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IR-DX SaaS 「Hooolders」開発秘話(その1:株式分割)
みなさまこんにちは。
FiguroutでIR-DXツール「Hooolders」のプロダクトマネージャーをしておりますZumiです。
今回から、「プロダクトから見たIR」という切り口で、Hoooldersの仕組みや開発話、また自分が勉強したIR関連の情報等について記事を書いていこうと思います。
まずは簡単に「Hooolders」のご紹介をさせて頂きます。
「Hooolders」は企業の経営者・IR担当者向けに作られたIR-DX SaaSです。
プロ投資家向けのサービスは数多くありますが、企業のIR担当者が利用するのに最適なサービスがなかったため、 その領域を埋めるべく約1年前に初回製品版としてリリースされました。 (現在1ヵ月の無料トライアル実施中です!)
さて、このHoooldersですが、世にある多くのサービスと同様に、実はリリースまでに多くの困難がありました。
今回はそのうちのひとつ、「株式分割」への対応についてご紹介させて頂きます。
株式分割は、みなさまご存じの通り、1株を複数に分割し、企業が自社の発行済み株式数を増やすという「資本政策」のひとつですが、実はこの施策、システム的にはとても厄介なイベントなのです。
というのも、Hoooldersでは、株価をはじめとした様々な「指標」を取り扱っており、株式分割による「発行済み株式数」の変更は多くの指標に影響を与えます。
例えば、「予想PER」や「時価総額」など、計算式に「株式数」が用いられる指標は、分割が行われる度にその値を更新しなければなりません。
また、直接的に影響を受ける「株価」についても、過去チャートとの整合性を取るために技巧的な操作が必要です。
例えば、ある日(X日)の株価が1000円だった銘柄があるとします。この銘柄を、翌営業日(X+1日)に1:2で分割した場合、X+1日の株価は半分の500円になります(逆に発行済み株式数は2倍になります)。
これをそのまま時系列でチャート表示すると、数値上は株価が突然二分の一になるため、初見の利用者からすれば、株価が大きく下落したように見えてしまいます。
そこで、Hoooldersでは「過去の」株価を同じ分割比率で除することで、株価の連続性を保ち、上記の誤認が起きないようにしています。
これを巷では「調整済株価」と呼んでいるのですが、この数値が反映されることで、 今度は(過去の株価が調整されるため)株価を計算要素に持つ各指標(予想PERや実績PBRなど)も再計算が必要となり、一連の指標更新はシステム的には更に複雑になります。
このように、「株式分割」というイベントはひとつでも、その影響範囲は多岐にわたるため、システム的な数値反映ロジックを造る際は、担当のエンジニアの方と一緒に仕様検討⇔テストを何回も繰り返してようやく実装にこぎつけることができました。
その苦労もあってか、リリース後の初回の分割イベントで対象銘柄の株式分割がうまくチャートに反映された際は、ちょっと嬉しかったです(ほっとしたが大半を占めてましたので笑)。
というわけで、今回は「株式分割」についてプロダクト観点で記載してみました。こんな感じで、IR業界・金融業界の一端を、一塊のPdMが淡々と話すような記事を今後も書いていきたいと思いますので、皆様暖かい目でお付き合いください。
ご一読頂きありがとうございました。
非常に使いやすいサービスとなっていますので、 是非この機会に一度「Hooolders」を ご利用してみてください!
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