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【読書感想文】『永遠の出口』(森絵都)を読んで(392文字)

 青春を描くのってすごく難しいのに。この作者は目に見える分かりやすい部分から、直視するのも憚られるような毒々しい悪意まで、なんと鮮やかに描き出していることだろう。
 小学生から高校生まで最も多感な時期を1人の主人公にフォーカスして書いた作品。こんなことあったかもなぁって感じる場面がたくさんあり、青春って意外とみんな似てるのかなって思う。
 仲間外れにして、仲間外れにされて、クラスで団結して、ちょっと旅に出て、グレて、恋をして、家族と話して、社会に出て、懐かしい人に出会う。格好つけて、ひどく落ち込んで、わんわん泣きわめいて、また立ち直って、心から笑っていく。
 いろんな人生があって、いろんな感情を持って、疲れて走って立ち止まる人生。この世に生を受けて良かった。明日はまた予想できないことが起きるだろうけど、揺られながらうまく流れていけたらいい。生きてることが更に実感できる一冊でした。


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