「結局、何がやりたいのか?」想いの共有をスムーズにしたのは、聞き慣れたあの単語だった|理念体現プログラム「タグライズ」【ユーザーインタビュー#02】
2024年5月、新潟市東区に開院した小出歯科クリニック。開院準備の一環として理念体現プログラム「タグライズ」をご活用いただきました。
参加メンバーは院長の小出勝義さんと副院長の小出未来さんです。6回のセッションを経て生まれたタグラインは、「たいせつな笑顔とずっと」。この言葉に辿り着くまでの想いや開院後の活用の様子を伺いました。
歯科治療に込める想いを一言で伝えたい
開院前は大学病院に所属していた勝義さん。研究や診療、学生の指導をしながら、日本歯科大学名誉教授の父・馨さんとともに、歯科医師に向けた勉強会にも携わっていました。
「研究を深め、若い世代に伝える仕事は非常にやりがいがあります。でも、これまで得てきた知見を治療の場でも活かしたい。地域の皆さまの健康維持に貢献したい。そんな思いとさまざまなタイミングが重なり、開院を決めました」と、勝義さん。
医院の建設、治療機器や資材の手配、スタッフの採用。慌ただしい準備と並行してタグライズに取り組んだのは、長年の悩みを解消するためでした。
「タグライズの説明を伺って、想いや理念を一言で言い表せるのは魅力的だと感じました。これまでもセミナーや勉強会で説明する際に、どうしても話が長くなってしまい困っていたんです。開院に向けて、想いや大切にしたいこと、患者さまに伝えたいメッセージはたくさんありました。具体的な説明はいくらでもできるけれど、『結局、何がやりたいの?』という核の部分をうまく言葉にできず…。そこを言語化できたらいいなと期待していました」。
スタッフの動きを見て大きな手応えを実感
タグライズでは3ヶ月〜半年かけて、計画・共創・体現の3つのフェーズに伴走しながら理念の言語化に取り組みます。今回は体現フェーズでスタッフ向け説明会を開催しました。
まずは、タグラインを構成する3単語それぞれに込めた想いや願いを解説。続いて、理念を生きたものにするために、現場で働くスタッフの言動が大切である理由を他社の事例を交えて紹介します。最後に、「たいせつな笑顔とずっと」を体現していくために心がけたいことを考えてもらうワークショップを実施しました。
勝義さんは、仕事もプライベートも大切にしてほしいという思いで「スタッフに早く帰ってもらう」という目標を掲げました。今でも、早く帰れるようサポートや声がけを心がけているそうです。
「声がけといえば、タグラインのおかげで“笑顔”という単語を使いやすくなりました。常に笑顔でいることは当たり前すぎで、タグラインがなかったらあえて言葉にする機会がなかったと思います。普段から笑顔を心がけるように声がけができるし、トラブルが起きた時には『こういう時でも笑顔でいたいよね』と伝えられる。笑顔が全員の合言葉になっていて、タグラインを軸に同じ理想に向かえている状態がとても心地良いです」。
未来さんは、すでにチームとしてのまとまりができていると話します。
「備品の買い出しや棚の整理、マニュアル作成など、スタッフたちは率先して動いてくれます。もちろん、優秀な人たちが来てくれたというのもありますが、タグラインを用いて大切にしている想いを共有し、判断軸をそろえることができたからだと思います」。
言葉をつくる「過程」にこそ意味があった
全6回のセッションを通して印象に残っている言葉を伺うと、「お楽しみ」だと口をそろえた2人。タグライズでは、次のセッションに向けた課題を「お楽しみ」と呼んでいます。
「『お楽しみがまだ終わってない…』なんて、2人して前日に考え込む日もありました(笑)。大変だったということではなくて、課題も含めてタグラインをつくる過程の全てが楽しかったんです。変な話ですが、終わってしまうのが寂しくて」と、笑う未来さん。
お楽しみを通して改めて立ち止まり、じっくり考える時間を持てたことが貴重だったと振り返ります。病院運営はもちろん、採用や人材育成の場面でも拠り所となる考え方の軸が定まりました。
実は、10年以上前から「来ると幸せになれる歯医者さん」になりたいと考えていた勝義さん。加えて、セッションの過程で得意としている高齢者の歯科治療だけでなく、小児からの予防ケアにも力を入れ、親・子・孫と世代を超えて愛される歯科医院をつくりたかったことに気づきました。
「心の中で温めてきた想いも、これから目指す姿も、全部が含まれている素敵なタグラインになりました。タグライズは、いろんな想いを胸に事業に取り組んでいる人にこそ体験してほしいです。第三者の視点で言語化してもらうと、頭の中がスッキリと整理されて本当にぶれなくなりますよ」。
タグライン完成後に、ホームページのライティングもご依頼くださった小出歯科クリニック様。タグライズで想いを深く掘り下げ、整理できたからこそ、届けたいメッセージがまっすぐ伝わるホームページが完成しました。
ホームページを見て、区外から来院する患者さんも少しずつ増えてきたそうです。今後は、タグラインに込めた想いを患者さんに伝えるための取り組みも考えたいと話すお2人。どんな時もタグラインとともに、目指す未来へと自信を持って歩んでほしいと思います。
タグライズの相談・依頼は下記の問い合わせフォームから