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模擬宇宙:不可知域 解説と考察

不可知域は崩壊スターレイルver.2.6に実装されたコンテンツ。そのストーリーの解説と考察の記事を書く。
「黄金と機械」の続編とされるので、ここでも前回の考察記事を扱う。
↓黄金と機械   考察
https://note.com/zuruzurus/n/n6761b8979219


解説:時計仕掛けの「偶然」

100琥珀紀ほど前、博識学会で皇帝ルパート2世の遺産「セプター」を巡って「学派戦争」が勃発した。

ヘルタがその辺りを模擬宇宙で調べようとしたら「不可知域」が発生した。これは模擬宇宙にぽっかり空いた穴のようなもの。
しかしヘルタのこれまでの研究をことごとく邪魔をする「偶然」でもあった。

また、この学派戦争はヘルタが天才クラブ#83として名を揚げるきっかけになった「ソリトンアルゴリズムの難題」が提起された時でもあった。(ヘルタはこのストーリー以前では誰が提起したのかを知らない)

学派戦争…不可知域…ソリトンアルゴリズムの難題…
実はこの三つはある一人の人物が引き起こしたものである。

天才クラブ#4ポルカ・カカムである。

学派戦争の簡単な流れはこうなる。

■ルパート2世の遺産「セプター」が博識学会に渡される。(セプターは超常的な能力を持っている。それはゲームの戦闘でも圧倒的なダメージで表現されている)

量子歴史学派が予言する。「無機細胞の思考のもとで、新たな天才が時運に乗って誕生するだろう」

■公正さと討論の星スポフィアでセプターの使用用途の会議「未来学の集会」が行われる。
星空生態学派が「完全な学者」を提案する。何台もある全セプターを一人に与えるという意味。

■結局、星間エネルギー学派の妥協案で可決する。4つの宇宙問題にセプターが使われる。エネルギー統合未来
この四つは戦闘で使われるセプターにも割り当てられる。(エネルギー改、進化改、造物改、推演改)

■分けて使っていたセプターを純粋造物学派が占有する。そしてセプターを巡って学派戦争が起こる。

完全進化学派が有機と無機の両要素を兼ね備える生物を造り出す。しかしそれは「偶然」反有機ウイルスに感染し破壊行為に及ぶ。

■命(完全進化学派)、統合(純粋造物学派)はダメだということで星間エネルギー学派が最終的にセプターを使う勝者となる。(“未来”の量子歴史学派は書籍:ヘルタの手稿やセプター:推演改のテキストによると学会の笑いものである)

■銀河図書イスマイールでデモが起こる。「知識を知識に返せ!」またセプター占有の結果だろう。
武装考古学派が図書館を封鎖していたが、「偶然」兵器の操作ミスで爆発が起こり事態がエスカレートする。

■音楽家セーメイが凡人の歌を作る。一人の賢者より百人の凡人…と推奨し、知識に値をつけず真理を追及しない「凡人院」が開かれる。

相対認知学派が辺境の惑星クロステアでセプターを使い共感覚ビーコンを破壊する。クロステアは言語の無い星になった。

パティヴィア・アドラ・サマーヴィルがルパートの墓に辿り着く。
パティヴィアは「偶然」空間のさざ波を発見し、デモの中で「偶然」他の学士と協力して虚数のソリトン波を確認し、その起点を目指すとそこは「偶然」ルパートの墓だった。
そこでセプターのコアを繋ぎ、パティヴィア自身が皇帝に成り代わろうとした所、相対認知学派が埋め込んだ自己疑念の種が「偶然」芽生え、「自己戴冠」を断念し、ヌースの「知恵」を見ることにした。
結果、セプターはダウンし、コアは鉄くずになった。パティヴィアはソリトンアルゴリズムの難題を残し、セプターは後にゴミと化す。

■虚構歴史学者の協力を以てこの博識学会の黒歴史を隠す。凡人は天才の思考を得ても戦争などをしてばかりで使いこなせず、ヌースの知恵を見ても問題を出すだけで本物の天才には及ばない。

こういった流れになる。(“キャンディーカラー”と“蝶”は「偶然」を起こすものとした)

どこからどこまでが「偶然」の及んだ範囲かは分からないが、「黄金と機械」の皇帝ルパートはポルカによって殺された。恐らくルパート2世も同じだろう。そして2世のセプターが学派戦争を起こした…

