リンドグレーン「やかまし村の子どもたち」
自分の名字は旧姓のとき、とても嫌いだった。結婚はいろんな意味で、自分にとって逃避だった。もとの家族からの。それで名字が変わることに積極的だったし、わくわくした。学校でその名前(あかまつ)に「先生」をつけて呼ばれても、痛くもかゆくもなかったのは自分の名前じゃないし~と変装している気分でいたからだろう。「ずぶの学校」をはじめて自分で活動するようになったとき、今度は結婚していることが嫌になった。自分の活動だから、人の名前で活動することに違和感がある。もんもん……。今年の春にリンドグレーンの「やかまし村のこどもたち」という本を教わり、感銘を受けて、ずぶの学校で「やかまし村の種まき祭」というイベントを開き、人形劇をした。三軒の家に住む計六人のこどもたちのにぎやかな日常は、傍から見れば、ただ遊んでいるだけで牧歌的でイージーモードやんと思われるかもしれないが、本人たちは真剣だし喜怒哀楽、生老病死(隠喩的な…こじつけ?)、学びがあり、生き生きとした人間の理想郷だ。遊びは学び。ずぶの学校はある意味「やかまし村」なんだ…おお! そしたら私は今までどこのだれだか分らなかったけど、「やかまし村の」ミーサなんだ!(あ、名前は「みさき」です)というふうに考えるに至り、「あかまつ」と「やかまし」が二字違いだという嬉しい発見が「変えるしかない」という確信、「変えたい」という衝動に拍車をかけた。ちょうどそのころには文章を書くことも増えていて、自分のことがやかましくてたまらなかったこともあり、ぴったりだ、これしかない!と思った。私の理想の、生まれて生きて死にゆく場所。私のお墓、金字塔! …気が変わったらまた変わるかもしれません。
第7回本の会(テーマ「生老病死」)に参加して/2018年11月25日発行「本の青空 no.10」に寄稿
はてなブログ:もやもやずぶちゃん「名前を変えました」👇zubunogakkou.hatenablog.com/entry/2018/06/13/224031
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