GAFAのUS特許訴訟2023
皆さん働いてますか?今年に入ってのGAFAMのUS訴訟を概観します。DB上はFeb/23まで更新データあり。
Noteは上手く表が貼れないのでベタ打ち失礼します・・
G グーグルは地裁6件、IPR13件、高裁11件
うち高裁Jenam Tech, LLC v. Google LLCの7件はいずれもJenam Tech, LLC (9,923,995)が対象
A アマゾンは地裁5件、高裁1件、ReExam2件
Fメタは地裁6件、高裁2件
A アップルは地裁5件、IPR7件、高裁7件、ReExam4件
MS マイクロソフトは地裁2件、IPR4件、高裁1件
訴訟が多い外国企業ランキング上位から同時期の韓国企業2社を調べます。
サムスン電子は地裁10件、IPR17件、高裁2件、ReExam3件
LGは地裁6件、IPR4件、高裁1件
レノボは地裁6件、高裁1件
日本だとトップ10位以内の
ソニーは地裁2件
ぐらいが訴えられている上位の今年の状況です。
個別訴訟
アップル除くGAFAが軒並み訴えられてますのが、
02/23/2023
ADNEXUS INCORPORATED v. AMAZON.COM. INC.
この3社、其れ以外にリンクドインLinkdInとイーベイeBayが被告です。
ガ~ファはリストラ①一割とか会社は厳しいようですが、他の業界や産業と相対的には儲かっているので
NPEは引き続き訴えるかと思います。
1月
ヤル気無くて一ヶ月前の書きかけが有りましたので対比のため転記。
特にアマゾンはUS特許訴訟で大人気。1月だけでも?色々あったということで概観です。
調べてみると今年1月にアマゾンは4件訴えられていますね。
1件目
THROUGH TEK CO., LTD. (RE47,842)
01/27/2023
01/13/2023
3件目
LONGITUDE LICENSING LIMITED (7,697,369)
01/09/2023
4件目
B.S.D CROWN LTD (F/K/A EMBLAZE LTD.) (6,389,473)
01/05/2023
ちなみに同月のGAFA
グーグルは2社訴えられ(Alphabet込み)
IPR5件
Federal Circuit3件
アップルも3件訴えられ、ほかに庁対応として
Reexam4件、IPR4件ありました。
メタは2社訴えられ
Federal Circuit2件
だそうです。
着実に訴えられてます。
アマゾンさんの訴訟詳細
<アマゾンの2023年1月訴訟提起>
アマゾンの事業の広さにあわせて、訴訟対象もストリーミング、半導体、NPE、事業会社とバリエーションがあるので、
1月分を早い順に並べてみます。
【1月5日】3:23-cv-00057
先ほどの4件目です。
Plaintiff B.S.D. Crown, Ltd. (“BSD”) alleges as follows for its patent infringement Complaint against Defendants Amazon.com, Inc. (“Amazon.com”), Amazon Web Services, Inc. (“AWS”) (Amazon.com and AWS, collectively “Amazon”) and Twitch Interactive, Inc. (“Twitch”) (Amazon and Twitch collectively, “Defendants”).
訴えられている製品にTwitchが有るのが面白いですね。
対象特許はU.S. No. 6,389,473
Hypertext Transfer Protocol (“HTTP”) serversを用いたreal-time video broadcastsで訴えています。
ストリーミングフォーマットがHLS and The MPEG-DASHなのが侵害理由
【1月9日】
3件目
LightGuideが半導体、搭載しているのはAmazon Echo Show 10 model t4E4AT
Fire TV Stick Lite model S3L46Nでアマゾンに対して訴訟を提起しているようです。
8:23-cv-00039
United States Patent Nos. 7,697,369 (the “’369 patent”), 9,379,233 (the “’233 patent”), RE43,539 the (“’539 Patent”), and 9,207,701 (the “’701 patent”)
昨年末にDellを撃ってアマゾンと同日にHPのほかレノボ、Acer、ASUSというアジア系も訴えています
半導体の回路図で当て嵌めを行っており
強敵のにおいがしますね。
他の特許の当て嵌めでは顕微鏡?での微細な情報で当て嵌めています。
【1月13日】6:23-cv-00023
2件目です。
US訴訟が60ケースもあるNPEの提訴です。
アマゾンへの提訴のほかにBest Buy (6:23-cv-00024), The Container Store (6:23-cv-00025),Costco (6:23-cv-00026), Fossil (6:23-cv-00029), Guitar Center (6:23-cv-00030), Home Depot (6:23-cv-00031), Interior Define (6:23-cv-00032), and ESL Investments (Transform SR Holding Management) (6:23-cv-00033)をほぼ連番で行っています。裁判地はいずれも,in the Western District of Texasです。
メイシーズやコインベース、テンセントなど初期の訴訟は早期和解しています。
対象特許はUS 6,876,979 B2でタイトルElectronic Commerce Bridge System
AML IP LLCが保有していますが出願は2012年Paybyclick corporationになります。
【1月27日】2:23-cv-00035
1件目です。
同じ番号でウォルマート、イーベイ、ホームデポ、ターゲット、など複数企業を訴えており、あまり特許訴訟に詳しくない事業会社だと分かります。
