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江戸時代の思い出、の、思い出の話

*以下、ナイロン100℃ 49th SESSION「江戸時代の思い出」の感想をダラダラと綴ったものです。ネタバレはなるべくないように書いたつもりですが、絶対に確実にネタバレを避けたい方は観劇後に読んでください*

ガラスがさぁ……

下北沢・本多劇場でナイロン100℃『江戸時代の思い出』を観てきた。
タイトルとビジュアルが発表された時に、主宰のケラさんが「時代劇はほとんど見たことがない」と仰っていたけれど、そういう時代劇を知らない人から見た時代劇ってこうなるのか!というおかしみに満ちていて、もう終始笑っていた。それはもう最初の歌から(ナイロンの劇伴はすごくいい曲が多いけどこれも最高だった)。

もう何度も言っているからくどいわと思われるだろうけれど、また言いますね。

わたしは大倉孝二さんが大好きなのだ。

それもやっぱりナイロンの舞台に立っている大倉さんがとても好き。登場と佇まいだけで、絶対何かしてくれると観客全員の目を惹きつけられる役者さんってそうそういないはずで、今回の「江戸時代の思い出」でも、無表情で現れただけでもう会場のあちこちからくすくすと静かな笑いが起こった。

そして期待にたがわず笑わずにはいられないあの、独特の間。
三宅弘城さんとの重ねに重ねてどんどん斜め上方向に進んでいく絡みは、そのままこちらをケムに巻いたままブツリと切れたり、想像もしていない方で決着したりする。とにかくどこに進むか観ている方はまったくわからない。

わけのわからないことに巻き込まれている大倉さんがわたしはとても好きなのだ。
困惑している表情と、それが動きになって現れるあの身体の線。

観劇後に、わたしと同じく大倉孝二さんが好きでたまらない沼の民と数時間語らったのだけれど、その時その中のひとりが言った「大倉さんは関節が多いんじゃないか」というのは正しい気がする。身長187cmの長い手脚から繰り出されるあの動き。セリフなしでも動きだけで笑っちゃうんだよなあ。ちょろいなわたし。

わたし以外は若くてかわいいお嬢さんたちですよ、お恥ずかしい

3時間15分(休憩含む)でも全然長く感じなかった。途中の飛び道具のような演出もゲラゲラ笑った。どうだろ、このご時世ギリな線の下ネタも少々グロいところも「どう?おもしろいでしょ?」的な展開ではないせいかカラッとしていて笑えた。

そしてどうしても言わずにはいられない。
みのすけさん。
とにかくすごかった。

3行日記でも書いたけれど、実はわたくし、ラッキーなことに今回、最前列で観たわけです。
大倉さんがあまりに近くて途中酸欠で倒れるんじゃないかと思うくらいにずっと呼吸が浅かったんですが、最前列ってすごい。全体を観るには向いてないけど役者さんの細かい仕草までしっかり見える。

そこでみのすけさんです。

めちゃくちゃ巧い。すっごい笑った。とあるシーンでひとりなのにまるで誰かに引っ張られているかのように、もしくは押されているかのように、後退りするところがあって。それがもう表情やら細かい肩の動きやらとにかくおかしかった。
あのみのすけさんが観られるというだけでも「江戸時代の思い出」は観る価値があるんじゃないかとすら思う。大絶賛。

もちろん他のキャストもおひとりおひとり全員凄いんですよ。てゆーか、ちょっとの、言ってしまえば一瞬の間の違いだけでもおもしろくなくなる可能性がある中で、そのギリッギリのところを全員がキープできてるってやっぱり一流の役者さんが揃ってるんだなあと改めて実感させられました。

リエさんと大倉さんの姉弟コントみたいな一瞬も見られたし、三宅さんのゴムボールみたいな脚の筋肉も堪能できたし、イヌコさんのアレはもうヤバいくらい笑ったし、客演の池田成志さんはもう〜とにかく動きと表情がキレキレで、坂井真紀さんはかわいい上にあんなにおもしろいのはずるい。山西惇さんとみのすけさんの絡みはちょっと忘れられないくらいおもしろかった。奥菜恵さんも意地悪で打算的なのにかわいいおにくちゃんがすっごくキュートだった。

実は大千穐楽のチケットも取ってあるのでもう一回この世界を楽しめる。
ああうれしい。
くっだらなくてばかばかしくて本気で、でもそれを押し付けがましくアピールするわけじゃなく、ある意味さらりと演じているようにすら見えるナンセンスコメディ。それが、始まったばかりの昨日と、最終日の大千穐楽、何がどう変わっているのか変わらないのか、それを観るのも楽しみ。

ナイロンの劇伴を集めた鈴木光介さんのCD!めちゃくちゃいいです!!


そして今回、最前列ということがわかってうわぁぁぁぁ!と大興奮して友人たちに報告したところ、くめこちゃんがなんと推しうちわというものを作ってくれたことはお伝えしておかなくてはいけない。

「江戸時代の思い出」の公演が発表された時インタビューで大倉さんが、どうやら自分が入団30周年らしい、と発言されていて、それを聞いた例の沼の民の間で推しうちわを作るか!と盛り上がった。でもそんなことも記憶の彼方に流れていた頃になって降って沸いた最前列。
大倉さんの入団30周年記念の年の公演で最前列、なんてこれはもう二度とないチャンスじゃないか。作らなきゃ!そして振らなきゃ!!と友人たちの熱い声援を受けてわたしはくめこちゃんが作ってくれた大倉さん推しうちわを持って下北沢・本多劇場へ行ったのだ。

結果ですが。

出しましたよ、そりゃもう勇気を振り絞って。
カテコの大倉さんはいつも深々とお辞儀をしてホントーーーーに淡々と一瞬のファンサもなくにこりともしないのですが(そこが好きなんだけど!!!)今回も例外ではなく。
そしてわたしは下手の最前列、残念なことに大倉さんが立たれたのは上手。
まったくお目にとまることもなく人生最初で最後の推しうちわはその役目を終えました。
で、ですね。
パンフレットを先ほど熟読していたら、大倉さんのプロフィールのとこに「1995年ナイロン100℃に参加」と書いてありまして。

オモテ

………えーと??


オラ!来年じゃねーか!30周年!恥ずかしいっつーの!!


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