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自動車の動力源あれこれ

トヨタ自動車の燃料電池車MIRAI が発売されましたが、まだまだ一般人には手が出ないと思ったのですが、あれを買う人は要るんでしょうか?

案の定、東京都は補助金101万円、国もCEV (クリーン電気自動車)補助で同じく100万円以上渡して下支えするそうです。コロナ禍なので医療従事者への支給を優先したらどうかと思う額を提供しています 。GO  TO関連予算を含めれば感染リスクのなか日々従事されているのにボーナス減らすとか悲惨な環境是正に少しは使えると思います。

燃料電池車MIRAIのホームページだと販売価格は700万円からですが、これでも金額はこなれて来ました。一時期はスタックだけでこの額を超えてしまいましたから、量産効果なのか安くなりましたね。こうなると水素充填がネックですね。

では少し遠回りに見えるとは思うかもしれないけれど歴史から見ていきます。

ハイブリッド車両の発売から

経営学のエコロジーベースの進化理論をハイブリッド自動車の進化過程に知財で当て嵌めをしてみようかとも思ったのですが、余りにも自明なので面白くならず。

生態系のアナロジーにある、駆動源の多様性は、その昔、ダイムラーから始まる100年前の電気自動車とガソリン駆動の争いから始まります。

ミレニアム前だったか、プリウスの発売から始まるハイブリッド車両まで時計を進めます。

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ハイブリッドにはエンジンとモーターとの動力の並びによってシリーズ、パラレル、その組み合わせのシリパラの分類が有ります。

一長一短のシステムから何を選ぶのか。

Pluginハイブリッドで使われるシリーズ

昔のホンダのハイブリッドのパラレル

プリウスのシリパラ

が効率から配置や並びが選択されていき、

プリウスのTHS システムが勝ち残ります。

しかし環境問題によりハイブリッド自体が淘汰の道を進みそうです。あと10年程度でEVに花道を譲る予想です。

とはいえガソリン車勃興の時にも電気自動車は遡上にあがるのでEVは古くて新しいというのがぴったりです。成り上がりというか大逆転というか、バッテリー容量など電池次第ですが。

中国での電気自動車進展

中国は規制を使い、国4、国5などで外資から国内メーカーへと技術移転を強制しつつ技術導入を進めました。

外国メーカーのハイブリッド自動車の知見を国内企業内でも使えるようにしました。法規関連のために提出された資料や色々合弁会社を悪用?するも今一つ技術的にキャッチアップできず盛り上がりません。

そこで中国はEVを起死回生の一歩とし、バッテリー供給元を中国資本に限定することで、補助金を付けて一大産業に持ち上げようとします。

十億人以上の人口、その潜在的なEV販売台数の多さから、BYD だけで無く、ガソリン駆動も作る北京汽車集団、上海汽車集団、

新興ののNIO などテスラ以外の選択肢一躍スターダムに押し上げました。

あんまり書くと燃料電池はどこいったワケわからん発散すると言われてしまうので以前の記事を載せておきます。

ひとつだけ、イーロンマスクさんはあれだけカリフォルニア州のクレジット恩恵にあいながら、後ろ足で泥をかけてテキサス州に移住するそうです。開発していた地下道はどうなる?

さて欧州では気温上昇が目に見えて高くなり、環境汚染を気にしだします。ハイブリッド自動車にはガソリンエンジン背負ってるのが納得行かないご様子ですか。

日本企業には負けないとテコ入れしたディーゼルエンジンはVW 排ガス規制後下手なことをして脱落しています。


CASEなるBUZZワード

自動車メーカーの企業内でも別のシステムを開発したり、小変更でないモノを作っているうちに、電気自動車を作っているテスラに追い抜かれました。

また時代はCASE というキャッチな言葉に取られました。やっぱり欧州メーカーはコンセプト作りが上手いです。

このコンセプトでは地域住民でシェアされた電気自動車は駐車場にて充電すれば地域内で回ります。電気自動車は電気容量もばっちりなので外部と通信しながらコネクトします。自動運転さえコネクトして後から進化させてしまえば大きなスマホの出来上がり。