これと同じく、「偶然」によって殺害された天才クラブメンバー、柏環とラムとクライン。彼らの記述もある。(遺物:知恵の海に溺れる学者、書籍:クライン直筆の手紙(抜粋)電子アーカイブ)
これらの流れは以下の通り。

■柏環は燃素、ラムは生物波、クラインは灰玉合金の研究者として同じオハイティ星で活動することになる。

■クラインがラムに灰玉合金入りの外骨格をプレゼントする。

■ラムが地下エネルギーを発見。柏環とラムが4回目の離婚。

「偶然」燃素ポリマー漏出事故が発生し柏環が負傷。これを機に柏環とラムが四回目の再婚をする。(元はクラインが事故を起こすよう仕掛けていたようだが、調べたところ別の誰かが事故を引き起こしていた)

■ラムが「偶然」の爆発事故で死亡。「何故か」ラムは事前にクラインから貰った外骨格の右手を破壊していた。そのせいでミスを犯し事故が起こったと思われる。(この右手はクラインから貰ったもので、密かに灰玉合金を入れていた。ラブコメだの仕掛けだのから考えると、そもそも関係があやふやな中で「偶然」右手の合金に気づいたラムが嫌気がさし、取り除いたのかもしれない)
(また、柏環が事故で入院していたためにラムが作業を行った模様)

■柏環が「偶然」の事故で死亡。ラムの遺品である右手の外骨格を胸に入れていた所、それは灰玉合金であるため燃素を吸着し心臓を焼き尽くした。恐らく灰玉合金が遺品に入っていた事を知らなかったと思われる。

■クラインが自身の邸宅で「偶然」死亡。全ての犯人をポルカ・カカムと仮定し、調べていた事がブーツの中に隠されたディスクから明らかにされた。

このように「偶然」が重なり合って死亡事故が起きている。
(ちなみに遺物ではクラインは「彼」で奇物の人造隕石では「彼女」になっている。クラインがラムの遺品を家に隠していた事から、「彼」の方が正しいか?)

「二律背反のワルツ」のクエスト内でポルカ・カカムと出会った時も確率操作の能力を使っていた。ポルカは「バタフライエフェクト」を自由に操れる能力を持っているのだろう。

ポルカはそれを「全知域」と呼ぶ。
ポルカが言うには、この宇宙はヌースの「時」、「知恵」によって閉じ込められた宇宙であるが、ごく稀に「天才」が「知識の特異点」を超えて「知識の輪」を拡げる。その天才によってヌースの宇宙は乱され、混沌が引き起こされて「終焉」が早まるのだと。

その天才を暗殺するポルカは、正に「時計仕掛けの宇宙」の守護者と言える。

ヘルタを邪魔する不可知域、天才を殺し続ける暗殺者、それは全てポルカ・カカムがヌースの宇宙を護るための行動である。皇帝戦争を起こしたルパート1世、2世ですらその「全知域」からは逃れられない。

ここで語られたストーリーの限りでは、そういった内容になる。


「終焉」ポルカ・カカムの真意?

実のところ、話はそれだけに留まらない。

ここで前編とされる「黄金と機械」の内容を振り返るが…

ポルカ・カカムはただ殺しているだけではない。

「血色の弔い・その2」

ポルカは「終焉」を与えると共に「新生」も与えている。ここではなんと殺した人物が生き返っている。

「新生」についてはホヨラボの公式情報の中でも触れられている。

「黄金と機械」の考察記事の中ではポルカの行いは天才クラブメンバーを「神秘」等の魔の手から救い、ルパートの戦争をも止める英雄であるとした。

「終焉」を交えて考察すると、他にも「新生」に関する情報がある。

末日の幻影を担当するエレジー

これを見ると恐らく、「終焉」の力はものに終わりの未来を与えるだけではなく“次の終焉”、「新生」を与える力を持っている。

つまり「終焉」のループに陥れるのだ。実は崩壊3rdにも「終焉」は存在するのだが、これと近しい事をやっている。

このことから、ポルカは「終焉」の力を持つと推測できるが、それを示す根拠は他にもある。

凡人集

凡人集では、更にそれぞれの学派のストーリーが見れる。

入れ替わる殻:完全進化学派
リメンバー・ゼム:燭炭学派
ぜんまいワールド:量子歴史学派?
プリントされた真実:純粋造物学派
偉大なデタラメ:相対認知学派
消え入る炎:星間エネルギー学派

