこの「500年」という数字が何を表しているのか?
つまり、空の執政が「500年早く亡くなった」という事だが…

この「500年」は、「テイワットの滅亡」を指しているのではないだろうか?

ものの寿命はもちろん、「時の執政」が定めたと考えられる。そして空の執政…「天理」の一部、ルールそのものが死亡する刻。

これは「時」が定めたテイワットの期限、計画が完全に失敗に終わる刻を指しているのではないか。

空の執政は死に、それと同じく「天理」も死ぬ刻が来る。旅人が行く現在は、世界が「死ぬ寸前」なのかもしれない。

【調停者は死に瀕し、創造主は未だ訪れぬ。だが、世界は二度と燃えぬ。あなたが「神」の座に就くから。】

黒日王朝では、前考察で蛍が執政を追い出して機械が主軸の、「本当に神のいない国」に改革したと推測した。
それによって「天理」が怒り、執政の力でカーンルイアを滅亡させた。

ここから「年長者と年少者の殺し合い」…「第一降臨者」と「第四降臨者」の戦いが始まったのだ。

【原初が破滅を翻し、天空の島が大地を燃やし尽くす。
白亜が黄金に惹かれ、赤月が日食に復讐を。
未来が過去を救い、年長者と年少者が殺し合う…
──これが世の輪廻であり、運命だ。ダインよ、お主にとって、あの金色の髪を携えた者は何を意味する?殺さねばならぬ者、それとも赦しを求める相手か?】

(「調停者は死に瀕し」、とある通り完全に死んだわけでは無さそう。カーンルイア滅亡時に「荒野の呪い」、ヒルチャール化の力も働いている)

空が500年遅れ、テイワット滅亡寸前に目覚めたのは、この説を鑑みなくても「時の執政」の仕業と考えられるだろう。パイモンを釣り上げ、ウェンティと最初に出会う。

時の執政は空の執政と密な関係にある。封印した旅人の片割れを二人で分けたか?

なぜ旅人を500年分けて解放したのか。これはもはやテイワットを最後の降臨者の手で完全に終わらせてもらうためではないか。

「時」等にはテイワットの運命が予め見えているだろう。いつどのようにしてかは分からないが、失敗と滅亡を早くも悟ったかもしれない。
つまり、全ては古に撒いた種、「時」による劇場の中である。

まずテイワットの外に出られないようにする。
そして「蛍」にはカーンルイアの姫になってもらい、「故郷」の想いを背負わせ、それによってカーンルイア滅亡や神の目の件から天理とテイワットへの憎悪を向けてもらう。
「空」には妹への想いから行方探しをさせ、更にテイワットへの「故郷」を背負わせ、そこからまた神の目の件から天理への憎悪を持たせる。

そして、双子降臨者の「故郷」への想いから…まるで「故郷に縛られる狭い世界の物質的な存在」のように振る舞わせ、更に故郷の違いから二人を争わせる。

二人はどちらが勝っても、「二度とこんな事があってはいけない」とテイワットの存続はさせない。

歪んだグノーシスから生まれた「神聖な計画」への完璧なフィナーレである。

しかし一縷の望みも残っている。
双子は実際に降臨者で、神の素質を持っている。
「蛍」は「復興」と口にしている。「空」は現在のテイワットを滅ぼすような事はしないだろう。

「旅人」のこれまでの旅…
もし「間違った理念」を変えられるなら、「未来が過去を救う」なら、テイワットを救う道もあるかもしれない。

【以前言ったように、過去は未来を変えられない。予定調和の法則は俺の手には少し余る。だが無限の可能性に満ちた未来なら救えるかもしれない】

【まださよならも言ってないんだ   これで別れだなんて絶対認めない】


「月」の物語がカーンルイアに繋がり、カーンルイアが蛍に繋がる。そして蛍の物語はいつか、我々にも繋がるだろう。
「月」の国は滅んでいない。だから復興の必要も無い。

赤月と黒日の名称は、スコルとハティの神話を思わせる。狼が月食と日食を起こすというものだ。
月食は太陽の光が曲がって受けたもの、日食は太陽の光を月が覆ったものである。

つまり「赤月」は、光で表される「元素」…アビスによって「天理」から少しずれたもの。
「黒日」は「天理」を「月」で食らってしまったもの…と言える。

「黒日」という名前から、「月」…空の執政の意志は消えていないのかもしれない。彼女が死んだ後も、誰かがその物語を引き継いだか。

また、触れるのを忘れていたが「白姫と六人の小人」には「夜母」と「月光の森」の対立関係が描かれる。
この「夜母」を「天理」そのもの、第一第三降臨者とするなら、空の執政との関係はどうだったのだろうか。
(ダインスレイヴの言う「世界の根幹を揺るがし続ける黒王」も天理なのだろうか?)

「月光の森」はやはりカーンルイア(それか魔女の国)だろう。月光の森王国の人はやはりカーンルイア人、ニフィリム人。
白の姫と光の王子は双子。

そして陰謀と卑怯な六人の小人。
やはりカーンルイアの「五大罪人」が想定される。「五大」と後もう一人は、「摂政元帥」アンフォルタス・アルベリヒではないだろうか。
何故なら「アルベリヒ」という名はワーグナーの「ニーベルンゲンの指環」で「黄金」に惹かれ、ラインの乙女(レインドット)からそれを奪った悪役だからである。
また、劇中でアルベリヒは「小人」であるとされる。

今回はここまでで、「天理の調停者」、空の執政に注目したものになる。

オープニングの出会いでは敵に見え、不穏なものだったが…実に崩壊3rd、前作主人公の姿に恥じない存在だったのではないか。

崩壊3rdの序盤では、キアナが父ジークフリートや母セシリアと会う、親子の愛を感じられる展開があります。セシリアの花とその花言葉「放浪人の真情」「遊興者の真心」は、前考察にも通じる故郷への愛をまた彼女も持っていたのかもしれません。

(そういえば、魔に侵されて大災害を引き起こすのもあったストーリーである)

最新の5.1、ナタ魔神任務で天幕の外に「砕けた月」の様なものが見えます。これもまた彼女が「死に瀕している」事の暗示で、不穏なものではないでしょうか。

ここまで来たら、ファトゥスや魔女会の方々の話を聞くしかないでしょう。
仙霊の節がある「少女」…世界樹が燃えるのを見てた「博士」…カーンルイアっぽい機械の「傀儡」(アラン・ギヨタン?)…バーベロス…レインドット…

それでは終わり。読んで頂きありがとうございました!\(^_^)(^_^)/

このK.Kはやっぱりキアナ・カスラナじゃないか?


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