US RE47,842 E1タイトルはSystem And Method Of Identifying Networked Device For Establishing A P2 P Connection
出願人からThrough Tek Co., Ltd. です。
【同月アマゾンの訴えた訴訟】
下記昨年の訴訟に対して黙っていられないアマゾンは1月10日不存在確認訴訟のカウンターを撃ちます
2:23-cv-00053
Amazon seeks a declaration that the development, manufacturing, use, sale, promotion, and related activities of its Nike System do not infringe U.S. Patent Nos. 7,515,981 (“the ’981 Patent”), 9,658,614 (“the ’614 Patent”), and 10,528,036 (“the ’036 Patent”) (collectively, the “patents-in-suit”)
2015: Amazon Robotics Develops the Nike System
Plaintiffs Amazon.com, Inc. and Amazon.com Services LLC (collectively, “Amazon”) bring this suit against LightGuide, Inc. (“LightGuide”), and allege as follows:
After repeatedly pushing and failing to secure a deal, LightGuide sent Amazon a letter in October 2021, pointing to public information about Amazon’s Nike System and accusing Amazon of “reverse engineer[ing]” and making “unauthorized disclosures” of LightGuide’s technology. Amazon promptly responded by showing LightGuide a video of Amazon’s working Nike System, dated June 2016—well before any Amazon employee had had any contact with LightGuide
<ご参考>去年9月アマゾンが訴えられた案件
LightGuide, Inc. v. Amazon.Com, Inc., et al
No. 2:22-cv-433
UNITED STATES DISTRICT COURT EASTERN DISTRICT OF TEXAS MARSHALL DIVISION
原告としてはここで訴訟をしたいので訴状の中でアマゾンがマーシャルと関係があると説明しています
対象特許は3件で
United States Patent No. 7,515,981 (the “’981 Patent”), United States Patent No. 9,658,614 (the “’614 Patent”), and United States Patent No. 10,528,036 (the “’036 Patent”)
倉庫の運営に関する特許でAmazon, Amazon Fulfillment Center Tour with AWSが関連するとしています。
【まとめ】
がーふぁの主な事業はかわれどプラットフォームが肝です。グローバルに囲い込むユーザーが源泉です。
グーグルは検索エンジンに連動した広告業
アップルはハードウェア販売
メタはSNS登録データに基づく広告業
アマゾンはECとクラウドサービス
訴訟で分かるのは儲かると第三者が思っている製品、サービスです。過去の過ちです。
某有料サイトで調べると
Amazon.comだけで
US訴訟943件(PTABの140件含む)あって最高裁も8件(Federal Circuitも118件)
CN訴訟28件
あるそうです。
それは今年1月だけでも件数を稼ぎますよね。
4件の提訴もシステマチックにこなしていくのだと思うのですが
半導体の当て嵌めは上でも書きましたが、詳細かつしっかりとされているので要注意です。
同月の日本の訴訟がいくらあったのか、来年以降の統計を見ないと分かりませんが
少なくともそれほど大きな広がり、US知財訴訟との件数ベースの差は縮まらないでしょうね
おまけ 将来考察
グーグルはAIファースト企業だと2017年に言い、実際2014年にDeepMindを6.5億ドルで買収しています。
ゲノム解析や自動運転など種蒔き中です。
メインの検索エンジンにChatGPTなど新たな参入もあり、独占のブルーオーシャンから、競合ひしめくレッドオーシャンに対応が必要です。
アップルはデザイン性の高い製品やUXを起点とした垂直統合プラットフォームが強みです。
テスラモデルがこれ程売れる前ならばアップルカーが垂直統合プラットフォーム先でしたが、今更感がします。
アップルストアでアップルTVがエンターテイメント業界に殴り込みしましたがこちらも、Netflixやアマゾンプライムビデオなどレッドオーシャン化が進んでいます。
フェースブックは承認欲求を満たすSNSプラットフォームですが、メタへの変更にもある通り、メタバース・ファーストに進んでいます。
デジタル空間にどれだけ滞在させられるのか?そのコンテンツ次第だと思います。
パーソナル・レコメンデーションに膨大なデータを用いる為にはTikTokなどレッドオーシャンでもデータ収集が必要となりますね。
アマゾンはロックインした消費者の囲い込みにより規模の経済を満たすことが強みです。そこから自社インフラの他販に展開しAWSやフルヒィルメントで儲けています。
ゲームに力を入れていますがクラウドのデータ容量の有効活用、プライムビデオ会員からの流入狙いですよね。
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