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部下が「思うように動いてくれない」を解消するコーチング的3つの視点

みなさんこんにちは林です。

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普段は株式会社POPERという教育業界向けSaaSを提供する企業のCOOを務めるかたわら、普段会社のみんなに教えていることをnoteに記録として残しています。

今回は「コーチング / マネージメント」についてです。

会社のマネージャー陣と1on1をしていると「メンバー(部下)が思ったように動いてくれない」という相談を受けることがあります。

前職でも、そのまた前職でも同じような相談は受けたことがありますのでおそらくマネージャーにとってあるあるな悩みなのではないでしょうか。

「動いてくれない」なんていう言い方は失礼かもしれませんが、要は「約束どおりの行動をとってくれない」という状況なわけですが、実はこういった状況で活かせるコーチングの教えがあります。

この記事では日本におけるビジネス・コーチングの第一人者であるコーチ・エイ社の「コーチングの基本」を参考にしながら上記について説明しようと思います。

部下を観察する際に意識したい「3つの視点」

あなたの部下(メンバー)が目標達成にむけて邁進できている「いい状態」を生み出すためには、あなたの部下が

1.【スキル】必要な知識/スキルを身につけていて
2.【考え方】適切な考え方を備えており
3.【行動】1,2をもとに適切に行動にうつれている

必要があります。

このどれか1つでも欠けるとうまくいきません。

そのためあなたが部下に対して「なんでうまく動いてくれないんだ…」と感じているならば、上記の3つのどれに問題があるんだろうと観察する必要があります。

上記の3要素について具体例を見てみましょう。

<事例>新入社員A君がうまく動いてくれない・・・

あなたのチームに新入社員のA君が入社してくれたとします。
彼は新卒でまだ仕事のイロハを理解していません。
まずは部内の基本業務を先輩から巻き取るために、マニュアルを見ながら初月の月末までに集計業務をやってもらうことにしました。
そして月末最終日がやってきます。

あなたがA君のデスクに訪れ「どう?」と尋ねるとA君はこわばった表情で「すみません、、終わっていません。。。」とのこと。

あわててAくんに「え、どうして?」ときくと、どうやらマニュアルを見てもどうしてもわからなかった箇所がいくつかあったとのこと。

「え?だったらなんできいてくれなかったの?」ときくと、「すみません、みなさん忙しそうで質問するのが申し訳ないなと思って・・・」。と返答。

どうでしょう。結構ホラーですね。
※「いやいや、新人に期限前に進捗確認しない上司も悪いでしょ!」というつっこみはご勘弁ください。

このケースの場合先程の3つの観点と照らし合わせると、A君の何が問題でしょうか?

整理すると下記のようになります。

1.スキル→ ×:業務に必要な集計スキルが足りてない。マニュアルを読んでも理解しきれていない。
2.考え方→ ×:周囲の人にきくのはいいことではないと思っている
3.行動 → ○:マニュアルは読み込んで上で行動はとれた

そこであなたはマニュアルを読んでも理解しきれていなかったポイントについてレクチャーし、「わからないことがあれば僕、もしくは周囲の先輩に相談してね、相手の時間とっちゃうことより仕事が終わらないことのほうが問題だから」と伝えます。

こんな風に、相手の スキル / 考え方 / 行動 のどの観点に問題があるかを常に観察する必要があります。

上記例では「行動」については触れられませんでしたが、それぞれについてもう少し深ぼってみます。

スキルが足りないならそれを埋めるための計画を一緒に考えたり教えましょう

上記のAくんの事例では「どんなことを身につければ目標達成(=月末までに集計作業を終わらせる)できるか」は明確ですが、あなたの部下がレベルアップしてきて、抽象的なテーマに取り組むようになってくると「何を身につければいいのか」が対象者本人では簡単には気づけなかったりします。

その場合は上司であるあなたが、サポートしそれを一緒に導きだしてあげることが重要です。

また、コーチングの概念からははみ出ますが、「これは俺がやり方を教えてあげないと前に進めないな」というものであればあなたがやり方を伝授してあげる(ティーチングする)必要があります。

考え方は対話を通じて根気強く「ズレ」を認識してもらう

人間誰しも、自分自身のことをあまり理解していないものです。

考え方はいわば「価値観」ですので、過去の経験/体験によって培われた「あなたの常識」になっているものでもあるので、それが目標達成のネックになっているととしてもなかなか気づけないものです。

ですので、あなたはメンバーと深く対話することを通じて「あ、なるほど私ってこんな風に考えていたんだ。」という気づきを与える必要があります。

僕自身もこれについては「やっちまってた」経験を持ってます。

前職で役員を任されてた時に、役員会に議案を提案するスピードが遅いと指摘を受けていました。

それについて当時のCFOが僕と話をしてくれて気づいたのが、僕は「完璧な状態で提案しないと " 林の実力ってこんなもんか"と思われてしまう」ことを恐れて提案に時間をかけすぎている、ことに気が付きました。