この中の「ぜんまいワールド」では、学派のストーリーと言うよりも学派の研究対象そのものにまつわる話がされる。

学派の代わりに、謎の老人、実験、仮面の愚者が登場する。…それらは共通して「全知域」のような話をする。
↓「1」

↓「2」
↓「3」

「1」の老人、「3」の仮面の人物の発言から、このストーリーは「量子歴史学派」と関係していると分かる。この学派については上記の学派戦争では最初に「予言」をしただけである。
他の箇所でも大した学派とは思われていない。しかし…

書籍:ヘルタの手稿
セプター:推演改

ぜんまいワールド「1」と「2」では、「前時代の遺物」「遺産」の話がされる。それはこの二つのテキストの通り、量子歴史学派の前身、「心理歴史学派」のものではないか?

セプター:推演改によると心理歴史学派は大きな成果を上げたらしい。今では学会のつまはじき者だが、ここには「終焉」の力を持つ何かがあったに違いない。

そして不可知域の一番初めのストーリー、「未来学の集会・その1」ではポルカ・カカムと思わしき人物が登場する。その人物はこう述べている。

【心理歴史学派の墓参りに来た古い友人だとでも思ってください】

恐らくポルカは心理歴史学派とも何か関係を持っている。学派とポルカの両者が「終焉」の力を持つのも、これを裏付けているだろう。

ここで「終焉」について深く考察したい所だが…

「終焉」テルミヌスはかなり特殊な星神で、万物に終焉を与えるだけでなく“未来を遡って来る”。
テルミヌス自身がそのものの終焉を表すため、万物がテルミヌスに出会う事になっているのだが、つまりどういうことだろうか?「時を逆行する」なんてことがあり得るのか?そのパラドックスのような存在がテルミヌスである。

PV:星空の寓話集

パラドックスに関しては上記のぜんまいワールドでも語られる。

【最低最悪です。あなたは自らの信仰によって『終焉』の罠に落とされてしまいました】…【我々のいる宇宙が特大の卜者だったとして、それが自身の運命をひと目でも見たとしたら、果たして自殺を選ぶでしょうか?】
(“テルミヌス自身の終焉”はあるのだろうか?)

【あなたが013文明の終着点を予測した時、セプターは機能しなくなった。それが示し出した未来は文字化けしており、セプターを使って解読しようとすれば運算はウロボロスのパラドックスに陥ってしまうだろう。】…【彼は救いの手を差し伸べ、箱庭に誘導定数を入力した。セプターは機能を取り戻し、箱庭暦 5011年に013文明が燃料不要の推進法研究のために滅びると指摘した。】
(ここでは“終焉の手を加える”事によって無限の生を終わらせている)

また、テルミヌスはそのものの最後の姿であるため「継承者」、「儲君」とも言う。

つまり全く訳が分からないのだが…
「全知域」から考えると“万物の動きから終焉を推測する”ものと見れる。

これを概念を創造する星神の尺度で捉えると、“万物に終焉へ向かう動きを与える”と取れる。
そんな事を言い出すとテルミヌスは「秩序」よりも「貪慾」よりも最初に存在した「起源」とも言える。
つまりテルミヌスが“終わりを与えるために起源から創り出した者”で、「時間」の権化であるということだ。

しかしそんな大層な言われ方はされていない。何故かアーカイブに載っていないし、エントロピーの権化は「壊滅」とされている。なぜ「終焉」に関する話題はこれ程少ないのか?

メインストーリーの核にいる「星核ハンター」はジェイドの口からは「終焉」の派閥であるとされた。エリオは「終焉」の力を以て全知域のように「脚本」を書いているのだろう。何か重大な鍵を握っているのは間違いない。

「終焉」はここでさておいて…
ポルカ・カカムもやはり時間次元に手を加えている存在だろう。ストーリーにおいてポルカは模擬宇宙で過去を演習していただけでこちらの存在に勘付き、直接模擬宇宙内に登場して荒らし回るというトンデモ技術を披露している。

ヌースの「時」や「知識の輪」を「脚本」に置き換えると分かり易い。ヌースの書いた脚本に準ずるために「知識の特異点」を抹殺する。

且つ、前記事で推測した“「神秘」でヌースを騙している”事も行っていると見ていいだろう。もはや設定過多とも取れるが「神秘」の力も持っていても矛盾はしない。
「知恵」「終焉」「神秘」…三種の運命を操る力があるというのか?

