エンジンオイルってどのくらいの頻度で交換すればいいの??現役整備士が解説します。

エンジンオイルの交換費用ってけっこうバカになりませんよね……

軽自動車であっても交換工賃を入れて最低でも3000円〜5000円はかかります...

でもディーラーさんや修理工場さんに言われるままの交換距離でオイル交換をして貰っている…

「メーカーの推奨距離は15000kmなのに5000kmで交換なのはなんで?」

そんな疑問をもっている人は多いと思います。

なので今回は現役2級整備士で整備主任者に任命されている私が解説します。

結論から言うと

ノンターボ車であれば5000km程度

ターボ車であれば3000km程度です。

そもそもオイル交換ってなんで必要なの??

エンジンオイルの役目は主に次のように分類することが出来ます。

・冷却作用
・潤滑作用
・密閉作用
・防錆作用
・洗浄分散作用

これだけではピンとこないと思うので詳しく解説します。

冷却作用

エンジンは内部で高温になった空気に燃料を噴射してスパークプラグから火花を飛ばすことで燃焼させエネルギーを得ています。

その為大変高温になるので、エンジンオイルがエンジン内部の熱を吸収してオーバーヒートを防いでいます。

潤滑作用

エンジン内部の部品は金属です。

その金属同士のみではスムーズに動きません。

エンジンオイルで金属摩擦を減らし、エンジンをスムーズに動かします。

密閉作用

エンジン内部の部品は僅かながら隙間があります。

その隙間から燃料を燃やして得たエネルギーが逃げてしまったら十分なパワーが出ませんよね……

エンジンオイルが隙間に密着し、十分なエネルギーを確保しています。

防錆作用

エンジン内部は金属なので当然錆がでます。

それを防ぐ作用があります。

洗浄分散作用

エンジン内部の汚れを取り込み、エンジンを綺麗な状態に保ちます。

エンジンオイルが大切な仕事をしているのは分かったけど、

だからってなんでメーカーさんの決めている交換距離との差がそんなにあるの?

それはエンジンオイルの交換頻度の差で数年後のエンジンの状態が大きく変わってくるからです。

メーカー指定との交換距離の勘違い

メーカー指定の交換距離で寿命が短くなるってどう言うこと??

メーカーが嘘を言っている訳ないじゃないか!!

勿論メーカーさんの交換距離が嘘だ!!

という訳では無いのですが、

メーカーさんの交換距離はあくまで一般的な使用をしている場合で、一般より厳しい使用をされている場合をシビアコンディションと呼んでおり、

シビアコンディションの場合はメーカーによって異なりますが大体指定交換距離の半分程度で交換が必要になります。

つまり指定交換距離が15000kmであった場合、シビアコンディションでは7500kmでの交換が目安となります。

シビアコンディションの目安は?

いきなりシビアコンディションでの使用ならメーカー指定交換距離の半分でオイル交換をしてくださいと言われても、自分の車の使い方がシビアコンディションに該当するのかどうかなんて分かりにくいですよね……

メーカーによって若干の目安の違いはあるのですが大体以下の通りが目安となります。

走行距離の約30%以上が以下の条件に該当する場合

・砂利道、未舗装路、凹凸路での走行が多い
・雪道での走行が多い
・山道、登降坂路での走行が多い(上り下りが多く、ブレーキの使    用回数が多い場合)
・走行距離が多い(目安として年2万km以上)
・短距離の走行の繰り返し(1回あたりの走行が8km以下)
・低速での走行頻度が多い(目安として30km/h以下)
・アイドリングが多い
結構ありますよね……

このような運転が全体の30%以上ならシビアコンディションに該当するのですが、意外に当てはまるのではないでしょうか??

山間部や地方の方であれば走行距離が年2万km以上や悪路での走行が当てはまりやすいと思いますし、

都心部の方でも

ちょっとコンビニまでなどの短距離の走行が当てはまりやすいのではないのでしょうか??

このように知らず知らずのうちにシビアコンディションで使用をしていることに気付いていない場合が多いのです。

また私達交換する側もどのような運転をされているのかまでは分からない為、シビアコンディション程度の交換を推奨している場合も多いです。

もしオイル交換を怠ったらどうなるの??

ここまでで大体オイルの交換距離がなぜメーカー措定より短いのか理解して頂けたかと思います。

では実際シビアコンディションに該当するにもかかわらずノーマルコンディションの交換距離での交換をしていた場合や

そもそもオイル交換をあまりしない車の場合どのようなデメリットがあるのでしょうか??

・燃費の悪化


エンジンオイルの劣化により潤滑作用が低下しエンジン内部の動きが悪くなってしまいます。

その為、必要なエネルギーを得る為余分にガソリンを使ってしまうので燃費の悪化に繋がります。

・エンジン内部のひずみによる故障


エンジンオイルの劣化で冷却作用が低下すると熱を十分外部へ放熱することが出来なくなりエンジン内部に熱がこもっていきます。

エンジン内部は金属部品が大半なので熱によるひずみ(ゆがみやまがり)が起こり修理に多くの時間とお金が必要となる場合があります。

・エンジンの調子が悪い、エンジンが止まった


エンジンオイルの劣化で清浄分散作用が低下するとエンジン内部の不純物を除去する力が低くなり徐々に汚れが溜まっていきエンジンの調子が悪くなっていきます。

加速が鈍くなる

アイドリングで車が震える

燃費が悪くなる

エンジンが止まってしまう

などの症状がでてしまいます。

また一回溜まってしまったエンジン内部の汚れは数回オイル交換をした程度では落ちにくく、エンジンの交換やオーバーホール、添加剤を入れるなど余分な整備費用が発生してしまいます。

これはあくまで一例ですがオイル交換を怠るとその代償は必ずやってきます。

まとめ

・まずは自分の車のメーカー指定交換距離やシビアコンディションの条件を知る
・その上で自分の車の交換距離の目安を知る
・適切なオイル交換を怠った場合のデメリットを考え定期的に交換するのか適当にするのか自分で考える
私はできるだけみなさんの車が故障して欲しくない。

安全に事故がないカーライフを送って欲しいと考えているので

ノンターボ車であれば5000km(大切に長く乗りたいお客様は3000km)

ターボ車であれば3000km(大切に長く乗りたいお客様は2000km)

の交換をオススメしています。

またお客様から1万kmごとの交換でいい!!

と言われればデメリットをお伝えしそれでも!!と言われれば1万kmごとの交換にします。

それを決めるのはその車のオーナーであるみな様なのですから

この記事をよんでもらい少しでも知識を身につけられる人がいらっしゃると幸いです。


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