そこでCFOと話して「半分の完成度でいいから、3倍速で出す」をテーマにすることを心がけ、ずいぶんと仕事の仕方が変わったことを経験しました。
※もちろんCFOからは、周りも半分の完成度だと思って見るわけだから”林の全力はこんなもんか・・・なんて思わないよ" とやさしい言葉もいただきました。

僕なんかはありがたくも役員を任せてもらってたにも関わらず上記のような「思い込み」がネックになって、うまく機能できていなかったわけなので、誰しも”考え方”のズレはあると思います。

時間はかかるかもしれませんがじっくりと対話を通じて、『自分の考え方に気づいてもらう』必要があります。

行動に移れていない場合に原因は2つ考えられます

さて、

適切なスキルと考え方を備えている人でも、なぜか行動にうつれていないというケースはあります。

その場合は

1.そもそも目標にコミットしていない
2.ただただ行動にうつすことができていない

という2つのパターンが考えられます。


1.目標にコミットしていないケース

誤解を恐れずにいうと、目標の重要性や妥当性については基本的には上司ー部下間で完全にすりあうことは僕はないと思っています。

なぜなら上司という立場の人は、メンバーよりも多くの経験・知識を有しており、相対的に長い目線で物事を捉えることができるので、「例えばあれをこーして、こんな施策で強化すれば、達成が見えてくるでしょ」という発想が持ちやすいです。

しかしながら、メンバーはかならずしもそうはいかないので、

「え、無理じゃない・・?」
「ていうかこの目標おいかける意義ってなんだっけ?」

という発想になる可能性もあるわけです。

メンバーが目標にコミットできていない状態でいいパフォーマンスを出すことはできませんし、そもそもいいチームをつくることはできません。

ですのであなたはメンバーになんとかして目標にコミットしてもらう努力をしなければいけません。

この点だけで1記事書けるレベルのテーマなので本記事では詳細は割愛しますが、

メンバー達のレベルにあわせて、目標の抽象度をコントロールしたり、あるいは目標達成時の意義について説明したり、と様々な工夫が必要です。

少なくとも、メンバーが活き活きとコミットしたくなる目標を設定するのは上司の仕事であり、「コミットしないなんてダメなやつだな」と片付けてはいけない、という点は理解しておきましょう。

2.ただただ行動に移せていないケース

人間てのは不思議なもんで、はたからみたら「いやいや、いいからやれよ!」と思える場面であっても、なんだか行動に移せない生き物です。

もしそうじゃないんだとしたらライザップなんてものが人気になる理屈は無いはずだし、ダイエットに悩む人なんていなくなるはずです。

これに関しては「現状維持バイアス」という人間の性質を理解しておかなくてはいけません。

現状維持バイアスとは、簡単にいうと、今までやってきたとおりにすることを脳が心地よく感じるという人間の性質です。

でもそれに甘んじていてはなかなか仕事で成果は出せませんよね。
だって「今までやっていなかった新しい取り組みを実施することで成果を生み出す」ことが仕事なわけですから。

ということで我々はうまく現状維持バイアスを乗り越える必要があるんです。

そのための有効な手段が「他人との約束」です。

現状維持バイアスとはいわば、「今までと違うことをするのにストレスを感じる」ことなわけですが、誰しも約束を破ることのほうが強いストレスを感じるものです。

ですので、あなたもメンバーに1on1の時に約束してもらえばいいんです。

「じゃあ いついつまでに、これを、この状態にします」と。
ポイントはこちらから指示するよりも、相手から宣言してもらうことですね。そのほうがより効果が高まります。

『1on1は約束の場である』

と考えるといいと思います。

最後に:とにかく大事なのはじっくりと相手を観察し、向き合うこと

いかがでしたか?

この記事ではうまくメンバーが目標にむかって邁進するために注目すべき3つの視点をご紹介しました。

が、とにかく大事なのはあなたがあきらめず・めんどくさがらず しっかりと相手に継続的に向き合うことです。

コーチングやマネジメントのテクニックは重要ですが、「とにかくこの人に成長してほしい、達成してほしい、頑張ってよかった!と感じてほしい」という気持ちがあることがすべての前提になると僕は思っています。

僕のマネージメントが100点、なんて胸をはれる人はいないと思います。

どんな偉大なマネージャーでも、今日も・明日も苦労しながら泥臭くやってるはずです。

みなさん一緒にがんばりましょうw

このnoteは『マネージャーが抑えておきたいコーチングの最低限のポイント』を意識して書きました。

【まずはここから】マネージャーの仕事術マガジンに、こうしたテーマの記事をまとめていこうと思います。

これからもコーチング以外にも、マネージャーが持っておくべき「まずはこれだけ」を意識して色んなスキルや考え方について更新していこうと思います。

参考になった、という方は今後もお付き合いのほどよろしくお願いします!

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