「知恵」でヌースの脚本を読み取り、「終焉」で脚本を書き加え、「神秘」でヌースを誤魔化す。

殺した者には「新生」を与えて「時」から救う(その後の様子は見えないが…)。「終焉」的存在なので第一次皇帝戦争~第二次皇帝戦争なんかの数百琥珀紀の間隔であっても自由に現れられる(もはや使令ではないか?)。

また、これは飛躍した推測だが「神秘」の力を使って「知識の輪」の外も見えているのではないか?

知識の輪の外、知識の特異点から先の世界はヌースも計算不可能なもの。其が発するソリトン波で言うなら定数を超えた「時」である。

これは謂わば「神秘」の管轄内では?
これを見れれば未来の良し悪しを判断でき、的確に災害の芽を摘める。

学派戦争はポルカの掌の上で踊らされたものだったが、戦争が起こり、相対認知学派が活躍して疑念の種をパティヴィアに植えたおかげで「自己戴冠」という未知の現象を未遂に防げた。

ここでまた一つ推測だが…
今回の件には天才クラブ#83ヘルタの出発点、「ソルトンアルゴリズムの難題」の証明が絡んでいる。

なぜこれが今回のストーリーにおいて中心だったのか。「凡人と天才の間の深い溝」はなぜ単なる功績の一つではなく、「出発点」だったのか?

これは“天才のヘルタこそがルパート2世、学派戦争に与えた「終焉」から生まれた「新生」だから”ではないだろうか?

抽象的だし百琥珀紀もの間隔があるが、そういう見方もできるのでは。
「終焉」と「新生」が絡んでいないにしても、パティヴィアがソリトンアルゴリズムの難題を提起したのを、ポルカ・カカムが誘導したのが事実なら、両者共に天才の親と言えるだろう。正に「バタフライエフェクト」程度の関係性かもしれないが…

結局の所、ポルカの真意は不明。ヘルタの言ういずれ来る再会、ポルカが描いた「全知域」の未来を待つしかないだろう。


神が期待するもの





ここまで読んできたあなたは「何かおかしい」と気づかなかっただろうか?

実は学派戦争の「偶然」の中には一つおかしいものが含まれている。

いくらポルカ・カカムであっても、この「偶然」…星神の演算を操る事はできない。

では、これはなぜ起こった「偶然」なのか?

このソリトン波を「偶然」見つけたパティヴィアがルパートの墓に赴く事になった。しかし見つけるのも向かうのも誰でもよかったと思う。

ここでルパートの「コア」を見つけ、「自己戴冠」を行う事は確定した「時」だったと思われる。

「自己戴冠」とは何なのか?

この話をするには長い時間が必要になる。

ルパート2世の自己戴冠は遂げられず、パティヴィアも放棄した。自己戴冠の実態は謎のままだ。

しかし、重大なヒントが一つある。それは前回「黄金と機械」にも登場したもの。

「鋳鉄の玉座」…前回の最大の謎である。

↓「黄金と機械」
「鉄」と「鋳鉄」に違いはない。英語では「iron throne」で統一されている。

前記事では、星神そのものに纏わる何かだと推測した。

「憂鬱」が擬人化した女性…「存護」(且つ、古の富の守護者と同一と推測)
「数え切れないほどの富」…「神秘」
「権力を象徴する文字」…「秩序」
「時間を保管する砂時計」…「記憶」
「骨と皮だけになった狂犬」…「貪慾」

また、そこに座る「世界で唯一の富の王」はスターピースカンパニー創始者のルイス・フレミングであるとした。

(前回見落としていたが、狂犬が待つ主人は文脈的に「憂鬱」の女性である。英語訳を見ると分かり易い。しかしその「憂鬱」をクリフォトに、狂犬を「貪慾」に仮定すると、「黄昏戦争」時代に両者は戦っていた筈でおかしな話になる。ではこの女性は得体の知れない何かなのか?)

