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すべて同じにしたくなるのが人間。

障害とコンディションは異なる。

あるアメリカ人の医師が書いたADHDに関する本を読んだ。
読み進むうちに「ふむふむ、なるほど!」って思える事が山ほどあった。
つまり「これって自分の事かも」と思えるようなエピソードの連続。

例えば

何か作業をしている時に周りの音が気になって集中できない。
飛行機の中で隣の席にすわる友人と会話しているのに
少し離れた席の人達の声だけが耳に入ってくる。

あった!あった!そういうの・・・

字がきたない。ADHDの兆候の一つらしい。
Daniel Amen医師の25万人の脳をスキャンしてきた
スタディーからの結果らしい。
手書きの文字がきれいな人にADHDは少ないらしい。
ホントか!
でも、結局私はADHDチックなところがあっても
ADHDでは無いと周りは言う。
というか、今更それを知ってどうするねん!という意見を聴いたとき
胸につっかえていたカレーの中のジャガイモが
ストンと落ちた。

ハリウッドにあるブリッジズ・アカデミー

以前私が経営していた語学学校の一部を間借りしていた
ブリッジズ・アカデミーは世界中から入学希望者が絶えない。
ここはADDやADHD,アスペルガーなどのコンディションを持った
小学生から高校生までの一貫教育の学校。
学費は年間でかるく700万円を超える。
ただし、この学校に入れるのはIQが平均以上というルールがある。
あれ?全員を救ってくれないの?、、、と思った人もいるでしょう。
特別支援教育。英語ではSpecial Education。はすべての対象者に平等に手を差し伸べるものではない。一人ひとり個性があり、アスペルガーのスペクトラムも生徒によって様々。だから同じ基準で対応できない。ブリッジズ・アカデミーではもっとも優れた生徒(アカデミックに)がある特定のコンディションがあるが故に普通の学校でいじめられたり、はじき出された生徒たちに
彼らが自由に学べる環境を提供している。発達心理学の専門家が校内に居て
生徒一人ひとりに適切なカリキュラムを作っている。教師は全員
Special Educationの修士もしくは博士課程終了者。

IQ150。でも、トイレの流し方がわからない。

ある中学生は数学の天才。大学レベルの高等数学を
スマホでゲームをしながら解いてしまう。
でも、トイレの流し方は何度教えてもできない。
受業中は野球のボールを放さず、何度もボールを空中へ投げては
落ちてくるものをキャッチする。これを何百回でも繰り返す。
それでも先生の言っていることは全部聞こえているし、
全部理解して、記憶している。

こういう特殊な条件を持っている生徒たちは
自由の国アメリカでもいじめられる。
居場所のなくなったこども達はホームスクーリングで勉強を続けるか、
そのままドロップアウトしてしまう。

大学教授の息子。

彼は日本で当時中学生だった。
父親は国立大学の教授。
日本の学校でいじめられて行き場を失い
父親が見つけたブリッジズ・アカデミーが受け入れることになった。
最初は他の生徒たちとうまくコミュニケーションが取れなかった。
英語がネックになっていた。

でも、1年ほどの間に彼は日常の生活に必要な英語を身に着けた。
友達もできて一緒に遊んだり、勉強したり。だんだんと仲間が増えてきた。そのあたりから彼の成績はみるみる向上し学年でトップクラスになった。

何をダラダラと書いているかと言えば


ADHDであろうがその他の発育障害と言われるものを背負っていようが
そんなものは障害ではない。
スティーブ・ジョブスだってADHDだったし、イーロン・マスクも同じ。
彼らが一般の人と違うのはADHDを持っていることではない。
小賢しい優等生と違ってぶっ飛びに突き抜けた才能やパッションを持っていることだ。ついでに言うと小賢しい社長やビジネスパーソンは大した成功を収めない。せいぜいお金を稼ぐくらいのレベルで終わる。
スティーブ・ジョブスのように世界を変えるような人物は小賢しい人間ではない。

