はじめての課題解決の進め方【目標設定・施策検討編】
今回は「ベンチャー企業のマネージャーが知っておきたい」シリーズ第二弾ということで、前回の記事、
「ベンチャー実例で解説「課題とはなにか?」「課題解決」はどう進めるのか?」
の続編で、課題解決の目標設定と解決するための施策の設定について解説します。
※前回から同じ事例を用いて解説するので未読の方はぜひ前編もあわせてご一読いただければ幸いです。
それでは早速いってみましょう!
おさらい:よし、どんな課題が存在するのは理解できた
前回の記事内で全6STEPで課題の抽出を行った結果、あなたの手元にはあなたの部署の各種課題が整理されたファイルが用意されているはずです。これをもとに、課題解決を先に進めましょう。
まずは課題を解決した結果「達成したい目標(KGI)」を設定しましょう
前編で「マネージャーの役割は担当部署の理想を描き、現状を理想に近づけること」と説明しました。
そして、理想と現状のGAPが課題であることも説明しましたので、つまりマネージャーの役割は「部署の課題を解決することである」とも言えます。
しかし、書き出してみるとわかると思いますがあなたの部署には「とてもじゃないけど一気に解決するなんて無理」という量の課題が存在しているはずです。
大丈夫です。安心して。それが普通です。
どんな会社のどの部署もおそらくそんな状態のはずで、課題抽出後のマネージャーの腕の見せどころは「どの課題を解決するのか」の絞りこみなんです。
解決する課題の絞りこみはあなた(マネージャー)に与えられている「目標」次第で可能になります。
目標というのは『●●までに、■■を、▲▲にしたい』のようなものです。
※例:2020/4までに、商談からの受注率を、40%にしたい。
この目標設定はマネージャーにとって非常に重要なものです。
売上を+20%にしたいのと、倍にしたいのでは改善幅が異なりますよね。
つまり目標次第で解決しなければいけない課題の数や度合いが異なってくるわけです。
そのため目標の設定は非常に重要です。
あなたが課題解決を通じて達成したい「大目標=KGI」を上記の例のように課題整理表の上部にデカデカと記載しちゃいましょう。
もし目標が会社(あなたの上司)から与えられている場合はそのままそれを記載しましょう。
会社から具体的な目標が与えられてない場合はどうすればいいの・・・?
わかります。
ベンチャー企業ならそれは全然ありうることです。
ベンチャー企業のなかでも設立からあまり時間が立っていない場合は特に、目標が具体化・数値化されていないことなんてザラです。
また、CSや管理部門などの目標が数値化しにくい部署だとそれなりに成熟した会社でも定量的な目標が設定されていないケースもあると思います。
そんな場合、ベンチャーのマネージャーのあなたに与えられた仕事は「目標を上司に提案すること」です。
与えられていないんだから別よくない? とか
与えてこない上司のほうが悪いでしょ?
とか考えていてと誰もハッピーになりません。
目標を設定する、というのはあなたの成長にとってめちゃくちゃいい経験です。
・何が、いつまでに、どうできれば、何の数値が、どれくらいになりそうだろうか?
あなたがここまで考えるのは、実は目標を考えるとき以外にはありません。
「与えられた目標をこなす」という発想でいるよりも、「そもそも目標がどの程度であるべきか」を少しでも考えている人のほうが圧倒的に成長します。
なので、もしあなたが上司から目標を提示されていなくても、悲観することはないと思います。本来は部長や役員にしか任せられていない役割を担当できる、という発想で取り組んじゃいましょう。
但し、いきなり考え出すのでなくまずは上司に確認をしてみましょう
どんなベンチャーでもさすがに事業計画(いつまでにどの位の売上にする、とかその際のコストと営業利益はこの位、という計画)は存在するはずです。
一般的に営業部門が存在する会社であれば、
販売数や単価は事業計画に組み込まれているはずです。
また、SaaSモデルで事業を展開している会社であれば、解約率がどの程度であるかなども事業計画に組み込まれているはずです。
ですので、もしあなたが上司から目標をきかされていない場合まずは上司に確認をしてみましょう。
改善するプロセスを絞り込んでKPIを設定する
前ステップで大目標(KGI)を設定しました。この例では「オンラインセールス経由の半期ID獲得6000」がそれに該当します。
そうしたら次にあなたがやるべきことは、その目標を達成するとしたらどのプロセスをどの位改善すればよいだろうかを考えることです。
(=KPI:小目標の設定)
・どれだけ改善してもKGIに対して大きなインパクトはない
・現状30%と伸びしろありっぽい数字なので「+10%」と簡単に設定するものの、実は+2%すらめちゃくちゃ難しい
こういったのはダメで、「改善することに意味がありそう」で「簡単にはいかなそうだが必死にやればできるかも」
と思えるのはどこかを考え、プロセスを抽出したら、
そのプロセスで計測すべきKPIを設定します。
設定したKPIを達成しうる施策案を考える
ここで施策の登場です。
前STEPで設定したKPIを向上させるためにどんな施策が考えられるか、を列挙しましょう。
上記例ではあまり多くの施策を記載していませんが、実際は1プロセスの改善施策案として5個以上思い浮かぶ、なんてことはよくある話です。特にグループワークで、チーム全員で考えたりするとそうなります。
※実は前記事を読んでくださった方はお気づきかと思いますが、課題抽出の段階で一度施策案はもう記載しています。
本来はこの記事にあるように、
課題抽出→解決する課題の選定→KPIの設定→施策案出し
という順に考えるべきなんでしょうが、やってみるとわかると思いますが結構誰しも、課題を考えているときにセットで施策案がうかんでくるものです。
多分普段から「あー、時間があったらここ整えたいな」という意識で働いていたり、「他社のあれいいな」と思っていることがあると思うのでそういうことになるんだと思います。
ですので、教科書的にこのSTEP通りでなくてもいいと思います。
思いついた順にどんどん記載していって、
各STEPを行ったり来たりしながら完成させればいいと思います。
さあ、これで課題を解決して叶えたい目標と、そのための施策案が整いました
みなさまお疲れさまでした!これであとはこの表どおりに施策を実行するだけです!
となればいいのですが、現実はそんなにあまくはありません。
前編、そして本記事で作成した課題整理表にあわせてもう一つ重要なものを作成する必要があります。
それが「施策の実行計画表」です。
長くなってしまったので続きは次の記事で。
それではまた次回!
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