【後編】予告編/特報/トレイラー/ティザーの違い
映画の制作過程と日本の予告編の違いについて解説したのが前回。
まず『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』の例を見てみましょう。
『アバター:ウェイオブウォーター』
公開は2022年12月16日です。
まずこちらの'TEASER TRAILER'の公開が、2022年5月9日。
公開の約7か月前です。
その後8月24日に'BACK IN THEATRES'というタイトルで"予告編"が追加で公開。
10月22日以降に'FEATURETTE'というタイトルでいくつか動画が配信されています。
そして11月2日に'TRAILER'が公開。
その後11月22日にも別の"TRAILER"が公開されました。
ハリウッド映画の"予告編"の種類
『アバター〜』の例を見ると、予告編は以下の種類となります。
このうち、'BACK IN THEATERS'はコロナを経て意識されたもの。(その役目は完全に『トップガン マーヴェリック』に奪われましたが…)
'FEATURETRETTE'は「短編映画」という意味で、『アバター〜』の美術や技術などのいずれかにフォーカスし、「こんなすごい映画ですよ!」とアピールするものですので、技術的にすごい映画や大作じゃないと作られないものなので、除外します。
Teaser TrailerとOfficial Trailer
ようは日本の「特報」と「予告編」同じです。
Teaser Trailerが撮影前後に制作されるのに対し、Official Trailerは撮影後に制作されます。
そして時間も同じく、Official Trailerのほうが長いです。
Teaser Trailerを'Teaser'と表記することはありません。
というのもTeaser/ティザーが、「予告編」を表す言葉ではなく、マーケティング手法を表す言葉のためです。
なのでティザーサイト、ティザービジュアルなんていう言葉があります。
このあたりの解説はマーケティングの専門家の方にお任せします!
横文字大好きなのに変わらないですね
予告編/特報とOfficial Trailer/Teaser Trailerの役割は変わらないのに、横文字が横行している日本で変わらずに使われ続けているのは面白いですね。
役割だけじゃなくて、時間の考え方も、予算を投じているとやたら作られるのも同じ。
そんな中、事前にポスター以外の宣伝活動を全然しなかった『君たちはどう生きるか』の広報戦略はすごいですね。
ジブリ以外にこの手法ができるスタジオは世界でどこにもないんじゃないでしょうか。
コンセンサス/コミット/リスケなど、日本語でええやろと思う単語が多い昨今に残り続ける「予告編」と「特報」。
これはもう「トレイラー」でいいんじゃね?と思いますが、ここまで来たら残り続ける気がします。