多重知能

ハーバード大学にて発達心理学を専門とするハワード・ガードナー教授が唱える多重知能がおもしろい。人には8つの知能がありそれぞれ人によって
偏りがあると言う。

  1. 数字に強い

  2. 言語に強い

  3. 身体能力が優れている

  4. 良い人間関係を構築できる

  5. 自然についての深い理解がある

  6. 自己覚知に優れている

  7. 絵やビジュアルに優れている

  8. 音楽に優れている

以上の和訳は正確ではないかも知れない。
英語講師なのに翻訳と文法が weak だと
自分の子供たちに言われている。😁
(二人の子どもたちはアメリカ生まれ、アメリカ育ち)

ここで私の話。

人生そのものがバイト(パートタイム)だなって思う。
たかが数十年から100年ほどしか無い寿命の中で
何をどうもがいたところで地球にも宇宙にも影響はないと考える。
だから、何なんだ!って言われたらそれまでだけど、
要は私自信がやりたい事だけをやるステージに入ったという事。
経済産業省のアメリカの出先機関のアドバイザーもすれば
人材育成の講師、セクハラ、パワハラ、差別防止セミナー講師(カリフォルニア州のみ)などもしているバイト人生。

バイトの中に某アメリカの製造会社
まあ、日本で言えばTOTOみたいなものを作っている
企業でデザインと販売の仕事をしている。
自宅からクルマで6分の通勤は以前と異なり
フリーウエイの上で人生を無駄にする事もない。

ここで仕事を始めてからわかった事は
私のデザインの才能、知識、経験などは
ほとんど必要ないという事。
それよりもデータエントリーが正確に速くできる事を
求められる。この作業に美しさや何の感動をも見出だせない
私はエラーの連続で自分の子供くらいの年齢の同僚から
面倒くさいオッサンと思われている。

仕方ないでしょ。

得意な事を生かさずに、不得意な分野が
仕事の内容の7割(時間的に)くらいを占めている。
これは不健全極まりない。

ファイブ・スター!★★★★★

時折デザインを含めた問題解決ができたとき
クライアントが大喜びする。
おかげてグーグルの口コミで「★★★★★」を
29個もらった。(自慢になるけど、社内で一番!(笑))

でも、、、、

できない。データエントリーやら
オーダリングシステムやら
出荷やら返品やら、、、、、、などなど。

いや、できないわけではないけど
若い人たちの半分のスピードと正確さ。

強みというものは

その人が得意な事だと言うけれど、
一歩進んで考えればその人を強くする事の意味だと思う。
弱みはその反対。その人を弱らせてしまう事。

こういう事を解っていない
若いマネージャー達は目の前の現象にだけ囚われて
根源的な原因を見逃す。いや、若いマネージャーでなくても
オッサンやオバチャンの場合もたくさんある。

人にはそれぞれ強みと弱みがある。

でも、以前私の経営していた会社の従業員で
8つの多重知能すべてが非常に高いレベルの人がいた。
「高校の時の得意科目は何だった?」
「特に無かったです。全部普通に出来ましたから。」
いや、普通は謙遜でしょ。学年で5番以内に入る人だから。
彼はアカデミックに優れた人だけではなかった。
人として非常にセンスの良い従業員だった。
めったに居ないタイプの人間。

話を日本に戻せば、、、

日本人は何でもみんなと一緒という事を求める。
養老孟司先生によれば、
狭いところにたくさん人が居れば
勝手な事をする人がいるとバランスが崩れる。
だから同じようにしろと。それが当たり前だと
思うようになるらしい。

もともと、生まれた時から個人個人
顔も声も性格も才能や知能、癖なども違っているのに
同じようにしようとするのは無理だと思う。

世界的に有名なチェリストのYo-Yo-Maは


ある子供の演奏会に招かれて一人ひとりの
演奏を聴いたあと、それぞれの生徒に
「今あなたの弾いたミュージックは
あなたにしか出せない音だったよ。
世界中にあなたと同じ音を出せる人は一人もいない。
だからそれを忘れずに音楽を続けてください。

こんなに自信と勇気をもらえる言葉ってあるんだろうか!

自信、勇気、希望

私の好きな言の葉たちよ。

データエントリーで疲れたオッサンの独り言、、、

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