【オフィスのコミュニケーション改善術】第二話 ケチなプライド
🌟前回までのあらすじ🌟
ずんずんさんはお局様に悩まされていた。
お局様に対して「可哀そうなアタクシのことを分かってくれる理解者」になれば、この状況は打破できるのでは…?と考えたが…?
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なりたくね~…。
私は煩悶した。
あの人間的におかしいお局様に媚びて、おべっかを言うのがどうしても許せなかった。
「あいつはおかしいんだ!」と心が怒りながら叫ぶのが聞こえる。
しかし…。
ここで私は考えた。
そんな人の下で働いている自分も「同じ穴のムジナ」じゃないだろうか。
「あの人はおかしい」と職場で隠れて同僚と愚痴り、プライベートでも愚痴り、人の悪口ばかり言っている。
隠れて言うか、表だって言うかの違いはあるけれど、悪口ばっかり言っている事実自体は、お局様と何ら変わらない。
私は自己嫌悪に陥った。
こんな穴から這い出たい…。ムジナから人に転生したい…。
誰も優しくなく、足を引っ張り合い、罵り合う…こんな環境から抜け出したい…。
そんなことを考えながら、私は今日もマネージャーやお局様に罵られながらオフィスを出た。
まだ時間は早く、気分が落ち込み過ぎて、まっすぐ帰る気になれない。
私は、何とはなしに、本屋に立ち寄った。
一体どうすればいいんだ…。
私の頭の中は、お局様のことでいっぱいである。
まるで恋でもしているかのようだ…()
本屋の中をぐるぐると徘徊していた私は、平積みにされている一冊の本に気がついた。
綺麗な緑の表紙をした本だった。
タイトルには「絶対に成功を呼ぶ25の法則」と書かれていた。
『な、なんつう凄いタイトルだ…。せ、成功してぇぇ!!!!』
と私は思わずその本を手に取った。
今思えば、この本が私の人生を変えたのだった。
この本の著者はジャック・キャンフィールド、世界的に有名なアメリカ人のコーチである。
その本を開くと、いきなりこう書かれていた。
’’自分の人生に全責任を持ちなさい’’
その言葉になぜか私は驚いた。
『全責任を持つってどういうことだ?』
と私は読み進めた。
‘’実際、我々は自分の生活に気に入らないことがあると、自分以外のものを責めがちです。両親、上司、友人、マスコミ、同僚、取引先、妻もしくは夫、天気、経済、星占い、金欠病…。誰でも何でも手当たり次第に責任をなすりつけようとします。
しかしそれは、問題の本質を見つめたくないからです。
つまり、我々にとって一番の問題は我々自身なのです。
理想とする生活や成果が得られない原因を、自分以外のところに求めるのはそろそろやめましょう。自分の生活レベルや仕事の成果は、あなた自身が作り出したものなのです。’’
私は頭を強く殴られたような気分になった。
特に、
’’自分の生活レベルや仕事の成果は、あなた自身が作り出したものなのです。’’
という一文が私の胸に突き刺さった。
日々お局様の愚痴を言い、仕事終わりにボーっとしながら本屋を徘徊しているのも私が作り出した状況なのだ。
本当はこんな状況嫌なのに…。
本当は「愛されハッピー丸の内OLにゃんにゃんライフ」を送りたいのに…!!
このままでいいのか!
いや、イクナイ!!!( ー`дー´)キリッ
このままやられっぱなしで、人生終わっていいのか!
またメンタルやられて惨めに会社を辞めるのなんてヤダ!!!
それに、お局様には閉塞した現実しかないが、私にはまだ未来がある。
お局様がこの先一生見ることができない景色を見ることだって可能なはずだ。
つまらないプライドのせいで、その未来を消していいんだろうか?
私はマネージャーのことを思い出した。
マネージャーも35歳ぐらいで、お局様より大分年下だ。
お局様もマネージャーの事を馬鹿にしまくっている。
お局様はマジで酷いんで、マネージャーの配偶者までDisっている。
悪口の感度が違うぜ…。
マネージャーもそれを知らないわけはないだろう。
それでも、マネージャーは表面上はきちんとお局様をリスペクトして、仕事で分からないことがあればお局様に相談し、媚び媚びペコペコしている。
偉い人もそんなことをやっている…。
それに比べて私は何だ…。
仕事もできない、英語もできない、大学だって超一流大学を出たわけじゃない、偉いわけでもない…。
何にも持っていない癖に、プライドだけ持ち合わせているのか…?
私は深いため息をついた。
とりあえず、ダメ元でもお局様に対して「可哀そうなアタクシのことを分かってくれる理解者」になってみよう。
媚び媚びペコペコしてみよう。
そして、お局様から仕事を盗んで、この地獄から抜け出すんだ…!
私は決意した。
そして、立ち読みした本を買った。この本は今もずっと持っている。
🌟🌟🌟
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