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離婚調停(第1回目):いざ開始

待合室で待っていると男性から名前を呼ばれ、会議室に入る。
弁護士バッジをつけた女性と、その男性の2名が私の担当らしい。
二人とも60代くらいだろうか。

弁護士バッジを付けた女性がメインでその場を取り仕切る。
「緊張してますよね?」と切り出しながら、まずは、今日の流れ。
調停員はそれぞれの話を30分ほど聞くこと、守秘義務は守られること。
説明は極めてシンプルだ。
予め送っておいた陳述書には目を通してくれているらしい。
なお、ダンナはオンライン参加なので、その場にはいない。

私がどう思っているのか、どんな夫婦生活だったのか
概略を聞かれ、概略を答える。
女性の方はたまにかぶせ気味に話を挟んでくるのが気になる。

感情ではなく、ロジカルに話すことに努める。
そして、事実と解釈は分けて伝えること。

ダンナのターンになると、私は待合室に戻され、再び呼ばれるのを待つ。
待合室は当初よりは人は少ないが、やはり打ち合わせの内容がダダ漏れている。女性と弁護士。ここでも論点は子供のことだ。

私たちに子供がいたらどうなっていたんだろう、と思う。
おそらく別れ話にはなっていなかったかもしれない。
あるいは、別れる時には親権やら養育費やら、面会はどうするのか、とかすごく揉めながら裁判所にいるのかもしれない。
そんな妄想をしていると再び男性から呼ばれて会議室に戻る。

「次の調停日の日程を決めましょう」
開口一番、次の調停日の話だった。
どうも会議室が翌月は空いておらず、翌々日も2枠しか空いていないとか。
弁護士は早く会議室を押さえておきたいようだ。
というか、どれだけ揉め事が起こっているんだ。
今この場で日時を決める必要があるということで、再来月の仕事の予定を見ながら都合を伝える。

そして、ダンナがどういうことを言っていたのか、淡々と伝えられる。
いかに別れたいか、いかにこれまでの夫婦関係がしんどかった。
私は必至でノートにメモを取る。
なんだか悔しくて涙が出てくる。

すべての意見に対して、反論があるが、今日はここまで。
正味2時間で、第1回調停は終了。

この日は半休を取ったので、仕事には戻らない。
伝えられた言葉を反芻しながら、彼の主張に対する自分の意見、反論を自問自答しながら帰路につく(つづく)








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