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#1友人と私

友人と私は約10年の付き合いになる。
今では家族ぐるみで仲の良い、近所に住む貴重な私の友達である。
ここでは友人のことをA子と呼ぶことにする。
A子は私より歳が少し下の30代。
夫と子どもの4人暮らし。

はじめに断っておくが、私はA子のことが大好きだ。
大人になってからできた友人だが、これからもずっと関わりたいと思っている。
小柄で可愛くて料理が上手で優しい。
かわいいものが好きで、そんなかわいいものが好きな自分のことが大好き。
そんなA子。

私たちは出会った頃ほとんど同じ境遇だった。
生活レベルもほぼ同じ。
住んでる地域も子どもに対する熱量も。
育ってきた環境もそんなに差異ないと思う。
だから私にもわかるのだが、小さい子を持つ母親は同じような思考に陥りやすいと思っている。

●夫の稼いでくれたお金でやりくりしなきゃ。
少しでも節約しなきゃ。私も働きたいけど子どもが小さくてむり。でもお金が足りない。あと月に数万円あれば楽なのに。私も好きなものが買えるのに。
●どうして他のママたちはあんなに輝いているんだろう。あと人の旦那さんはきっとすごく稼いでいるんだろうな。いいな、羨ましい。私ももっと自分にお金をかけたい。良い家に住みたい。子どもにたくさん習い事をさせたい。余裕がある暮らしをしてみたい。
●夫は仕事から帰っても私が言わないと家事をしてくれない。暴力されてないしお金も入れてくれるのになぜ私はこんなに不満が溜まるんだろう。私ばっかり大変。私ばっかり我慢してる。もっと子どもと関わってほしい。私のことを労ってほしい。でもそんなこと言えない。だって私は働いてないし。なにも取り柄がないし。

良いママを演じて疲れて、家ではそのギャップに嫌気がさすけど、それがここでの普通の暮らし。
この頃、A子と私ともうあと2人の4人グループで仲が良かった。みんな同じような価値観の友人。私たちは子どもも交えて多くの時間や悩み喜びを共有した。子どものこと、夫のこと、何時間でも話せる癒しの存在だった。

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