
春の思い出
今朝、ニュースをみていた時、スタジオのバックにいけてある花に目が留まりました。
生け花には、春を感じるピンクのスイートピーや、菜の花と一緒に、
ネコヤナギが。
私はそのネコヤナギに目をとられて、
過去の情景が目に浮かんでニュースの内容がまったくはいってこなくなりました。
ネコヤナギは、私にとって春の象徴でした。
雪深い地元では、朝の冷え込みがきついこの時期、春に近づくにつれ、
雪の表面が氷のようにカチカチに固まって、雪の上に乗ることができるのです。
わたしはそれをとても楽しみにしていました。
普段なら、田畑に雪がこんもりとあちこちに積もっていて、
雪の上に乗ろうものならズボッと雪の中にはまってしまうので、
こんな日は、特別な朝なんですね。

小さい頃は、その特別な朝がとても大好きで、弟を連れて
普段なら雪で絶対いけない田んぼの上や山など、あちこち歩きまわったり、探検したり。
ネコヤナギは、川沿いにはえていて、雪が沢山積もっていて本来なら見にいくことができません。
ですが、雪の表面がカチカチに凍ってる朝だけみにいくことができる特別な日。
田んぼの端っこまでいくと、冷たい川の水が流れ、
川の側まで積もっている雪の間から、枝の先にふわっ・・と、
それこそ猫のような丸い花?芽?がついているネコヤナギ。
なんとも、ほっこりする光景でした。
私はネコヤナギの側に行き、手袋を脱いで、
そのふわふわしたところを触って、柔らか〜いと、楽しみました。

季節は、そうこうしているうちに、フキノトウが芽吹き、雪がどんどん解けて春になって行く。
ネコヤナギを見ていた頃は、まだまだ雪が沢山積もって春を感じられる状況ではないですが、
特別な日にしか見に行くことができない、冷たい氷の世界のなかに、ふと、春を感じさせるほんわかとした光景でした。

余談ですが・・・
とても懐かしくて、(都会育ちの)夫に、「ネコヤナギってしってる?」と声をかけると、
「天才バカボンの歌にネコヤナギってでてたな」という答えが返ってきて、
住んでいるところでこんなにも思い出が違うんだなぁと思わされました。