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30年以上昔のアルバイト話。今考えると「ない」ことがいっぱい。

こんにちは、ご訪問ありがとうございます。
今日は初めてのバイトの話。

高校1年になったばかりの頃、なのでかれこれ30年以上前のことですが、今思えばなかなかの昭和とか平成なりたての時代を感じる話。

本当は中学の友達がバイトを始めたケーキ&喫茶のお店で友達と一緒にバイトしたかったのだけど、父は「喫茶店?ダメ!」と反対。ヤンキーの溜まり場みたいなところをイメージしていたのか。どちらかというとオーセンティックなケーキ屋さんなのに。

父にいくら説得しても無理そうだったのでケーキ屋のバイトは諦めた。
そんな頃、中学の時に通っていた塾に遊びに行ったら、先生に「受付のバイトしない?」と言われ。

そして、帰宅してから父に聞くと「塾ならいい」というではないか。
塾ならいいんかい!
おそらく塾はキケンな場所でないというイメージがあったのだろう。めんどくさい父だ(笑)。

で、めでたく初めてのバイトを開始。時給は高校生ということもあり、700円くらいだったかもしれない。週に2日、3時間程度。
でも、バイトができる!それだけで私は嬉しかった。
出勤するとタイムカードを打刻。タイムカードってもう今ないよね?

塾の受付の仕事は月謝の徴収や集計をして帳簿につけたり、資料のコピーを取ったり。文具の管理などのちょっとした雑務や受付周りの掃除もした。忙しすぎず、暇すぎず、そんな仕事だった。

月謝は口座振替ではなかったので、月謝の徴収は月謝袋に現金を入れたものを生徒が持ってくる。月謝袋に日付ゴム印を押し、帳簿用ノートに記載。
その頃はパソコンなんてものは受付にはない。エクセルなんてもちろんないから月謝の集計は電卓を使って計算した。

月末などは現金が机の中に100万以上あることも。
当時、駅近くの雑居ビルの2階にあった塾の入り口には鍵なんてないし、入り口は誰でも入って来れる。授業中は講師陣も教室にいて受付にはぽつんと一人。ガラス扉で中は丸見えでひっそりとしていたから、なんならケーキ屋よりよっぽど危険(笑)。郊外の治安の良いエリアだったというのもあるけど、怖い目にあったことは一度もなかった。のどかな時代だったなぁ。

札束の数え方もこの時に教わった。高校1年生が何十万円も手に持って数えるのはなかなか貴重な経験だったと思う。

塾の仕事には、電話番もあった。電話応対の基本も教えてもらえた。メールやLINEはおろか、携帯やポケベルもないから、いろんな人からいろんな人宛てにかかってくる。
本部や他の支部からの連絡を受けるほかにも、生徒の家庭に電話して保護者面談のアポ取りをしたり、月謝を払い忘れている保護者にソフトに督促する電話もした。

ある日、保護者から連絡があって、「うちの子、最近全然やる気がなくて困ってるんですぅ」と電話を受けたこともあった。
保護者は私をすっかり社員か何かと思っていたようで、マシンガントークは止まらない。

今更「私は受付の者ですので、授業が終わったら先生より折り返しご連絡いたします」、と言う一瞬の猶予も与えられない。なので誠意をもってとめどなく語られる悩みを聞いて「そうですか。。。」「そうですか。。。」と相槌を打ちまくるしか術はなかった。

保護者は誰かに話を聞いてもらっただけでスッキリしたのか、私は最後まで「先生から折り返しご連絡します」と言う機会を与えられないまま、お礼まで述べていただき電話が終わった、なんてこともあった。

まさか、電話口の向こうが、自分の子どもと一歳しか年が違わない者が対応しているとは夢にも思っていなかったことだろう(もちろん先生には報告したけど)。

電話応対も学んだし、お金の勘定も、電卓を打つのも早くなった。実務経験面で有意義なバイトだったかもしれない。父はそこまで見据えていたかどうかは疑問だけど(笑)。

中3まで通っていた塾だったので、塾の先生方はみんな知っている先生ばかりで人間関係の悩みもなかった。アルバイトの講師の先生や別の曜日を担当する受付のお姉さん方は大学生だったので、みな、塾の卒業生であり最年少の私をとても可愛がってくださった。

当時の世の中はバブル&女子大生ブーム真っ盛り。一段と大人に見えたキラキラ楽しそうな大学生たちを見て、早く私も大学生になりたい!と胸を膨らませていたのだが、私が大学生になった途端、バブルも崩壊して世間は女子高生ブームとなり、網の目を掻い潜るように世間から注目されない世代となった。
(さらに、我々世代はそのまま就職氷河期を進むことになった(笑))。
まあそれはそれで打たれ強さが身についたからいいのだけど、あの頃の大学生ってホントにキラキラしていたなと、今でも思う。

初めてのバイトは、楽しくていい仕事場だったので、以降、働くということにとても前向きな気持ちを持てたのだと思う。ありがたい限りである。

今でも何人かの塾の先生や講師の方とはフェイスブックなどで繋がっている。なかなかお会いできる機会はないけれど、みなお元気で過ごされていて嬉しい。

#はじめての仕事

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