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ニコラ(nicola)は自社開発してるのか、特許を分析

少し前、時価総額が一時期3兆円を超えたトラック版テスラの二コラについて疑惑が出ていたので知財調査しました。結果は黒に近いグレーです。

nicolaの概要

nicolaは2014年創業で、後で見るように以前はBlueGentechという名前だった?のか、特許出願の中では同じ出願図面を使っています。時間が無くてそこは見れていない、ゴメン。

EVやFCV(燃料電池車)トラックの会社ですが、先輩テスラモーターも授かる

科学者二コラ・テスラの名前から会社名を取っているので、テスラの二番煎じ上等のある意味アッパレな会社です。

SPAC上場、BOSCHやGMとの提携、などの話題を振り撒き
ニコラの時価総額は、ロビンフッドなどを利用している個人投資家が押し上げていました。

それが今年9月10日に空売り投資集団のヒンデンブルグ・リサーチが空売りで急落です。

自前だと誇っていた水素技術などは実際にはない、お買い物だという告発です。

ニコラ創業者のトレバーミルトンは一連の混乱の責任を取って?9月20日に退任しています。

なお新しい経営者は、ニコラと合併したSPACの設立者でもある前ゼネラル・モーターズ副会長のステファン・ガースキーです。

このSPAC幹部には自動車会社出身のものも多くて投資家の多くはその経験を信頼していました。そこで合併に賛成し我先に投資して結果、急騰しました。

GMは燃料電池(以下はFC、フュエル·セルの略)も開発していたので、目利きであり、商品化のノウハウ・経験があると信じたようです。

実際、9月には戦略的な提携もGMと行っており、ちゃんと調べないとニコラってスゲーって信じますよね。そりゃ

12/1追記:あんまりな会社だったのかGMも提携しないと逃げました。

売れていない水素燃料電池は供給するそうなので、下記の話はGMの技術を使うということのようです。

FC車

ちなみに、日本だとFCVを作っているのはトヨタ自動車、本田技研工業、日産などが行っています。今だと開店休業や撤退もありそうですが、

昔はカナダのバラードって会社が燃料スタックで有名でした。

また、二コラは水素ステーションも作るって言っていますが、

そもそもスタックが無いと水素をいくら積んでも電気は出来ないはずなのですが、、、

nicolaの開発実績が下の特許を見ても、FCの開発陣を見ても見えてきません。これに対して

CEOトレバーミルトンはTwitterで

全てのテクノロジー、ソフトウェアやコントロールズ(ECU?)、電動装置(Eアクセル)、インバータなど内製であると6月6日に主張しました。
唯一ADやハードウエアの製造は外注していると言っています。

調べるとFCについてボッシュは共願を出していますが、

公開される範囲ではFCの冷却に関するところのみです。

そもそもFCの化学反応を行うスタックに関する出願が全くないのに

どのように内製化したのか聞いてみたいところです。

それでは特許をみて実際に開発した内容を知的財産権として取得しているのか確認します。


<二コラの特許・意匠>

大きく分けて5つのパターンで出願していて

Aトランスミッション:歯車ですからハードだと思うんだよねぇ

Bバッテリの配置:ただしバギーみたいなのに取り付けててトラックではないんです

Cトラックの外装:こちらも形状です

Dソフトウェア:バッテリ関連のソフト

Eボッシュとの共願:唯一に近いFC絡み

Fその他

今だと公開·登録しているものでも30件弱です

A トランスミッション

保有特許リストです。同じような図面を使っているのでグループとしています。

10207751 US2017-0320382

10589797 US2017-0320366

10336379 US2017-0320367

名義はBlueGentech LLCです。以下はBで略します。

二コラ名義は下記の1件

10752300 2019-0084627

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これはやっている気がする図面ですね。

B バギー

トラック会社だと言ったのは嘘か?いえいえバギーを真面目に作っているだけのようです。

10308132 US2017-0320381

B車両そのもの

10497998 2017-0324128

Bバッテリ組み立て構造

二コラ名義は下記の4件

10581126 US2018-0261899

10661680 US2019-0255957

2018-0261899

2020-0254903

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万が一、バッテリの長期耐久調査のためにバギーを用いるのは