この仮定を続けつつ、今回の不可知域にも登場した事を考えるとその重要さが垣間見える。

そして「自己戴冠」…これは「鋳鉄の玉座」の上で行われようとしていた。

この二つを繋げ、更に不可知域全体のストーリーにおいて語られた主題の一つを繋げる。

完全進化学派の研究する「完全な学者」、有機と無機の融合。
実はこのテーマは不可知域に限らず、ver.2.6の開拓クエストでも語られた。

有機無機の融合、セプターの統合はルパート2世にもそのまま当てはまる。ではルパート2世の「自己戴冠」は生物の種、及び生命そのものを超越する事だろう。それは「鋳鉄の玉座」から察するに…

星神になる事以外には無い。

ルパート2世の外付け思考器官のセプターシステムは、ポルカが言った「神の思考」…天才が思考のシナプスであり、星神の思考の具現化…それとそっくりである。

パティヴィアは自己戴冠を諦め、ヌースに頼る事にした。それは既存の「知恵」に従属する事を意味する。逆説的に、自己戴冠は既存の「知恵」を超越する事を指す。

現在の知恵に属さない、新たな概念が生まれていたのだろう。星神が宇宙を創造するように。

話はここだけに収まらない。

この「玉座」は前編とされる「黄金と機械」のみならず、最初の模擬宇宙…「宇宙の蝗害」にも登場しているのではないか?

「鋳鉄の玉座」は無いが、「宇宙の蝗害」は「繁殖」の星神タイズルスの誕生から始まる。星神の誕生は「戴冠」と同様である。

「宇宙の蝗害」も以前考察記事を書いたが、そこでは「繁殖」は「秩序」エナが生み出したものとした。これをそのままに捉えると、タイズルスは「自己」ではなくエナに「戴冠」させられたと言える。

このように考えると、実は現在でも全く意味が分からなかった章節がはっきりと繋がりを見せる。

【天外聖歌隊-異象記】では訳の分からない話が続く。「均衡」が現れたり「直角」という表現からエナと互には密接な関係があると推測した。

ここで注目するのは章節「1」だ。

【岩を神の椅子に見立て、その椅子の「直角」の角度を神に謁見する姿勢と定めた──】

【その時の彼は、後に自分が奔流の中で※王冠を戴く※王位に押し上げられるとは思ってもいなかった。】

何者かが「椅子」に乗り、その後「戴冠」をさせられている。
「秩序」と兄弟が何か意味を含んでるのはサンデーとロビンで見た通りである。(もしくはカカワーシャとその姉?)

選択肢

そして椅子に座る兄と殺される弟に分かれる。

これが「玉座」と「戴冠」であるなら、兄は星神になったと言える。
しかしこれは一体誰で、何になったのか?
実はこの文からは最も相応しい人物が推測できる…

【信用ポイントのために働き続けたことで起きた腰痛を治すことはできなかったようだ……】

「黄金と機械」の鋳鉄の玉座では、「古の富の王」が登場する。「主が変わった後~」の描写からその王はカンパニー創始者「ルイス・フレミング」であると推測した。

「信用ポイントのために働き続けた」という文言から、普通のカンパニー社員が想起されるが、「信用ポイントを創り、広めた者」と取っても矛盾はしない。
(ちなみにカンパニーが宇宙全域に拡大するのは蝗害の後、黄金と機械の時代である)

ルイス・フレミングは「富の星神」等と揶揄されるが、星神そのものとは言わずとも、「戴冠」によって本当に星神のような存在になったのでは?(まさか「神秘」ではあるまい)

ルイス・フレミングが星神規模の中でも重鎮なのは、「記憶」浮黎が示している。

図鑑:星神

また、ルイス・フレミングといえば同じくカンパニー創始者の「東方啓行」がいる。
「秩序」の弟がそうであるとしたら二人で創始者なのも納得だが、流石に名前の違いや「手を掛けた」、「処刑台に向かう」という描写から全く別の者に思える。

