離婚届けの提出
先日、離婚届けを役所に提出した、二人で。
正直言って、いまだに不全感があるため、届けは勝手に出してもらえればいいのだが、「一緒に行こう」と言うので、一緒に行った。
その前に自分の荷物を整理するため、約1年ぶりに家で数時間、二人きりで過ごす。元ダンナはこれまでと変わらず優しい。「暑いからクーラーつけるね」「飲み物、置いておくね」「ポテトチップス、食べない?」
そんな優しさはいらない。すべて無視。そこまで私は切り替えが早い人間ではないし、懐もそこまで広くはない。
離婚届けに必要事項を書き入れる。
そして、捺印。もはやなんの感情もない。
手続きは婚姻届けと同じで、用紙が異なるだけだ。
「コピー、いる?」と相変わらず優しい元ダンナは離婚届けの写しを用意した。もはや天然。いるわけがないし、見たくもない。想い出にするよりも、早く忘れたいのだ。
休日の役所の届け先は、薄暗い地下にあった。
窓口の担当者は電話中で、電話が終わるのをどんよりとした空気の中二人で待つ。
初老の担当者はどんな気持ちでこの届けを受け取り、説明をしていたのだろうか?なんとなくお互いに気まずい雰囲気が漂う。
旧姓に戻すことに決めた私は、親の戸籍には戻らず、新たに戸籍を作ることを選択した。
手続きを終え、私たちは別れた。
本当に別れた。
別れ際に言おうとしていたことは、殆ど伝えることができなかった。
「これまでスミマセンでした・・・」
かろうじてこれだけ伝えたが、彼の耳に届いただろうか?
この一言にはいろいろな経緯と意味が含まれているのだが、おそらく彼には伝わっていない。
十数年の結婚生活終了。
人生、次の章が始まった。
他人を恨みながら生きるより、今を、前を向いて生きていきたいと思う。
まだまだカラ元気ではあるが、言霊になってくれればと願う。
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