歩きスマホならぬ走るスマホとなればCASEを使って公共交通機関から小型コミューターでラストワンマイルのMaaSなど、未来のことを想起させて時価総額を上げられます。実際にテスラは100万円追加で自動運転さえコネクトして後から進化させています。

この文脈からもはみ出るためクリーン電気自動車、CEV とカテゴライズしたのがFCV 水素燃料電池車です。

動力源としての水素燃料電池

水素燃料電池はしばらくというか、まあ無理です。ブレークスルーが無い限り断言出来ます。

ちなみに新動力源にはブラジルの食糧難まで起こしたバイオ燃料とか、タクシーとかで細々やってるLNGとか、電池駆動とかが有りえますが、最も望み薄です。

理由は水素ステーション不足というか、今のガソリンスタンド⛽が水素充填するのは無理だという話です。初代プリウスと同時期からレンタルのような形で細々やってる燃料電池車ですが水素充填するのは大変です。

2020年12月の今日時点で水素ステーションの数は61箇所でした。goo調べ

他の出典だとNAVITIMEだと26箇所

この数字は都内ではなく日本全土でです。

仮にガソリン車両の倍で1000キロ走れても、中距離以上走るレジャーや日常使いは無理ですよね。

なお冒頭のトヨタ自動車の未来は750キロ㍍走れると書いてますが、冬の今の時期で暖房かけるとガクンと燃費が落ちます。ガソリン駆動だとエンジンが放熱するのですが、スタックは比較すると冷たいままです。そりゃ効率が良いのが売りなのに無駄にエネルギーを使っていたら怒られます。

ということでエアコン使っている燃費が悪い状態で半分の400キロ㍍走れると想定して購入するのが安全勝手の考え方です。

同じ考え方は既に電池駆動でも行っていますが、電気は身近で、最近は急速充電スタンドも増えていますので途中で充電可能になっています。


さて、走ると充電や充填など燃料を入れないといけません。水素ステーションが有るのは、近くに化学コンビナートがある所かな?と思ったら結構都心に有りました。水素ステーション近くや都心に住んでチョイ乗りが唯一の使い道ですね。これこそ一昔前のカリフォルニア州のテスラの扱いです。

水素は気体なのでステーション管理が大変なのでコンビナートや、パイプラインを使って流通させるのが効率的です。鹿島コンビナートの他、三重県、広島県など化学プラントが立地する限られた場所なら廃棄するものの有効利用する意味もあり、ここに循環型の良さが有ります。

しかしそれ以外の地域には気体を高圧で充填するなど移動するための処理が必要です。また水素爆発が怖いので管理が大変なのにこれが加速度的に増えることは有りません。

推進している協議会ホームページだと

170の水素ステーション

内27が計画中です。

なんで実際に使えるサイト調べとこんなに差が有るかと言うと、移動式が四十有るからです。

地味に複数メーカーが開発していた水素燃料電池車🚙の先進国日本でもこんなもんです。

東北地方は宮城県、福島県以外は空白です。環境大臣のセクシー小泉先生に何とかして貰いましよう。

上でも書きましたがチョイ乗りなら近くに水素ステーションが有りますが、中距離以上走ると、辺りに水素ステーションが有りません。水素ステーションまで100キロ㍍とかざらになりそうです。

ハイブリッドを日本企業が離せないのはこのように距離の問題が大きいからなんです。ガス欠になったら近くに燃料取りに行くはあれど、水素を取りには行けません。有って水素水ですかね?

東京大阪間を追加なしに走るというミッションはクリアしていますが、水素燃料電池車は普及しそうに有りません。イバラの道というか卵が先か鶏が先かの話ですが、これから水素ステーションを全国津々浦々まで点在させる力も、その行動力も今の日本には有りません。残念ですが事実です。

ということで、日本メーカーがハイブリッド車両に注力していたのは現実を見ていたからなのです。分かって貰って時価総額が上がって欲しいところですね。



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