ただ東方啓行は「黄金と機械」で「すべてを『予兆』のもとに把握している」という超人的な様相を見せる。

しかもポルカ・カカムと組んでいる

超常の能力やポルカ、星神が関わってくると名前や死などはもはや些細な表現に思えなくもない。

更に、これらの文章を「鋳鉄の玉座」、「戴冠」と関連付けるのはこの絵である。

クリフォトのハンマーに虫が殺されている。

この絵は「天外聖歌隊-異象記」に掛けられているものだが、章節の内容とは全く関係がないように見える。

しかし、「岩の神の椅子」を「鋳鉄の玉座」のような星神を創る場所…「戴冠」を行う所だと認識すれば、筋が通る。

この絵は「繁殖」のタイズルスが岩の椅子で戴冠し、その最期にクリフォトに殺されたものである。
岩の上に虫の死体があるが、クリフォトに殺された虫は一匹しかいない。タイズルスその人である。

「天外聖歌隊-異象記」はこの「玉座」…星神に関する話なのではないか?「2」はやはり訳が分からないが、「3」では「均衡」が「秩序」亡き後に何かしらを行う様子が見れる。

これ以上の事はいずれ作る「宇宙の蝗害」の更なる考察記事でやることにする。今だから分かった事、「貪慾」関係等未だに分からない事が沢山ある。

(岩→鋳鉄   への変遷は何だろうか?時が進んで文明がレベルアップしてるのだろうか。マインクラフトみたいになるが…)

ここで不可知域に振り返る。

ルパート2世は「自己戴冠」を行い、星神になろうとした。ルパート2世は失敗したが、ルパートの墓をヌースが計算し、その座標からソリトン波が現れ、誰かがそこに行く手筈になった。
ポルカ・カカムがいなければ新たな星神が誕生していたのだろう。

これが「偶然」であるなら、どうしてそうなったのか?
ルパートの墓は巧妙に隠されていて、ヌースが発したソリトン波が無ければ誰も辿り着けなかった。
ポルカが使った「全知域」の様に、ヌースが「時」を誘導したと言える。

星神の意志を推し量る事はできない。ヌースが言葉を発する事は無い。
しかし…もし「神が期待するもの」があるのなら、この「偶然」にはそれが表されてるのではないだろうか?

──【宇宙の真理が残酷で退屈だとしても、それでも答えを求めるか?】


この「星神への戴冠」は模擬宇宙における全体的なテーマなのではと思っています。「繁殖」の誕生から、「富」のルイス・フレミング、ルパート2世の自己戴冠…
もしかしたら次回もこれに関連した話かもしれません。今の所は時系列に沿っているので(蝗害→皇帝戦争→星間エネルギー戦争)次もそうなるでしょうか。それだともう現在近くになってナヌークの誕生とかになりそうだけど…

「玉座」の話を仮定すると選ばれてる運命もそれに通じる法則があるかもしれません(存護、神秘、秩序、記憶、貪慾)。例えば「憂鬱」の女性以外は「物、獣」なので「他から戴冠させられた」とか…   ここに居ない星神は「自己戴冠」したのか?

また、ストーリーが終わった後に見れるポルカ・カカムのメッセージからアチーブメントの「1:4:9」をゲットできます。

1:4:9というのをGoogle検索すると「2001年宇宙の旅」という超有名なSF作品の「モノリス」というものがヒットします。
(全く知らないのですが)これはwikipediaによると「生命体の進化を促すもの」らしいです。
ポルカの「ある天才」という言葉を踏まえて考えると、これが指すのはやはり「知恵」の運命を造り、「知識の輪」が存在し拡げられるきっかけになった天才クラブ#1「ザンダー・ワン・クワバラ」になるでしょうか。
どうしたらポルカに殺されないのか想像もつきませんが星神を造ってる時点でおかしいのでザンダーなら可能かもしれません。

あと前回「黄金と機械」でポルカがアッハ(アンダトゥール・ザザロ)と組んでいるという考察をしたのですが、奇しくも今回、模擬アッハがポルカに対抗する手段になりました。
もし過去に本当にポルカとアッハが組んでたら…どういう関係になってたんでしょうか?アッハは多分、星穹列車のナビゲーターになってた様に凡人(アンダトゥール)になりすましてポルカと接していたのかも。

「終焉」に関しては、ムチャクチャだけど何か凄い考察を内々にしているのですがそれはまた別の記事にしたいと思っています。

なんでこんなに難しく分かり難い話にするんだという声もあるでしょうが、やはりヘルタの台詞のこれに限ると思います。

終( ·。· )

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