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最短でファイナルシーズンに追いつくためのエピソード20選/『ザ・クラウン』

 ついにファイナルシーズンのパート1が本日から配信となった『ザ・クラウン』。

 全6シーズン・60エピソードと、それ以上のシーズンとエピソードを重ねてる海外ドラマは沢山ありますので、海外ドラマファンからするとなんてことないかもしれませんが、これから観ようとなれば、さすがに結構な時間になります。

 自分もニワカではあるのですが、ファイナルシーズンに早く望みたい!という方のために最低限抑えておくべきエピソードを紹介します!


英国王のスピーチ

 早速エピソードじゃないのですが、まず抑えておくべきは、第83回のアカデミー賞作品賞を受賞した『英国王のスピーチ』です。

 『ザ・クラウン』の主人公であるエリザベス2世の受難はここからはじまりました。
 なぜならエリザベスの父、ジョージ6世は次男であり、継承順位は2番目。兄であるエドワード8世が王位を継承すれば、その次は兄の子がそれに続くことになるからです。

 つまり、エリザベス2世が王位を継承することは決定事項ではなかったのです。

 この映画は、そんなエリザベスの父、ジョージ6世がほんとうの意味での「王」になるまでを描いた映画です。

シーズン1

エピソード2/国王崩御

 早くもエピソード2でエリザベス女王が爆誕することになりますが、早速スキャンダルも発生。
 それはエリザベス2世の妹、マーガレットの不倫。

 自分の世代では、現国王チャールズとカミラの不倫を発端にしたダイアナとの離婚が一大スキャンダルとして記憶に新しく、「イギリスはぶっ飛んでるな!」という印象を持っていると思いますが、この出来事は1952年ごろの話なので、その30年ほど前の話です。

 まだ始まったばかりのドラマシリーズでいきなり大スキャンダルがぶっこまれるので、「このペースで大丈夫?」と思いますが、全然大丈夫なのがまたすごい。

エピソード4/神の御業

 シリーズ全体の鍵となるのがこのエピソードです。

 世界史の授業に出てきた「君臨すれども統治せず」をどう彼女が体現していくのか。
 政治には介入しないものの、国民のことを考えれば、「何もしない」ということがどんなに難しいかをシーズンを通して視聴者は理解していくことになります。

エピソード7/知識は力なり

 ダイアナの悲劇を知っているひとたちからすると、エリザベス女王はあまり好感度の高い人物ではありません。

 ところが『ザ・クラウン』を観ていると、エリザベス2世にどんどん親しみを感じていき、ひとつのピークを迎えるのがこのエピソードです。

シーズン2

エピソード16/暴かれし過去

 シーズンをとおして最も衝撃的なのがこのエピソード。

 ずっと眼の上のたんこぶであった父の兄であり、元国王であるウィンザー公との関係がここでようやく精算されることになります。

 日本でもファッションアイコンとして取り上げられることもある彼への見方が180度変わると思います。

エピソード18/親愛なるケネディ夫人

 エリザベス女王の在位期間は約70年ですので、JFKとのエピソードがあるのは不思議でもなんでもないのですが、またアメリカの象徴的な大統領が登場すると、やはり気分が上がります。

 そして現代的なジャクリーンとの対比も、封建的にならざるを得ないエリザベス2世の存在を際立てることになります。

エピソード19/父として

 現国王チャールズがなぜそうなのかを垣間見ることができるエピソードですが、このストーリーを持ってしても、チャールズに好感を抱くことが難しかったです。

エピソード20/謎の男

 ここまで観続けていると思うことがあります。
 フィリップ、やべえと。

 フィリップというのは、エリザベスの夫であり王配です。
 元ギリシャの王子であり、それもあってか大変プライドの高い人物です。

 品行方正を体現しているようなエリザベスに対し、失言も少なくありません。

 その決定打となるのがこのエピソードです。

シーズン3

エピソード23/悲劇の波紋

 自分はこのエピソードではじめてフィリップに共感しました。

 逆にこれを境にエリザベスへの違和感を感じていきます。
 シーズンを重ねるにつれ、現在のエリザベス女王のイメージに近づいていくのがこのドラマシリーズのすごいところです。

エピソード28/宙ぶらりんの男

 ここであの"カミラ"が登場します。

 そしてあのウィンザー公が再登場。
 彼を訪ねてくる後の昭和天皇も出てきますが、その俗っぽい言動により、イギリス人は『ザ・クラウン』を観て複雑な感情を抱いているだろうなということを私たちも感じることができます。

シーズン4

エピソード31/女王の護衛

 イギリス初の女性首相となったサッチャーがここで登場。
 そしてついにダイアナが登場します。

 この後サッチャーとの対立がシーズン通して描かれていくことになります。

エピソード32/バルモラルの関門

 登場2回めにして、ダイアナがフィーチャーされるエピソードです。
 いまもダイアナが忘れられない存在であることが、非常によくわかります。

 このエピソードを境に、ダイアナにどんどん魅了されていくことになります。

エピソード33/おとぎ話

 ダイアナに魅了される一方、チャールズへの嫌悪感はエピソードを重ねるごとに増していくことになります。

 そしてカミラもまるで脚本家が作り上げたような完全なるヒールになっていきます。

エピソード36/無主地

 ダイアナが追い詰められていく一方、その輝きは増していき、世界中でダイアナフィーバーが巻き起こります。

 このあたりから完全にダイアナに感情移入していくことになり、エリザベスから心が離れていきます。

エピソード37/世襲の原則

 『英国王のスピーチ』で、エリザベスの母である「エリザベス」を演じたヘレナ・ボナム・カーター。

 その演技で二度目のアカデミー賞ノミネートを獲得したヘレナが王女マーガレットを演じてちょい役で済ませるわけがありません。

 エピソード16と同じく英国王室の陰の部分を描いています。

エピソード38/48対1

 サッチャーとの対立がフィーチャーされ、エリザベスへの応援の気持ちが戻ってくると思いきや、このエピソードで完全にその思いが消え失せます。

シーズン5

エピソード43/モーモーと呼ばれた男

 ダイアナのフィアンセと言われているドディ・アルファードの父の半生を、ウィンザー公とのエピソードと絡めながら描いています。

 ここでダイアナへの好感度がピークに達する一方、エリザベスへの嫌悪感もひとつのピークを迎えます。

エピソード45/前途

 「カミラゲート」がついに登場。

 改めてその内容を聞くとまじで気持ち悪くて、当事者のチャールズが国王であるイギリス人に同情を抱かずにいられません。

エピソード47・48/どっちつかず・火薬

 離婚する決定打となった、ダイアナがBBCのインタビューを受けるまでの過程を描いています。

 そして最近になってわかったこのインタビューの「真実」についても描かれています。

本日の一曲

 なんとか映画1本+20エピソードに抑えましたが、他のエピソードもとても面白いです。なんせ予算のかけ具合が半端ないですから。

 紹介しなかったエピソードを観ていると、より楽しめるようになるのがビリー・ジョエル『アップタウン・ガール』。

 まぁ英国王室マニアからすれば周知の曲であるとも思いますが。

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アカデミー賞マニアのひと・デザイナー|ナッカ・ザッカーバーグ
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