有るかもしれないがトラックとは縁もゆかりも無いのはどうも解せないところです。

C トラックのエクステリア

これは外見だからしっかり張りぼてにしないと

お金を投資しようと持ってもらえないため頑張っています。

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2018-0001942

10370041 US2017-0197495

10077084 US2017-0240219

10207751

BlueGentech LLCとしてこの四件です。

10661844 US2018-0222538

2019-0263455

2019-0329635

2019-0217904

10654530 US2019-0248428

2020-0255071

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Nikolaとしては、バリエーション、高圧タンク配置や、意匠を出しています。

2020-0239076

10589788

D0816004

D0811968

D0812535

D0814357

D0811944

D0809985

解せないのが、全く出願しないというノウハウ管理の会社ならこんな出願しないので、何かちぐはぐな感じしかしません。

D: ソフトウェア

ソフトウェアも内製化しているはずなのですがほとんどヒットしません。

2020-0346554

10800281 US2020-0276909

10422824

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バッテリSOC絡みなのでEVでも使えます。

E提携先のボッシュ共願案件

2020-0335805

2020-0331361

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ボッシュとの共願なのですが、

FCの冷却二件です。メインの燃料電池スタックが有りません。

<まとめ>

トラックは乗用車に比べて大きいので、バッテリー容量アップしても配置場所は余裕が有ります。

同様の理由で70MP クラスの高圧水素タンクも大きなタイヤホイール間に配置出来ます。

nicolaがトラックに目をつけたのは慧眼有ります。

業務用なので目的地のスタート、ゴールに水素ステーションが在るところだけで運用出来れば、ステーションが少ない日本でも何とかなります。

ただ端でテスラモーターが急騰、イーロンマスクが世界🌐で三番目の大富豪だと言われると焦ったので二番煎じしたのでしようね。

そもそもnicolaはIPOによらない上場、SPACを用いており、公開情報が少ないです。

SPAC上場とは既に取引所に上場済みの空箱との合併、アメリカ特有の裏口です。一株10ドルで作られた仮想会社が、未上場会社を買収します。メリットは容易に上場出来る事なのですが、分りずらいので補足します。

IPOの場合、上場のタイミングでS-1と呼ばれる目論見書をSECに提出します。

一方、SPAC上場の場合は、株主総会で可決されてから実際に合併が行われるまでの間に、S-4と呼ばれる委任状勧誘書類をSECに提出します。S-1に比べて少ない記載でも認められます。

そこで知財調査したのですが、車両の外見、皮のエクステリアは有れどソフトウェアや、キーデバイスはほとんど公開されていません。開発していないのではないかという疑問は妥当です。

FCの高圧水素タンクを背負ったNikola

2020-0239076

10589788

がありますが少なくともFCスタックの具体的な制御や

スタックで作った電気とEVとの関係は無し。

善解しても、あくまで話題造りが先行していて、FCはこれからの開発内容だと思います。


また、FCを除いた電気自動車EVでも、キーデバイスであるモーターやインバーター、バッテリーも出願が無くて、内製化は有り得ません。

有ってもハードの張り付けされているブロック図みたいなのだけです。EVはガソリン駆動に比べて簡易な構造なので他社からのお買い物だけでも作れるのでゲロったら良いのに言い逃れしています。

中国でタケノコのように新規参入が有った事からも分かるように組み立てするだけなら、それほど難しい話ではなく、nicolaもこんな感じだと思います。

しばらくというか、これだけ怪しいと私はパス。テスラモーターは高くなりすぎて乗れないし、しばらく静観です。

これだけの疑惑の会社でまだ一台も車を販売して居ないのに時価総額は3兆円越え。

空売りしとけば良かったorz

ちなみに少し前に調べた自動車会社の時価総額だと日産、スズキより大きく、何とかホンダは勝ち越し。

本田技研工業 4兆6825億円

日産自動車 1兆5966億円

スズキ 2兆2752億円

真面目に売るより、○○した方が…

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なお、調査は今日したので11月1日までの出願、オハイオにある、NikolaLabs

やNikolaさんの出願は除外しています。

って誰も聞いていない細かい調査結果のエクスキューズをするのは知財担当あるあるです。


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